著者
川村 雅文 渡辺 真純 橋詰 寿律 加藤 良一 菊池 功次 小林 絋一 石原 恒夫 堀 進吾 相川 直樹
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.88-92, 1990-01-25 (Released:2016-10-01)
被引用文献数
1

症例は65歳の男性で, 焼いた餅を食べていてその小片を誤嚥した。その後徐々に呼吸困難が出現してきたため, 誤嚥から約1時間後に当院救急部に収容された。来院時の血液ガスは室内気でPaO_2 34Torr, PaCO_2 52Torrで著しいチアノーゼと努力性の呼吸を認めたが咽頭, 喉頭には餅を認めなかった。人工呼吸器を装着し, FiO_2 1.0としても, PaO_2は73Torrにしか上昇しなかった。人工呼吸器装着下に気管支鏡を施行したところ右下葉支に餅が嵌入していた。鉗子で餅を摘除すると人工呼吸器装着下FiO_2 1.0でPaO_2は369Torrと著明に改善した。患者は20歳時に左肺結核に罹患しており, 退院一か月後に行った肺シンチグラフィーでは左肺に換気, 血流とも認めなかった。このため右下葉支の閉塞だけで著しい呼吸困難に陥ったものと考えられた。
著者
鈴木 勝也 桑原 恒夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.102, pp.13-17, 2007-10-11

一つの楽曲を作成するにあたり、通常複数の人間の多様なインタラクションが存在する。そのインタラクションには、楽曲コンセプトの提供、メロディ・伴奏・歌詞の作成、編曲、ボーカルパートの付加などが含まれる。現実世界でのそうした作業の内、インターネット上で実現可能な機能をウェブ上のシステムとして提供することにより、楽曲の共同創作を支援する。また、システム上において自作曲として扱われる楽曲の著作権侵害の確認支援を目的とした盗作判定支援システムを提案する。We propose song co-operation support system which enables many people to offer each part of a song on web space: melody, lyrics, accompaniment and arrangement. We also propose plagiarism judging support system based on relative variables of musical notes.
著者
萩原 恒夫 山浦 道雄 岩田 薫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1989, no.10, pp.1791-1801, 1989
被引用文献数
1 4

アニリン(A),ジフェニルアミン(DPA),N-フェニル-P-フェニレソジアミン(PPD),N,N'-ジフェニル-P-フェニレンジアミン(DPPD),N-イソプロピル-N'-フェニル-P-フェニレンジアミン(PrPPD)およびN,N'-ジフェニルベンジジン(DPBz)を含む各種芳香族アミンの化学酸化重合,重合体の構造および導電性について検討した。2mol・dm<SUP>-3</SUP>塩酸中,ペルオキソニ硫酸アンモニウムを用いて化学酸化重合して得られた重合体は,A,PPD,DPPDおよびPrPPDから得られた重合体(タイプII)と,DPAおよびDPBzから得られた重合体(タイプII)の二つのタイプに分類された。前者は比較的高い電気伝導度(10-1~10<SUP>1</SUP>S/cm)を示し,後者は比較的低い電気伝導度(10-6~10<SUP>-4</SUP>S/cm)を示した。タイプIIの重合体は基本的にアニリン重合体と同じ構造からなっており,タイプIIの重合体はN-Cカップリングに基づくN-フェニルアニリン-N,4-ジイルおよびC-Cカップリングに基づくジフェニルアミン4,4'-ジイルとからなる共重合体であることが元素分析や赤外吸蚊スペクトルからわかった。ESRスペクトルから,AおよびDPPDから得られた重合体中には,それぞれ2.3×10<SUP>20</SUP>個/gおよび1.2×10<SUP>20</SUP>個/gの高いスピン濃度が観測されたのに対して,DPAから得られた重合体中には7.1×10<SUP>19</SUP>個/gのスピンしか観測されなかった。前二者は,後者に比較して,motional narrowingに基づくと推定される4Hの大きな温度依存性が認められた。
著者
桑原 恒夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.94, no.359, pp.67-74, 1994-11-24
被引用文献数
2

学習者の課題達成時間に基づいて教材の難易度を評価する方法において、被験者のメンタルモデル形成能力や学習途中の質問の影響を考慮に入れた評価モデルを提案した。メンタルモデル形成能力は学習者に科す三段論法試験の点数により指標化する。プログラミング言語の一つであるObjective-C用の5種類の教材を用いた実験の結果、本方法によって少数の学習者のデータから教材の難易度を小さな偏差で評価できることが示された。
著者
桑原 恒夫 玉城 幹介 山田 光一 中村 喜宏 満永 豊 小西 納子 天野 和哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.1013-1024, 2000-09-25
被引用文献数
22

我々が提案しているCAIと教師がリアルタイムで協調しながら教育を行う個人進度別教育支援システム(MESIA)では, CAIと教師が行き詰まった生徒に対して様々な方法で支援を行っている.本論文では専門学校におけるMESIAを用いた教育実験において, これらの機能の有効性を生徒の主観評価, 利用率, テストの解答の正解化(誤答から正解への変化)への寄与で評価した結果を述べる.その結果, MESIAに実装した機能のうち, CAIから与えられた小テスト, 正解に近い誤答に対するヒント(以後, ヒントという), 解答の作成指針を与えるヒント(以後, HELP/MOREという), 教師から与えられるメッセージが特に有効であることを示す.また教師によるメッセージは同一テスト中に与えられる一連の支援の後半に利用率が高く, その正解化への寄与率が他の支援と比較して最も高いことと相まって, 行き詰まった生徒に対する切り札的な支援になっていることを示す.ただし正解化に寄与した支援数自体は, CAIによる支援数の合計がこの教師によるメッセージの支援数よりはるかに多く, CAIの支援機能によって教師の稼動が大幅に減少していることを述べる.