著者
島 邦博 見原 猛 梅谷 啓二 三雲 昂
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.363-367, 1980-08-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
5

鉛を遮蔽材としてγ線バックグラウンドを測定する場合, 種々の放射性同位元素によるγ線, X線が観測される。このうち, 最も強く観測される鉛のKX線の発生要因について検討した。バックグラウンドスペクトルに表れる210Pbの47keVγ線計数をもとにして, 210Pbと放射平衡にある210Biのβ線の制動放射によって鉛のK殻光電効果の起こる割合を, 簡単なモデルを使って計算した結果, 観測される全Pb-KX線に, 上記過程が相当部分寄与していることがわかった。
著者
今田 千秋 阪田 圭 寺原 猛 小林 武志
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.371-378, 2014 (Released:2014-05-27)
参考文献数
32

日本近海の海底堆積物および陸土壌から分離した 605 株の放線菌についてアルギン酸リアーゼ(A.L.)活性を調べた。その結果,18 株の有望株が得られ,これらの株について 16S rDNA の塩基配列から近縁種と性状の比較を行った。このうち大槌湾の水深 100 メートルから分離した Micromonospora sp. OB40608 株が最も高くしかも安定した活性を有していたため,A.L. を培養液上清から単離精製し,諸性状を明らかにした。本酵素の分子量はポリアクリルアミドゲル電気泳動(native-PAGE)で調べた結果,114 kDa であり,至適温度は 50°C で,至適 pH は 7.0 であった。
著者
梅原 猛
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.1, pp.13-23, 1989-05-21

アニミズムはふつう原始社会の宗教であり、高等宗教の出現とともに克服された思想であると考えられている。タイラーの「原始文化」がそういう意見であり、日本の仏教はもちろん、神道もアニミズムと言われることを恥じている。しかし私は、日本の神道はもちろん、日本の仏教もアニミズムの色彩が強いと思う。それに、アニミズムこそはまさに、人間の自然支配が環境の破壊を生み、人間の傲慢が根本的に反省さるべき現代という時代において、再考さるべき重要な思想であると思う。
著者
寺原 猛
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2008-02

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2608号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2008/3/15 ; 早大学位記番号:新4767
著者
白畑 敦 松原 猛人 伊津野 久紀 齋藤 充生 石橋 一慶 木川 岳 根本 洋 北村 直康 真田 裕 日比 健志
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.460-465, 2010-04-01 (Released:2011-12-27)
参考文献数
19
被引用文献数
6 4 8

症例は62歳の男性で,2001年2月に他院にて絞扼性腸閉塞の診断で小腸部分切除術を施行された.同年5月に腹壁瘢痕ヘルニアを発症し,コンポジックスメッシュを用いたヘルニア修復術が施行された.術後経過は良好であったが,2006年8月腹痛が出現し近医を受診した.腹部広範に圧痛,発赤を認め,また腹部CTにおいては腹壁直下に液体成分と思われる低吸収域を認めた.メッシュを温床とした腹腔内膿瘍と診断され,切開排膿,同部の洗浄に加え,抗生剤投与が開始された.しかし,2か月を経過しても感染が遷延するため手術目的で当院に紹介となった.同年10月に当院にてメッシュ除去術および洗浄ドレナージ術を施行した.術後第8病日に経過良好で退院した.術後,感染の再燃は認めていない.
著者
大塚 恭寛 石塚 保弘 三村 文昭 小笠原 猛 高橋 誠
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.139-144, 2011-03-15 (Released:2011-06-02)
参考文献数
24

胃悪性リンパ腫に対する外科的治療の役割は近年減少傾向にあるが,穿孔や大量出血などのoncologic emergencyは救命目的の緊急手術の適応である。我々が経験した症例は,9年前より慢性関節リウマチに対してステロイド治療中の51歳,女性である。3か月前からの食思不振に対する胃内視鏡検査にて,胃体上部から前庭部にかけての小弯に2型の潰瘍を伴う隆起性病変を認め,生検にてびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断。腹部CTにて最大径21cmの巨大な胃原発腫瘍と領域リンパ節の腫大を認めた。病期診断のための精査中,突然の大量吐血から出血性ショックに陥ったため当科を救急受診。輸液負荷と輸血にてショックから離脱後に緊急胃内視鏡検査を施行したが,胃内には凝血塊が充満しており,内視鏡的止血は困難であった。以後も循環の維持に持続的な輸血を要したため,transient responderと判断し,吐血の13時間後に外科的止血目的の緊急手術を施行した。開腹すると,胃小弯より発生した巨大な腫瘍が,腫大し一塊化した領域リンパ節を介して膵体部と横行結腸間膜に浸潤していた。腫瘍は易出血性で,術中に消費性凝固障害が出現したため,系統的リンパ節郭清は危険と判断し,出血源である原発巣のみの切除を目的に胃全摘術(D0,後結腸性Roux-en Y再建)を施行した。術中出血量は5,600gであった。切除標本は径25×14×9cm,重量2,320gの全胃で,粘膜面に径21×13×8cmの腫瘍(佐野分類上の決潰型)を認めた。組織学的には漿膜露出とsampling摘出したリンパ節に転移を認め,Lugano分類上の臨床病期stageII1E(pancreas)と診断した。術後経過は順調で,術後7日目より経口摂取を開始し,14日目にがん化学療法目的で当院血液腫瘍内科に転科した。術後2年の現在,悪性リンパ腫の完全寛解が得られている。
著者
原 猛也 山田 裕 青山 善一 杉島 英樹 藤澤 俊郎
出版者
日本付着生物学会
雑誌
Sessile Organisms (ISSN:13424181)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.35-45, 2005-08-28 (Released:2009-10-09)
参考文献数
21
被引用文献数
1

全国の沿岸を北方、中部、南部の3海域に分け、それぞれの海域ごとに1カ所の代表発電所を選定し、取水口、放水口において採集した標本を比較するなどの方法により発電所の冷却水路に取り込まれた動・植物プランクトン、魚卵、稚仔魚に対する取放水系通過の影響を調査した。その結果、1. 植物プランクトンの死亡率は、塩素注入時に大きく約30%であった。2. 動物プランクトンの死亡率は、わずか数%であった。3. 動・植物プランクトンの減耗量は、水路長が長ければ大きく、水温が高ければ大きいが、海域、発電所の構造などによって減耗量の程度は異なる。4. この減耗の主要因は付着生物による捕食と考えられた。この影響は、水路内で受ける他の要因 (機械的、化学的、昇温) による影響に比べ大きい。5. 水路通過時に何らかの影響を受けた動・植物プランクトンは、放水口から放流された後は、速やかに周辺の群と混合して、活性度、生残率、細胞密度、個体数密度は回復した。6. 動・植物プランクトンへの水路通過影響が検出される範囲は、放水口近傍の温排水内に限られた。7. 魚卵、稚仔魚が受ける水路通過による影響は、従来、動・植物プランクトンより大きく、100%死亡するものとして扱われてきたが、放水口から放出されたときの生存率は少なくても30%以上であると推定された。
著者
寺原 猛
出版者
東京海洋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

一般に遺伝子発現系で使用される大腸菌でさえも、産生タンパク質が失活することが多い。そこで、マリンメタゲノム・ライブラリー約2000クローンから組換えタンパク質の活性を補助・促進する新たな因子を探索した。その結果、既知のものとは異なる因子が含まれ、低温での大腸菌の増殖能を向上させる3クローンを発見した。これらのクローンは、大腸菌を用いた低温での組換えタンパク質産生系の構築に役立つ可能性が示唆された。
著者
新保 寛 千原 猛 金児 孝晃 戸松 亜希子 若松 一雅 新里 昌功
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

アロエエモジン(AE)は抗がん活性や抗炎症効果を有することが報告されている。我々はApcMin/+マウスの大腸腫瘍発症のデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)処置の有無に対する低用量AEの修飾作用を調べた。その結果、低用量AEの混餌投与は、DSS未処置・処置の双方でMinマウスの大腸腫瘍の発生を低下させた。さらに、低用量AE投与はMinマウスの大腸粘膜の細胞増殖能を抑制した。
著者
作原 猛誌
出版者
聖泉大学
雑誌
聖隷学園聖泉短期大学人文・社会科学論集
巻号頁・発行日
vol.1, pp.139-150, 1987-02-20

一、わが国における桐材使用製品と物品税高級な総桐タンスのほとんどは材質のすぐれたアメリカ桐を100%使用し、価格も一棹100万円以上のものが多い。またすべての家具、特に和ダンス、整理ダンスなどの内面 (引き出し、側板など) は桐材を使用する。これは衣類の保存に適するとか、軽くて運び易いといった利点に加えて、材料比率で50%以上の桐材を使用すれば20%の物品税を免除するという桐業界保護政策の一環に由るものである。二、以上アメリカ桐原木買付の実態を実情に即して説明したが、最近では港から相当遠隔の山の中-そこでは切っても搬出が難しい-でないと発見されず、おのずから国内輸送費の増大、インフレに伴う Logger への伐採労賃の高騰、ならびに1985年9月のG-5 (先進5ケ国蔵相会議)以降の急激なドル安、円高に基因する供給側の意図的な値上げ攻勢などにより著しく輸入量は減少し、アメリカの桐供給源としての地位が低下するに至った。一方国内需要の面においては、最近の住宅事情による家具のユニット化の影響をうけ、現在以上の需要の伸びを期待することは不可能に近いというのが業界筋の悲観的な観測である。古くより日本人に親しまれてきた桐製品が今後関係業界と消費者との緊密な協力により新しい用途が開発され、再び国内市場に活性化を与える日の近からんことを願うものである。