著者
坂田 聡 馬部 隆弘 薗部 寿樹 岡野 友彦 吉岡 拓 冨善 一敏
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究では中世~近代の古文書が個々の民家に連続して残存する京都市右京区京北の山国荘地域をフィールドにとり、作成時期の異なる由緒関係文書(何らかの由緒にもとづき身分的優越性や権益を主張する文書)において繰り返し語られることによって、後世の地域社会の歴史意識を規定することになる伝承が由緒として語られはじめる時期と、その伝承を文章化した主体(百姓自身かプロの文書作成代行業者か)、さらには、かかる伝承が地域の歴史として定着する過程について考察する。また、以上の考察の前提条件として、そもそも近世前期の百姓はどの程度の文章力を有していたのかという問題についても、実証的な検討を加える。
著者
上田 裕市 富田 翔 坂田 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.249, pp.31-36, 2009-10-15
参考文献数
15
被引用文献数
3

音声可視化手法として,音声画像表現に基づくリアルタイムシステムを構築し,聴覚障害児の発声訓練における機能評価を行っている.母音フォルマント周波数のRGB変換による色彩パタン表現は,本可視化手法における主要機能であり,連続的な調音運動により生成される母音音声の音韻性(音色)を色の違いとしてリアルタイムに視知覚することができる.本報告では,多数の男女声母音の音韻正規化に関して,フォルマント空間に対するRGB空間の優位性を示すと共に,色彩表示ベースの母音構音訓練において,発声の目標となる視覚的音韻規準(色相環)の作成について報告する.
著者
小糸 陽介 坂田 聡 上田 裕市
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成21年度電気関係学会九州支部連合大会(第62回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.128, 2009 (Released:2011-01-20)
被引用文献数
1

音響・音声特徴量から音素レベルまで複数階層の音声特徴ベクトルを抽出し、それらを融合した統合化音声画像表示システムが開発された。本システム機能を継承するものとして、音声障害者のプロソディ訓練における韻律特徴表示の実現が期待される。特に、話速パラメータは発話機能評価における要因の一つであることから、連続音声の特徴ベクトルを用いたモーラ分割手法とモーラ速度・平均話速の推定アルゴリズムを先に報告した。本稿では、速度推定に更なる改良を加えると共に、推定された話速パラメータをピッチ、有声・無声、インテンシティなどの他の韻律要素と共にリアルタイム表示するシステムを試作したので報告する。
著者
上田 裕市 坂田 聡 平原 成浩
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

音声特徴量の可視化と定量化に基づく構音障碍診断支援・発声訓練ツールの構築を行った。可視化においては、音声画像化処理技術を用いて、音素歪みを視覚イメージとして表現し、それらを定量化する機能を持つ機能を持たせた。また、自己発声を模擬する合成母音を目標音として発声訓練を行うツールを試作した。診断機能については、口腔外科臨床現場での評価実験を開始する。一方、構音学習ツールは数校の聾学校で試用されている。