著者
北澤 裕
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.58-76,124, 1984-06-30 (Released:2009-11-11)
参考文献数
20
被引用文献数
2

エスノメソドロジーは社会的行為を如何に捉えているのか、本稿ではこの課題を従来の社会学、特にパーソンズ理論との比較により明確にすることを目的としている。その際、比較の基準を行為者の主観性、もしくは主観的意味の問題に求める。この問題は、社会学が社会的行為を分析するに当り必要とされるばかりでなく、パーソンズ理論とエスノメソドロジーとの差が本質的にはこの問題をめぐって生じており、その相違を明確にすることで、エスノメソドロジーの理解とその存在価値を問うことができるからである。この観点から、まずパーソンズ理論での主観性概念を検討し直し、この概念と行為の状況との関係をエスノメソドロジーの視点と対照する。次に、エスノメソドロジーの主観性の取り扱い方の妥当性を指摘して、最後に、エスノメソドロジーを具体的に紹介する意味も含め、エスノメソドロジーの方法論に従った行為分析の有効性を、事例を提示しながら論じてみる。
著者
元木 悟 西原 英治 北澤 裕明 平舘 俊太郎 篠原 温
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.431-436, 2006-12-15
被引用文献数
2

アスパラガスでは改植後,新植圃場に比べて減収し,若年株から欠株が発生するなどの原因不明の生育障害が多く見受けられる.本研究では,アスパラガスの連作障害における要因の一つであると考えられるアレロパシーの関与について検討した.アスパラガスの根圏土壌では,アスパラガスおよびレタスに対して強い生育阻害活性が認められた.その活性は,根圏土壌の塩類の集積やpHの変動,無機養分の異常によるものではなかった.また,アスパラガスの茎葉の生育阻害活性を検討したところ,茎葉をそのまま土壌中にすき込んでもアスパラガスの生育阻害や減収の大きな原因にはならないと考えられた.一方,アスパラガスの貯蔵根には強い生育阻害活性が認められ,その貯蔵根から惨出するアレロパシー物質がアスパラガスの連作障害の一つの要因であると推察された.
著者
北澤 裕
巻号頁・発行日
pp.1-88, 2007-06

平成17・18年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書 研究課題番号17530395 研究代表者北澤裕 早稲田大学教育・総合科学学術院教授
著者
浅尾 俊樹 北澤 裕明 伴 琢也
出版者
園藝學會
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.247-249, 2004 (Released:2011-03-05)

8種の葉菜類の自家中毒物質を探索するために水耕葉菜類に用いた活性炭に吸着された物質をGC-MS法で分析した。その物質は乳酸、安息香酸、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、アジピン酸およびコハク酸であった。同定された物質の中で、顕著に生育抑制を引き起こす物質を探るため各葉菜類の苗を使ったバイオアッセイを行った。その結果、パセリではアジピン酸、セロリでは乳酸、ミツバでは安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸およびコハク酸、レタスではバニリン酸、葉ゴボウではコハク酸、シュンギクでは安息香酸、m-ヒドロキシ安息香酸およびコハク酸、チンゲンサイでは安息香酸およびp-ヒドロキシ安息香酸、ケールでは安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸およびアジピン酸が生育抑制を顕著に引き起こす物質として認められた。
著者
浅尾 俊樹 北澤 裕明 伴 琢也 Pramanik M. H. R. 松井 佳久 細木 高志
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.247-249, 2004-05-15
参考文献数
9
被引用文献数
1 21

8種の葉菜類の自家中毒物質を探索するために水耕葉菜類に用いた活性炭に吸着された物質をGC-MS法で分析した.その物質は乳酸,安息香酸,m-ヒドロキシ安息香酸,p-ヒドロキシ安息香酸,バニリン酸,アジピン酸およびコハク酸であった.同定された物質の中で,顕著に生育抑制を引き起こす物質を探るため各葉菜類の苗を使ったバイオアッセイを行った.その結果,パセリではアジピン酸,セロリでは乳酸,ミツバでは安息香酸. p-ヒドロキシ安息香酸およびコハク酸,レタスではバニリン酸,葉ゴボウではコハク酸,シュンギクでは安息香酸,m-ヒドロキシ安息香酸およびコハク酸,チンゲンサイでは安息香酸およびp-ヒドロキシ安息香酸,ケールでは安息香酸,p-ヒドロキシ安息香酸およびアジピン酸が生育抑制を顕著に引き起こす物質として認められた.
著者
伊藤 守 杉原 名穂子 松井 克浩 渡辺 登 北山 雅昭 北澤 裕 大石 裕 中村 潔
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究から、住民一人ひとりの主体的参加と民主的でオープンな討議を通じた巻町「住民投票」が偶発的な、突発的な「出来事」ではない、ということが明らかになった。巻町の行政が長年原発建設計画を積極的に受け止めて支持し、不安を抱えながら町民も一定の期待を抱いた背景に、60年代から70年代にかけて形成された巻町特有の社会経済的構造が存在した。「住民投票」という自己決定のプロセスが実現できた背景には、この社会経済的構造の漸進的な変容がある。第1に、公共投資依存の経済、ならびに外部資本導入による大規模開発型の経済そのものが行き詰まる一方で、町民の間に自らの地域の特徴を生かした内発的発展、維持可能な発展をめざす意識と実践が徐々にではあれ生まれてきた。第2に、80年以降に移住してきた社会層が区会や集落の枠組みと折り合いをつけながらも、これまでよりもより積極的で主体的に自己主張する層として巻町に根付いたことである。「自然」「伝統」「育児と福祉」「安全」をキーワードとした従来の関係を超え出る新たなネットワークと活動が生まれ、その活動を通じて上記の内発的発展、維持可能な発展をめざす経済的活動を支える広範な意識と態度が生まれたのである。こうしだ歴史的変容が、町民に旧来の意思決定システムに対する不満と批判の意識を抱かせ、自らの意思表明の場としての「住民投票」を可能にしたといえる。
著者
元木 悟 西原 英治 北澤 裕明 平舘 俊太郎 篠原 温
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.431-436, 2006 (Released:2006-12-27)
参考文献数
25
被引用文献数
6 11

アスパラガスでは改植後,新植圃場に比べて減収し,若年株から欠株が発生するなどの原因不明の生育障害が多く見受けられる.本研究では,アスパラガスの連作障害における要因の一つであると考えられるアレロパシーの関与について検討した.アスパラガスの根圏土壌では,アスパラガスおよびレタスに対して強い生育阻害活性が認められた.その活性は,根圏土壌の塩類の集積やpHの変動,無機養分の異常によるものではなかった.また,アスパラガスの茎葉の生育阻害活性を検討したところ,茎葉をそのまま土壌中にすき込んでもアスパラガスの生育阻害や減収の大きな原因にはならないと考えられた.一方,アスパラガスの貯蔵根には強い生育阻害活性が認められ,その貯蔵根から滲出するアレロパシー物質がアスパラガスの連作障害の一つの要因であると推察された.