著者
飯尾 淳 石山 泰弘 佐藤 紀子 和井田 理科
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2017-CE-141, no.5, pp.1-8, 2017-10-27

人間中心設計推進機構 (HCD - Net) では,各種の製品やサービスをデザインする企業における人間中心設計 (Human - Centered Design, HCD) の普及を推進する活動を実施している.その一環として,人事部門など企業内の教育に関する部門内に,HCD の概念と方法論そのものを教育 ・ 啓発する活動を促進することを計画した.そこで,HCD 教育の実践者を増やすための活動グループとして,講師拡大ワーキング ・ グループが設置され,現在,精力的な活動を続けている.その成果として,まず,入門教育のコンテンツを作成し,いくつかの組織において試行を始めたところである.本報告では,入門教育コンテンツ作成の概要と,実際の試行結果について報告する.
著者
佐藤 紀子
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.17-26, 2007-09-01
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では, 17世紀のオランダの画家フェルメールが, 構図を決め下図を作成するための補助的な道具として, カメラ・オブスクラを利用したという仮説について考察する.彼の作品に繰り返し描かれたのは, 室内空間の様子である.これらの風俗画は, 当時のオランダで描かれた同種のものよりも, かなり正確な遠近法で描写されている.本論では, 描かれた床のタイルサイズを基準として13作品から分析図と平面図・立面図を作図した.平面図から, 彼が遠近法の知識によってタイルの数を増減して様々な絵画空間を創作したことが推察できた.フェルメールの用いたキャンバスは, 似たようなサイズが数枚ずつある.分析より, そのサイズによって, 描かれた空間の大きさが類似していることがわかった.よって, いくつかの描かれた場面は, 同一の部屋のバリエーションとして, ある視点から, トリミングされたと考えられる.結論として, フェルメールは, カメラ・オブスクラの光の像を絵画空間の遠近的な整合性を画面に描写するために利用し, さらに透視図法を融合させることによって, よりリアルな空間表現を追求したといえる.
著者
村瀬 篤 佐藤 紀夫
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.405-409, 2000 (Released:2007-07-09)
参考文献数
9

Pyrolysis infrared spectroscopy system using a pyrolysis probe has been developed for the rapid identification of waste rubbers containing a large amount of carbon black. This system consists of a pyrolysis probe, flexible and heatable gas guide, FT-IR, and computer. The small area of the surface of a plastic part is pyrolyzed momentarily with the pyrolysis probe, and the gaseous pyrolyzate is carried with nitrogen gas cell in FT-IR, the type of plastic is then identified with the IR spectra of the pyrolyzate. This method has the following features; (1) Almost all kinds of waste rubbers used for automobile parts can be identified in a few seconds. (2)Samples do not need to be carried. (3)Surface degradation and stains do not affect the identification. And (4) automatic identification system using this technique has made it possible to identify rubbers by only one action. The application of this method to the identification of weather-strips which had been collected from scrapped cars has confirmed that this method is useful for sorting before devulcanization process of waste rubbers.
著者
佐藤 紀子
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.17-26, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

本研究では, 17世紀のオランダの画家フェルメールが, 構図を決め下図を作成するための補助的な道具として, カメラ・オブスクラを利用したという仮説について考察する.彼の作品に繰り返し描かれたのは, 室内空間の様子である.これらの風俗画は, 当時のオランダで描かれた同種のものよりも, かなり正確な遠近法で描写されている.本論では, 描かれた床のタイルサイズを基準として13作品から分析図と平面図・立面図を作図した.平面図から, 彼が遠近法の知識によってタイルの数を増減して様々な絵画空間を創作したことが推察できた.フェルメールの用いたキャンバスは, 似たようなサイズが数枚ずつある.分析より, そのサイズによって, 描かれた空間の大きさが類似していることがわかった.よって, いくつかの描かれた場面は, 同一の部屋のバリエーションとして, ある視点から, トリミングされたと考えられる.結論として, フェルメールは, カメラ・オブスクラの光の像を絵画空間の遠近的な整合性を画面に描写するために利用し, さらに透視図法を融合させることによって, よりリアルな空間表現を追求したといえる.
著者
佐藤 紀子
出版者
東京工科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

初心者の描画プロセスを時系列のデータとして扱い、定量的な分析から導きだす描画傾向を描画支援として応用することを目指した.本研究の成果により,描画過程を詳細に分析することが可能となった.1.ペイント系ソフトの開発 従来のアナログの描画形態を保ったまま描画内容をデジタル化する手法として,液晶ペンタブレットでの描画入力に特化したソフトを開発した.このソフトは,描画再生時間を任意に設定できる他,指定時間帯のみの再生も可能である.渡辺賢悟."でっさん"描画パート.Version 2.03, 2007-12-17.発信者(渡辺賢悟)info@mediatelier.net, Windows 2000/XR,ファイルサイズ:364KB.2、解析ソフトの開発 1のソフトで取得した時間単位ごとの描画結果を静止画で取り出すことが可能である.描画部分をAdobe社のIllustrator CSを用いて領域ごとに色で分割指定し^<*1>,領域内の濃度の推移を取得した.竹内 亮太."でっさん"分析パート.Version 2.00, 2007-6-24.発信者(竹内亮太)s2rita@nifty.com, Windows 2000/XP,ファイルサイズ:244KB.3.結果 参加者である美術大学生と工科大学生それぞれ5名が,9オンス紙コップとりんごをそれぞれ5回描画し,それらの描画時間の平均値と標準偏差,消去時間を求めた.どちらの参加者も,それぞれの項目で同じ数値を示す該当者がいた.特に,質感表現に傾向があり,時間の多くがこの表現に費やされることが時間単位ごとの静止画から把握できた.さらに,対象物を見ることに対する意識が異なることも描画結果のアンケートから示唆された.よって,形態の把握と平行して質感表現も描画支援する必要があると考える.注.*1色指定は8箇所まで可.ドロー系ソフトであれば,Adobe社以外のソフトも使用可能.
著者
高橋 紀子 岡田 ミヨ子 長谷川 由紀子 佐藤 紀子 成田 琢磨 神谷 千鶴 浅沼 義博
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.58-67, 2004-03-31

糖尿病患者に対し,教育入院用クリニカルパスを作成し,7例に適用した.このパスの中での栄養士の果たす役割は,アウトカムを「食事療法の必要性が理解でき,ご飯などの秤量ができ,退院後も継続できる」とした.入院期間は平均24日であり,この間に全例において, 3回栄養指導を行うことができた.入院時に調査した患者の食事状況については,7例中6例が間食をしていた.また,食事傾向は7例中5例が基本量よりも多く食べていた.また,7例中2例では食事療法に対する家族の協力は得られず,問題を抱えていた.教育入院前後のBody Mass Index (BMI)は,入院時27.4±4.8,退院時26.7±4.6であった.また,収縮期血圧は,各140±26mmHg,117±18mmHgであった.BMI,収縮期血圧ともに入院により有意に改善した.血液検査成績として,空腹時血糖, HbAlcを測定した.空腹時血糖は,入院時182±40mg/dl,退院時132±52mg/dlであった.また,HbA1cは,各10.0±1.8%, 8.0±0.9%であった.空腹時血糖,HbA1cともに入院により有意に改善した.退院時に,食事療法の理解度を調査した.摂取エネルギー量や主食・主菜・副菜の組み合わせの理解は7例ともあった.また,食品交換表の理解は,「ある」が3例,「1部ある」が3例であり,「ない」は1例のみであった.糖尿病教育入院用クリニカルパスを用いて管理栄養士が食事療法に介入することは,計画的に栄養指導を行うことができる,栄養士がチーム医療のなかに積極的に入ることができる等の理由により有意義であると考える.
著者
佐藤 紀美子 北川 知佳 佐藤 豪 神津 玲 千住 秀明
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.97-100, 1991-03-30

本研究の目的は,家事動作の作業強度を定量的に把握し,退院指導に役立てることである.対象は健常主婦9名で,方法は心拍数を連続測定し,家事動作の方法と開始・終了時間を記録させた.作業強度は,安静座位時心拍数を100とし,その増加で示した.その結果,心拍数増加が被験者間で相違の大きい作業(掃除・洗濯等)と小さい作業(食事後片づけ・買物・食事準備等)に分けられた.心拍数が高い時間帯は,掃除や洗濯を含む複数の作業の同時進行が多かった.以上より家事動作の運動量を軽減する為に,掃除・洗濯を他作業から分離することや,心拍数増加が被験者間で相違のある作業は,増加の低い作業方法を選択する等の指導の必要性が示唆された.