著者
小池 淳司 平井 健二 佐藤 啓輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.388-399, 2012 (Released:2012-12-20)
参考文献数
23
被引用文献数
4 6

道路整備は,人やモノの移動時間を短縮させ,中長期的には,産業の活性化,人口集積など地域の社会・経済構造を変化させる.一方,そのような社会的メリットは,全国一律に享受できるものではなく沿線地域を中心に偏在化し,地域によっては,地元企業の衰退等のデメリットが存在することも知られている.この発展する地域・衰退する地域がどのように分かれるかは,今後の道路整備を考える上で重要な要素であり,客観的な分析が求められる.本研究では,中国地方の過去の高速道路整備が人口構造や産業活動に与えた影響を固定効果モデルにより事後的なパネルデータ分析を行った.その結果,高速道路と産業活動との間には,多くの地域で正の関係性が確認される一方で,人口構造との間には,地方部での負の関係性があることなど空間的な偏在化が示された.
著者
佐藤 啓介
出版者
宗教哲学会
雑誌
宗教哲学研究 (ISSN:02897105)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.29-43, 2019-03-30 (Released:2019-05-22)

Empirically, we say of the “Dignity of the dead”, which corresponds to the dignity of human being. On the other hand, theoretically, we don’t understand why and to what degree the dead should have the dignity. This article intends to found this reason and construct the foundation for the general ethics of the dead. The strategy in this article would be called “ethics of the dead from below”, which contrasts with “one from above” that emphasizes the Otherness of the dead and distance between the dead and us. There are two difficulties in admitting the dignity of the dead; the dead is the non-being who cannot suffer; we cannot affect and recover the way of being of the dead. But, recent philosophical investigations on the harm of death are solving the first difficulty by thinking that the dead can have ontological status in the symbolic or discursive levels. The second difficulty is solving by Ichinose’s thought how we would be harrowed by causal absence of the dead. These philosophical efforts would contribute to the universal and formal foundation for the ethics of the dead.
著者
佐藤 啓一 阪口 ナミ
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.79-82, 1968

カカオの温室における開花機構を調べ, また花粉の寒天培養によつて花粉の性質を調べた結果,<BR>1.カカオの花粉は, 蔗糖10%, 寒天1.5%を用い28℃1夜放置で良好な発芽を示した.<BR>2.花粉発芽率は午前がよく, 午後も2時を過ぎると低下する.<BR>3.室内放置の花粉は24時間後には, 寒天培地上での発芽力は少なかつた.<BR>4.受粉後, 受精までには.少なくとも14時間を要した.<BR>5.開花1日後には殆ど落花するが.良好な花ほど着花時間は長い.
著者
米山 裕子 佐藤 啓造 九島 巳樹 栗原 竜也 藤城 雅也 水野 駿 金 成彌 佐藤 淳一 根本 紀子 李 暁鵬 福地 麗 澤口 聡子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.326-339, 2016 (Released:2017-02-21)
参考文献数
24

突然死の原因疾患は心疾患や脳血管疾患の頻度が高く,感染症による急死は比較的少ないこともあり,内因性急死としての感染症について剖検例をもとに詳細に検討した報告は少ない.特に,心疾患による突然死と比較・検討した報告は見当たらない.本研究では当教室で経験した感染症突然死15例と心臓突然死45例について事歴や解剖所見を比較・検討した.感染症の死因は肺炎9例,肺結核4例,胆嚢炎1例,膀胱炎1例であり,性別は男8例,女7例であった.心臓突然死では虚血性心疾患23例,アルコール性心筋症11例,その他の心疾患11例であった.感染症突然死と心臓突然死について単変量解析を行うと,有意な因子として,性別 (男性:女性,感染症8:7,心臓38:7),るい痩 (感染症9/15,心臓13/45),眼結膜蒼白 (感染症12/15,心臓9/45),心肥大 (感染症3/15,心臓34/45),心拡張 (感染症1/15,心臓23/45),豚脂様凝血 (感染症14/15,心臓10/45),暗赤色流動性心臓血 (感染症11/15,心臓44/45),心筋内線維化巣 (感染症4/15,心臓37/45),肺門リンパ節腫脹 (感染症13/15,心臓10/45),諸臓器うっ血 (感染症6/15,心臓36/45),胆嚢膨隆 (感染症11/15,心臓15/45),胃内空虚 (感染症11/15,心臓16/45),感染脾 (感染症8/15,心臓1/45)が抽出された.有意差がなかった項目は,肥満,死斑の程度,諸臓器溢血点,卵円孔開存,肺水腫,脂肪肝,副腎菲薄,動脈硬化,胃粘膜出血,腎硬化であった.多変量解析では,眼結膜蒼白,豚脂様凝血,心筋内線維化巣,心肥大の4因子が感染症突然死と心臓突然死とを区別する有意因子として抽出された.眼結膜蒼白,豚脂様凝血の2項目が感染症突然死に,心筋内線維化巣,心肥大の2項目が心臓突然死に特徴的な所見であると考えられた.死に至る際,血液循環が悪くなると眼結膜にうっ血が生じるが,心臓突然死の場合はうっ血状態がそのまま観察できるのに対し,感染症による突然死では慢性感染症の持続による消耗性貧血を伴う場合があり,うっ血しても貧血様に見える可能性がある.豚脂様凝血は消耗性疾患や死戦期の長い死亡の際に見られることが多い血液の凝固である.死後には血管内で徐々に血液凝固が進行し,暗赤色の軟凝血様となり,血球成分と血漿成分に分離し,その上層部には豚脂様凝血が見られる.剖検時に眼結膜蒼白,豚脂様凝血の所見があれば感染症による突然死を疑い,感染症の病巣の検索とその病巣の所見を詳細に報告すべきと考えられた.感染症突然死では,るい痩が高頻度に見られたので,感染症突然死防止のためには日頃からの十分な栄養摂取が必要と考えられた.また,感染症突然死と心臓突然死両方で副腎菲薄が見られたので,突然死防止のためには3次元コンピュータ連動断層撮影(computed tomography:CT)による副腎の容積測定を健診で行い,副腎が菲薄な人では感染症の早期治療が肝要であることが示唆された.
著者
西田 幸典 佐藤 啓造 藤城 雅也 根本 紀子 足立 博 岩田 浩子 米山 裕子 李 暁鵬 松山 高明 栗原 竜也 藤宮 龍祥 浅見 昇吾
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.168-182, 2018 (Released:2018-09-11)
参考文献数
27

今日の在宅看取りは,地域の診療所医師が大部分を担っているが,2040年をピークとする多死社会の看取り体制として,それが適切に機能するかの問題がある.そこで,本研究は,診療所医師の在宅看取りにおける負担軽減策として,看護師による死亡診断および死亡診断書の作成について,多死社会を担う若年層の認識を踏まえて,その是非を法医学的観点から考察するものである.研究方法は,質問紙調査(対象:医学生242名,一般学生402名)と看取り制度に関する文献調査である.質問紙調査の結果は,看護師による死亡診断について,看護師のみが死亡に立ち会う状況で是認する割合が高く,死亡診断について研修を受けて試験に合格した看護師が良いとする割合が高かった.また看護師による死亡診断書の作成について,看護師のみが死亡に立ち会う状況で是認する割合が高く,死亡診断書の作成について研修を受けて試験に合格した看護師が良いとする割合が高かった.しかし,死亡診断を是認する割合は,死亡診断書の作成を是認する割合よりも高かった.一方,医療制度改革の潮流には,①医師の働き方の見直しとしてタスク・シフティングの提案,②看護師の特定行為の創設,③地域包括ケアシステムの推進,④欧米における看護師による死亡確認の現状がある.本研究では,上記の調査結果と医療制度改革の潮流を踏まえ,診療所医師の負担軽減策の一つとして,看護師による死亡診断を,①特定行為の一つとする方法と ②保健師助産師看護師法の「診療の補助」とは別の新たな枠組みとする方法を提案する.一方,看護師による死亡診断書の作成については,原則として時期尚早と考える.しかし,診療所医師の負担軽減および死後のエンゼルケアやグリーフケアの実施の観点から,末期がん患者のような特定の患者に限定し,かつ,死亡診断書の作成プロセスの一つである異状死でないとの判断までであれば検討の余地があると考える.ただし,これを実現するためには,異状死の判断を適切に行い得る程度の知識と技術を担保できる教育システムが必要不可欠であると考える.
著者
岡部 万喜 佐藤 啓造 藤城 雅也 入戸野 晋 加藤 礼 石津 みゑ子 小渕 律子 福地 麗 大宮 信哉 李 暁鵬 九島 巳樹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.190-210, 2014 (Released:2014-09-27)
参考文献数
25

近年,医療事故訴訟が絶対数の増加にとどまらず,相対的にも増加している.しかし,どのような事例で刑事責任を問われ,あるいは民事訴訟を提起されるかを,実際の裁判例と医療死亡事故解剖例の両面から分析した報告はみられない.本研究では医療訴訟が提起される確率の高い,医療死亡事故と重い後遺障害が残った事例の判例を分析するとともに,法医学講座で扱われた医療関連死の解剖12例を分析することにより,どのような事例で刑事責任を問われるか,あるいは高額な損害賠償を命じられるか,もしくは低額の慰謝料の支払いにとどまるか,さらに,まったく責任を問われないか,裁判と解剖の実際例の分析をもとに同種の事故発生および訴訟提起を予防することに重点を置いて検討した.その結果,まず判例の分析から,診療を拒否すると民事責任を問われる可能性があること,患者本人に詳細な病状説明が困難な,たとえば末期がんの事例では家族への説明義務を果たさないと民事責任を問われること,昭和末期から平成10年代にかけ癌の告知が家族主体から本人主体へと移行し,時代の変化に対応した告知を行わないと民事責任を問われること,その時点での医療水準に適った医療を行わないと民事責任を問われること,治療に際し,患者は医師に協力しないと損害賠償・慰謝料の支払いを受けられないこと,医療行為と患者の死亡との間の因果関係の存在が証明されなくても,医療水準に適った医療が行われていれば,患者がその死亡の時点で,なお生存していた可能性が証明されるときは医師が不法行為による損害を賠償する責任を負うこと,看護師の薬物誤認が原因の過誤であっても指示した医師も民事責任を問われる可能性のあること,医師の指示自体が誤っていても,それを医師に確認せず,そのまま処置をした看護師にも民事責任が問われること,医療過誤刑事裁判では「疑わしきは罰せず」という刑事裁判の鉄則が適用されず,被告の過失というより医療機関の設備や医療システムの問題が主因の場合でも直接,医療行為に当たった医師,看護師が刑事処罰される危険性があること,重大な過誤の場合,主治医だけでなく,指導医,さらに診療科長まで刑事処罰される危険性があることなどが明らかとなった.次に,解剖例の分析から,事故および訴訟の予防対策として,医師は看護師から要請があったら必ず真摯に診察すること,医師は常に患者の急変の可能性を念頭におくこと,看護師も患者の病状を常に念頭に置き,当直医に連絡して診察がないときは主治医まで連絡すること,医師は必要でない治療を行わないこと,医師は自分の専門領域の疾患だけにとらわれず,患者の全身,心の中まで診ること,腹痛や頭痛を訴える患者には医師も看護師も特に慎重に対応することなどが挙げられた.以上の結果から,民事訴訟の発生を防ぐには,医師や看護師らの医療従事者は至誠一貫の精神のもと,常に患者および家族に対して誠実に対応するとともに,医療従事者間の壁を取り除き,チーム医療によるダブルチェックシステムを構築することが肝要であると考えられる.
著者
加藤 真 岩堀 裕介 佐藤 啓二
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.481-484, 2004-08-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

We verified the coaptaion effect of the subscapuraris muscle when the shoulder was immobilized the external rotation after initial anterior dislocation of the glenohumeral joint, and the practical use of the immobilizer to keep the shoulder in external rotation position. We evaluated twelve shoulders of the 12 patients with traumatic initial anterior dislocation of the shoulder. All of the patients were male, and the in mean age was 22.2 years old(range,17 to 30). Fast-spin-echo T2-weighted axial and sagittal magnetic resonance images were made, with the arm held at the side and positioned first in the maximum internal rotation and then in 15°external rotation within one week after the dislocation. We examined the coaptaion effect of the subscapuralis muscle comparing the images in the both positions. The patients were asked about the compliance and the discomfort of immobilization. Bankart lesions were identified in 11/12 shoulders (91.6%). The coaptaion effect was observed in 10/12shoulders (83.3%). All of the patients put on immobilizers for 3 weeks, and answered that discomfort was within the bounds of their torelance. Better coaptaion of a Bankart lesion was observed in external rotation compared with that in internal rotation. The immobilizer was of practical use.
著者
山田 秀秋 佐藤 啓一 長洞 幸夫 熊谷 厚志 山下 洋
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.249-258, 1998-03-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
34
被引用文献数
31 32

Stomach contents of juvenile Japanese flounders were studied from 3 sheltered and 3 exposed bays. Newly settled flounders (15-20mm in TL) mainly consumed mysids regardless of the availability of food organisms. In sheltered bay areas where mysid densities were low, flounders larger than 60mm preyed mainly on juvenile fish. In exposed inshore areas mysids were abundant and con-stituted the major dietary item of flounder until 200mm. The amount of the stomach contents was not significantly different between the two area types. From monthly investigations it was found that seasonal changes in the feeding activity of juvenile flounders is closely associated with water temperature and mysid abundance. Analysis of the relationship between the total length of flounders (from 15mm to 600mm) and the size and number of prey consumed suggest that small mysid individuals are the most suitable prey items for flounders until 50mm and fish prey items are essential for larger flounders.
著者
山田 秀秋 佐藤 啓一 長洞 幸夫
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.249-258, 1998 (Released:2011-03-05)
著者
内藤 真理子 庄子 幹郎 佐藤 啓子 雪竹 英治
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

歯周病原細菌Prevotella intermediaの病原因子の一つにバイオフィルム形成能があげられる。これまでの研究からこの活性にはType IX 分泌システム(T9SS)が必須であることが示唆された。本研究では本菌の全遺伝子からバイオフィルム形成に関わるT9SS輸送タンパク質と予測される候補遺伝子を6つ抽出し、うち5つの遺伝子の変異株の作成に成功した。解析の結果、これらのうち2つがバイオフィルム形成に必須であることを明らかにした。
著者
高橋 徹 佐藤 工 大谷 勝記 佐藤 澄人 市瀬 広太 江渡 修司 佐藤 啓 米坂 勧
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.663-668, 2002-08-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
16

細胞表面マーカーの1つであるCD36は血小板,単球,脂肪組織,骨格筋など全身に広く分布し,多彩な機能を有している.特に長鎖脂肪酸輸送蛋白として心筋脂肪酸代謝に関与することや酸化LDL受容体として脂質代謝に関与することから,心筋症や動脈硬化との関連が注目されている.今回,川崎病冠動脈障害例において,123I-BMIPPの心筋への無集積を契機に発見されたCD36欠損症の1例を経験した.症例は9歳男児.3歳11カ月時に川崎病発症.冠動脈障害(右冠動脈瘤と左冠動脈拡張.閉塞性病変はなし)を合併し,フルルビプロフェン内服を継続中.現在までに心筋虚血を示唆する症状や検査所見は認めず,血糖,血清脂質および分画は正常.201T1/123I-BMIPP 2核種同時収集心筋シンチグラフィーで201T1の心筋への集積は正常であったが,123I-BMIPPは全く集積を認めず.フローサイトメトリー法による血小板および単球のCD36の発現を両者ともに認めず,I型CD36欠損症と診断した.近年,成人領域で動脈硬化や心筋症の原因としてCD36の関与が注目され,CD36欠損症に関する報告が散見されるが,小児例での報告はまれである.本症例は心筋障害や動脈硬化のない段階で偶発的に発見された貴重な症例と考えられた.将来,心筋症様病態への進展や川崎病冠動脈障害を基盤とした動脈硬化,虚血性心疾患への早期進展が危惧され,今後も慎重な経過観察が必要と考えられた.
著者
佐藤 啓一 阪口 ナミ
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.115-119, 1967-12-28 (Released:2010-03-19)
参考文献数
4

電熱利用温室におけるカカオ樹栽培の結果, 毎年約20個のカカオの果実を収穫することが出来た.温室内においても, 開花結実はほとんど一年を通じて行なわれるが, 結実後の落果が多く, 収穫できるのは, 10月から12月頃の開花盛んな頃の人工受粉により得られたもので, その時の月平均気温は, 27℃前後であった.収穫したカカオの実は, 形態的にやゝ小さく, カカオ豆は不良豆がやゝ多く, 1個平均重もやS小さかったが・それを除けば, 充実した多くのカカオ豆を得ることができた.おわりにこの研究の発表を許可下さった森永製菓株式会社に深謝すると共に, 終始御助力下さった, 製菓鶴見研究所玉木技監, 塚口分室須山分室長に感謝の意を表する.
著者
想田 光 岩井 岳夫 金井 貴幸 宮坂 友侑也 佐藤 啓 根本 建二 上野 義之 嘉山 孝正
出版者
日本加速器学会
雑誌
加速器 (ISSN:13493833)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.144-150, 2020-10-31 (Released:2021-10-05)
参考文献数
12

Yamagata University has carried out a heavy ion treatment facility project since 2004. Building and treatment machine has been constructed since 2017. The carbon ion medical accelerator consists of a permanent-magnet type electron cyclotron resonance (ECR) ion source, a series of linear accelerator of radiofrequency quadrupole (RFQ) and interdigital H-mode drift tube linac (IH-DTL) with an energy of 4 MeV/u, and an alternative gradient synchrotron of 430 MeV/u. There are two irradiation rooms, one has a fixed horizontal port and the other has a rotating gantry port with superconducting magnets. Since the irradiation rooms are placed above the accelerator room, the footprint of the building is only 45×45 m, which is significantly smaller than preceding facilities. The synchrotron has a variable-energy flattop operation pattern with 600 energies. This operation enables a three-dimensional spot scanning irradiation without range shifters. A superconducting rotating gantry is equipped with a pair of improved scanning magnets in the downstream of the final bending magnets and is downsized to 2/3 of the first model built in NIRS. The construction of the building was completed in May 2019. The treatment irradiation will start in February 2021 after machine optimization and clinical beam data measurement.