著者
藤田 大誠 青井 哲人 畔上 直樹 遠藤 潤 菅 浩二 森 悟朗 藤本 頼生 佐藤 一伯 岸川 雅範 今泉 宜子 福島 幸宏 齊藤 智朗 昆野 伸幸 柏木 亨介 北浦 康孝 河村 忠伸 吉原 大志 吉岡 拓
出版者
國學院大學
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、「公共空間」や「公共性」をキータームとして、神道史と都市史・都市計画史、地域社会史の分野などを接続することで、具体的な史料に基づく新たな「国家神道」研究を試みた。神社境内やその隣接空間を「公共空間」として捉え、新旧〈帝都〉である東京と京都との比較の観点を導入することによって、寺院とは異なる神社独自の「公共性」の歴史や、神社の造営と環境整備に係わる人的系譜やその相関関係について解明した。
著者
坂田 聡 馬部 隆弘 薗部 寿樹 岡野 友彦 吉岡 拓 冨善 一敏
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究では中世~近代の古文書が個々の民家に連続して残存する京都市右京区京北の山国荘地域をフィールドにとり、作成時期の異なる由緒関係文書(何らかの由緒にもとづき身分的優越性や権益を主張する文書)において繰り返し語られることによって、後世の地域社会の歴史意識を規定することになる伝承が由緒として語られはじめる時期と、その伝承を文章化した主体(百姓自身かプロの文書作成代行業者か)、さらには、かかる伝承が地域の歴史として定着する過程について考察する。また、以上の考察の前提条件として、そもそも近世前期の百姓はどの程度の文章力を有していたのかという問題についても、実証的な検討を加える。
著者
石森 加奈 高桑 由希子 大慈彌 久絵 吉岡 拓也 前田 聡彦 大岡 正道 山田 秀裕 尾崎 承一
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.418a-418a, 2013

背景:従来Lupus腸炎と言われてきた中でLupus mesenteric vasculitis (LMV)は,悪化すると腹膜刺激症状を呈して腸壊死に至ることがある重篤な合併症である.腹部CTで腸管壁の全周性肥厚と腹水貯留を認めることで診断される.腸壊死に至る症例はSLE活動性と相関することが多く,治療はステロイドパルスとシクロスフォスファミド間歇静注療法を必要とする.今回,LMV様所見を合併した3症例を経験したので報告する.症例1:47歳女性.主訴は腹痛と嘔吐.腹膜刺激症状と,腹部CTで典型的なLMV様所見を呈し,ステロイドパルス,プレドニゾロン(PSL)50 mg/日とアザチオプリン併用にて寛解.症例2:40歳女性.主訴は軟便,腹痛,嘔吐.腹部CTで典型的なLMV様所見を呈し,PSL 50 mg/日にて寛解.症例3:39歳女性.主訴は腹痛と下痢.腹膜刺激症状と腹部CTで典型的なLMV様所見を呈し,ステロイドパルス,PSL 50 mg/日とタクロリムス併用にて寛解.3症例とも診断時にSLE disease activity index (SLEDAI)の上昇は認めなかった.結語:3症例ともLMVと矛盾しない所見を呈したが,PSL反応性良好であり,重篤な経過を辿らなかった.LMV様の所見を呈しても,SLEDAIが上昇していない症例では,比較的予後良好であることが示唆された.<br>
著者
木下 慶介 吉岡 拓也 中谷 智広
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.301-310, 2011-04-01 (Released:2011-04-01)
参考文献数
37
被引用文献数
2 2

室内で収録された音声信号には,音源からマイクロホンへ直接到達する直接音に加えて,壁や床などに反射して遅れてマイクロホンへ到達する残響が含まれている.この残響は収音した音声信号の明瞭性を低下させるとともに,コンピュータによる自動音声認識をはじめとする多くの音響信号処理アプリケーションの性能低下を招く原因となる.このため,収録音からの残響の除去は,古くから,実環境音響信号処理の実現に向けた重要課題とされてきた.その中でも特に重要度の高い課題である,収録条件が与えられていない任意の条件で収録された音声に含まれる残響の除去(=ブラインド残響除去) の問題は,解決の困難なものとされており,多くの提案がなされてきた.本稿では,音声のブラインド残響除去の近年の幾つかの研究成果を挙げ,それらの特徴をまとめる.
著者
杉浦 克明 原崎 典子 吉岡 拓如 井上 公基
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.43-49, 2014
被引用文献数
5

本研究は児童の知っている樹木に焦点をあて, どれくらい, どのような樹種名を思いつき, どのように知ったのかを分析することを目的とした。調査は, 神奈川県藤沢市の市立小学校5校の4年生440名の児童を対象に, どのような樹種名を思いつき, 何をきっかけに知ったのかを把握するために, 思いつく樹種名の記入と, その樹種名を知った理由についてのアンケートを実施した。五つの小学校の児童が回答した上位20種をみると, サクラやモミジ等の樹種名であった。これらの回答された樹種名は, 「校内」, 「公園」, 「道」をきっかけに知った児童が多かった。つまり, 学校, 公園, 近くの道にあることで樹種名が認識されており, 児童の周辺環境が影響を与えていると考えられる。それ以外の樹種名では, リンゴ, ヤシ, ブドウ, バナナ, ナシなど小学校周辺ではみられない食用となる果実がなる樹種名が多かった。身近ではみられないこれらの樹種名を知る要因に, テレビの影響も考えられる。また, 授業で習ったため知ったと回答された樹種名もあった。以上のことから, 樹種名を知るきっかけとして校内や公園の環境, 授業等での教育, テレビが影響を与えている可能性が考えられた。
著者
杉浦 克明 吉岡 拓如 井上 公基
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

【目的】児童が思いつく樹種名というのは,身近な環境の他にも,何か別の要因があるのではないかと仮定した。そこで,本研究は,小学校の教科書に焦点をあて,児童が思いつく樹種名と教科書に記載されている樹種名との関係を分析することを目的とした。 【方法】調査は,神奈川県藤沢市の市立小学校5校の4年生の児童を対象に,思いつく樹木名の記入と,その樹種を知った理由についてのアンケートを実施した。また,藤沢市立小学校で使用されている1年生から4年生までの8教科の教科書に記載されている樹種名を調べた。 【結果および考察】5つの小学校の児童が回答した上位樹種名を見ると,サクラやモミジ等であり,校内や公園で比較的見ることのできる樹種が多かった。その一方で,リンゴ,ヤシ,ブドウ,バナナ,ナシなど小学校周辺では見られない主に食用となる果実のなる樹種名の回答も多く見られた。小学校の教科書に数多く記載されている上位樹種名にはミカン,カキ,リンゴ,レモン,ブドウ,バナナが見られたことから,教科書に出てくる樹種名は児童にとって無意識のうちに印象に残っているのかもしれない。
著者
中谷 智広 吉岡 拓也 木下 慶介 三好 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.294-304, 2009-05-01
被引用文献数
3

残響を伴って収音された音響信号に対する残響除去法の一つとして,音源信号の時変性に基づく方法を紹介し,その性質を数理的に分析する.このアプローチでは,音源信号を時変ガウス過程でモデル化するとともに室内伝達特性を多チャネル自己回帰過程でモデル化し,それらに基づき定まるゆう度関数を最大にするモデルパラメータを求めることで残響除去を実現する.本アプローチにより,比較的短い観測信号だけからでも良好な残響除去結果が得られることが,実験により確認されている.本論文では,特に,ゆう度関数を最大化する解の振舞いについて分析する.まず,解のあいまい性が適切に排除されている条件のもとで,ゆう度関数の期待値を最大化する解は厳密に正しい解に一致することを示す.また,観測信号の実現値に基づきゆう度関数を最大化する解は,観測信号が長くなるにつれて正しい解に近づくと予想されることを示す.更に,比較的短い観測信号に対しても,観測信号のレベルの時変性を考慮して最適化を行うことで,推定誤差の影響を緩和できることを考察する.