著者
松本 剛 佐藤 澄仁 櫻井 文隆
出版者
東京都農業試験場
巻号頁・発行日
no.32, pp.79-92, 2004 (Released:2011-03-05)
著者
森田 琢也 花岡 伸治 佐藤 澄 市橋 良夫 越智 薫 勝間田 敬弘
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.832-835, 2014-09-15 (Released:2014-10-03)
参考文献数
3

症例は多発性外骨腫のある12歳男児.外傷の既往なく胸痛発症後1ヵ月に血胸をきたし緊急手術を行った.開胸時壁側胸膜と臓側胸膜の双方から出血を認め,胸腔内に突出した第6肋骨の一部と肺中葉臓側胸膜の癒着の破綻が出血源と考えられた.手技は壁側胸膜の止血と肺部分切除術を行うにとどめ,胸腔内突出は軽度であったことから骨切りは行っていないが,術後1年3ヵ月の経過観察期間中,血胸の発症は認めていない.外骨腫による血胸の報告数自体が少ないこともあり術後再発や反対側発症の報告は見当たらず,手術時の適切な対応に関するコンセンサスも得られていない.呼吸器外科医は多発性外骨腫が外傷のない小児血胸の発生原因となることを知らねばならない.
著者
高橋 徹 佐藤 工 大谷 勝記 佐藤 澄人 市瀬 広太 江渡 修司 佐藤 啓 米坂 勧
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.663-668, 2002-08-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
16

細胞表面マーカーの1つであるCD36は血小板,単球,脂肪組織,骨格筋など全身に広く分布し,多彩な機能を有している.特に長鎖脂肪酸輸送蛋白として心筋脂肪酸代謝に関与することや酸化LDL受容体として脂質代謝に関与することから,心筋症や動脈硬化との関連が注目されている.今回,川崎病冠動脈障害例において,123I-BMIPPの心筋への無集積を契機に発見されたCD36欠損症の1例を経験した.症例は9歳男児.3歳11カ月時に川崎病発症.冠動脈障害(右冠動脈瘤と左冠動脈拡張.閉塞性病変はなし)を合併し,フルルビプロフェン内服を継続中.現在までに心筋虚血を示唆する症状や検査所見は認めず,血糖,血清脂質および分画は正常.201T1/123I-BMIPP 2核種同時収集心筋シンチグラフィーで201T1の心筋への集積は正常であったが,123I-BMIPPは全く集積を認めず.フローサイトメトリー法による血小板および単球のCD36の発現を両者ともに認めず,I型CD36欠損症と診断した.近年,成人領域で動脈硬化や心筋症の原因としてCD36の関与が注目され,CD36欠損症に関する報告が散見されるが,小児例での報告はまれである.本症例は心筋障害や動脈硬化のない段階で偶発的に発見された貴重な症例と考えられた.将来,心筋症様病態への進展や川崎病冠動脈障害を基盤とした動脈硬化,虚血性心疾患への早期進展が危惧され,今後も慎重な経過観察が必要と考えられた.