著者
佐藤 美紀子 原 祥子 福間 美紀 加藤 真紀
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20190603055, (Released:2019-09-11)
参考文献数
115

脳卒中患者のセルフマネジメントに関する研究の動向と実態を明らかにすることを目的に,文献レビューを行った。医中誌,PubMed,CINAHLにおいて,国内文献7件,国外文献98件が抽出された。研究は2000年以降に報告されており,過去5年間の国外の介入研究が増加していた。国内では,実態調査と文献レビューのみであったが,国外では,尺度開発,支援ツールの開発,介入プロトコル,介入研究,介入プログラムの評価も行われていた。セルフマネジメントのプロセス全体を評価した実態調査は十分に行われておらず,介入プログラムも開発段階であった。適切なセルフマネジメント行動により,心身機能やQOLの向上が期待できる一方で,退院後の療養支援環境が十分に整っていないことが一因となり,適切な行動がとれない患者が一定割合で存在する実態が明らかになった。プロセス全体を評価できる指標や尺度の開発,実態に基づく介入プログラムの開発が求められた。
著者
中原 健志 佐藤 美紀子 紫合 治 並木 美太郎
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2015-OS-134, no.21, pp.1-8, 2015-07-28

近年,分散処理の利用場面が増えつつあるが,多くの分散処理系では専用のプログラムを書く必要があり,プログラム変更の手間が大きい.本稿では既存のコマンドを分散して実行する分散シェルについて述べる.本シェルではデータの分割,合成とネットワークを介して利用可能なパイプの機能を追加し,コマンドをネットワークで繋がっている複数台の計算機で分散実行することでプログラムを改変せず手軽に分散処理を実現することを検討した.コマンドの分散実行については,各種の位置透過性が必要であるが,これらを分散向け OS である Plan9[1] の分散透過性を用いることでシェルに実現する.
著者
河合 光久 瀬戸山 裕美 高田 敏彦 清水 健介 佐藤 美紀子 眞鍋 勝行 牧野 孝 渡邉 治 吉岡 真樹 野中 千秋 久代 明 池邨 治夫
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.181-187, 2011 (Released:2011-09-06)
参考文献数
16
被引用文献数
2

便秘傾向で60歳以上の健常成人男女58名(平均年齢68.8±5.3歳)に,Bifidobacterium breveヤクルト株が製品1個あたり1.0×1010 cfu含まれるはっ酵乳(商品名 ミルミル)を連続4週間摂取するオープン試験を実施した.被験者は排便日数が週に3から5日で,便の硬めな(便の水分含量が70%未満)人を選択した.はっ酵乳(試験食品)の4週間摂取は,排便量の増加を伴った排便回数および排便日数の有意な増加を示した(各々p<0.0001).さらに3日間以上連続で排便のなかった被験者の割合も試験食品摂取により低下した(p=0.013).しかし,便の硬さを表す便性状スコア(Bristol stool scale)の評価では,試験食品の摂取によって平均スコアに変化は認められなかった.症状の程度を5段階で評価した排便時の症状および腹部症状スコアに対し,試験食品はいきみおよび残便感の平均スコアを低下し(各々p=0.022および0.0002),症状の軽減が示唆されたが,腹痛および腹部膨満感のスコアには顕著な変化はみられなかった.色素を経口摂取してから便中に色素が検出されるまでの時間(腸管通過時間)を観察したところ,色素の滞留時間は摂取前後で変化はみられなかった.以上の結果より,連続4週間のB.breveヤクルト株を含むビフィズス菌はっ酵乳の摂取は,便秘傾向な60歳以上の健常な男女において排便量の増加を促し,排便頻度の増加および排便リズムを安定化させる便秘改善効果が示唆された.また,排便時のいきみや残便感の症状を改善する可能性も示唆された.
著者
佐藤 美紀子 百田 武司
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.2_311-2_325, 2022-07-20 (Released:2022-07-20)
参考文献数
88

目的:脳卒中後のアパシーに関する研究の動向,実態,予防・改善が期待できる介入方法を明らかにした。方法:PubMed,医学中央雑誌から抽出した75文献を分類,要約,記述した。結果:内容は「レビュー」9件,「発症メカニズム」14件,「治療」14件,「評価スケール」7件,「実態」12件,「関連要因」15件,「メタアナリシス」2件,「介入研究」2件に分類された。近年,質の高い研究が行われつつあったが,実態と介入方法に関する科学的根拠は十分に構築されていなかった。アパシー発症率は4割弱,発症には「脳卒中発症回数」「うつ」「認知機能障害」が関連した。脳病変部位,脳卒中病型,年齢,脳卒中発症後の時間,臨床的アウトカムの重症度との関連については知見が一致していなかった。予防・改善が期待できる介入方法として,脳卒中再発予防,認知行動療法,問題解決プロセスの促進,行動活性化が見出された。結論:実態解明,介入方法の確立が求められる。
著者
佐藤 美紀子
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.167-171, 2021-08-01 (Released:2021-10-07)
参考文献数
25

We live in an era in which half of the population is affected by cancer. Regardless of how much progress hasbeen made in medical science and how high the cure rate is, having cancer significantly impacts patients’ lives aswell as those of their families and friends. Thus, avoiding preventable cancers is an important issue not only for anindividual but also for our society. Cancer prevention consists of two steps. Primary prevention is avoiding factorsthat cause cancer. Secondary preventions include the early detection of cancer or precancer and subsequent earlyand minimally invasive treatment. It is a national policy of Japan to reduce the cancer mortality rate and improvethe quality of life of people through appropriate primary and secondary prevention based on scientific evidence.The Third Basic Plan for the Promotion of Cancer Control, formulated in 2008, declares that more efforts will beput into cancer education and prevention. In this review, I introduce recent findings on endometrial and ovariancancers from the perspective of cancer prevention. Recently, the molecular biological mechanisms of the oncogenesis of these cancers have been elucidated, and progress has been made in cancer treatment and prevention. Ingeneral, cancer is a disease of the relatively older population. However, this review emphasizes the importance ofwomen’s health care from a young age for the prevention of gynecological cancer.
著者
佐藤 美紀子 百田 武司
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20210908154, (Released:2022-06-06)
参考文献数
88

目的:脳卒中後のアパシーに関する研究の動向,実態,予防・改善が期待できる介入方法を明らかにした。方法:PubMed,医学中央雑誌から抽出した75文献を分類,要約,記述した。結果:内容は「レビュー」9件,「発症メカニズム」14件,「治療」14件,「評価スケール」7件,「実態」12件,「関連要因」15件,「メタアナリシス」2件,「介入研究」2件に分類された。近年,質の高い研究が行われつつあったが,実態と介入方法に関する科学的根拠は十分に構築されていなかった。アパシー発症率は4割弱,発症には「脳卒中発症回数」「うつ」「認知機能障害」が関連した。脳病変部位,脳卒中病型,年齢,脳卒中発症後の時間,臨床的アウトカムの重症度との関連については知見が一致していなかった。予防・改善が期待できる介入方法として,脳卒中再発予防,認知行動療法,問題解決プロセスの促進,行動活性化が見出された。結論:実態解明,介入方法の確立が求められる。
著者
長嶋 洋治 秋本 和憲 石黒 斉 青木 一郎 稲山 嘉明 上村 博司 佐藤 美紀子 谷口 多美代 水島 大一 泉澤 裕介 加藤 真吾
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

細胞極性の異常はがん細胞の主要な性質の一つである。本研究では細胞極性制御因子細胞極性制御因子atypicalprotein kinaseλ/ι(aPKCλ/ι)の各種癌組織、がん細胞における発現と局在を免疫組織化学的に検討した。また、前立腺癌においてaPKCλ/ιの下流に存在し、再発に促進的に働くことが細胞レベルで確認されたインターロイキン6(IL6)の発現についても検討した。これにより、胃癌、メラノーマ,膵臓癌,口腔癌,子宮頸癌についてもaPKCの過剰発現と転移や前癌状態からの進行との臨床的な相関を認めている。我々は前立腺癌ではaPKCとIL6の過剰発現との相関性を臨床検体で証明した。