著者
福島 邦博 川崎 聡大
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-6, 2008-01-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
16
被引用文献数
8 1

聴覚情報処理障害 (Auditory Processing Disorder: APD) とは, 末梢聴力には明白な難聴を呈さないが, 中枢性聴覚情報処理の困難さによって難聴に似た症状を呈する状態である.しかし, APDの疾患概念は比較的新しく, 臨床場面での具体的な診断および介入方法には若干の混乱も見受けられる.本稿では, 自験例のAPD症例について報告し, この疾患の診断を中心に概念と介入方法についても概説する.提示した症例は, 初診時11歳8ヵ月の女児で, 騒音下で会話が聴き取れないことを主訴とし本院来院となった.画像所見では, 両側側頭葉後部内側の局所脳血流量の低下を認め, DLTでは単音節, 単語とも正答率の有意な低下と顕著なREA傾向を認めた.CSTではS/N 0 dBで受聴困難であった.APDの診断のために, 他疾患の除外診断と画像診断, 聴覚的検査を併用することが必須であるが, 日本語の特性に根差した診断および介入方法を確立するためには, 今後の研究の進展が望まれる.
著者
濵田 浩司 菅谷 明子 片岡 祐子 前田 幸英 福島 邦博 西﨑 和則
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.23-28, 2012 (Released:2012-12-28)
参考文献数
10

生後11ヶ月で人工内耳埋込術を施行した髄膜炎後難聴の 1 例を経験したので報告する。症例は生後 8 ヶ月で,細菌性髄膜炎に罹患し,治癒後の聴性脳幹反応検査では両側 105 dBnHL で反応がみられなかった。内耳 MRI の 3D 再構築画像で右内耳は既に閉塞し,内耳内腔の骨化が急速に進行していると考えられた。左内耳は今後閉塞が高度となる可能性が考えられ,直ちに左人工内耳埋込術を施行した。髄膜炎後の難聴にはしばしば蝸牛内骨化を伴うが,中には髄膜炎罹患後約 2 週間から内耳骨化が進行するような,急速な骨化例もある。髄膜炎直後の乳児では難聴の早期発見のための ABR 検査や,難聴の存在を疑われた場合の迅速な MRI 検査は不可欠である。
著者
片岡 祐子 内藤 智之 假谷 伸 菅谷 明子 前田 幸英 福島 邦博 西﨑 和則
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.120, no.5, pp.727-732, 2017-05-20 (Released:2017-06-20)
参考文献数
12

近年の人工内耳は, 1.5T までの磁場であればインプラント磁石を取り出すことなく MRI 検査を行うことができる. ただ疼痛や皮膚発赤, 減磁や脱磁, 磁石の変位などの合併症が起こり得る. 今回われわれは MRI 後に人工内耳インプラントの磁石の反転を来した2症例を経験した. 2例とも磁石は180度反転してシリコンフランジ内に格納されており, 1例は極性を逆にした体外磁石を特注し, もう1例はインプラント磁石の入れ替え手術を行った. 人工内耳は適応の拡大, 高齢化などに伴い, 今後も装用者は増加すると見込まれる. 医療者として, 人工内耳患者が MRI を受ける上での留意点, 合併症が生じた場合の検査, 対応などを認識する必要がある.
著者
片岡 祐子 菅谷 明子 中川 敦子 田中 里実 問田 直美 福島 邦博 前田 幸英 假谷 伸
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.87-95, 2021-02-28 (Released:2021-03-20)
参考文献数
24

要旨: 先天性難聴の早期発見,早期療育, 人工内耳手術の低年齢化などに伴い, 難聴児の聴取能, 言語発達は向上し, 近年地域の学校でインクルーシブ教育を受ける者が増加しているが, それに伴う問題も挙げられている。我々は, 小学校5年生以上25歳未満のインクルーシブ教育を受けた経験のある両側難聴者89名に, 学校生活で抱える問題に関して質問紙での実態把握調査を実施した。 対象者の多くは, 授業中の支障に加え, グループ学習や雑音下, 距離が離れた場所からの聞き取りの支障を抱えており, また英語, 音楽, 体育をはじめとする教科学習での課題や, 友人関係での問題も挙げていた。難聴の程度が重いほど頻度が高い傾向がみられた。 個々の学校生活における状況と問題を正確に把握した上で, 視覚情報を用いたコミュニケーション, 支援員の配属, 学習面でのサポート, 専門家による心理的負担へのアプローチといった個々に対応した介入の必要性が示唆される。
著者
赤木 博文 小坂 道也 福島 邦博 土井 彰 笹木 牧 小川 晃弘 西崎 和則 増田 游 松田 充浩 四方 賢一 槇野 博史 清水 順子 杉山 信義
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.253-260, 1997-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
26
被引用文献数
3

口蓋扁桃摘出術を施行し, 6ヵ月以上経過観察できたIgA腎症47例を対象に, 治療成績と予後予測因子を検討し, 次の結果をえた.1. 扁摘後の最終観察時点での寛解率は, 尿蛋白61.7%, 尿潜血44.7%で, 尿蛋白・尿潜血ともに, 観察期間が長いほど低下傾向にあった.2. 腎病理組織所見の軽症例は, 重症例よりも尿蛋白の寛解率が高かった.3. 扁桃誘発試験陽1生例は, 陰性例よりも尿蛋白の寛解率が低かった.4. IgA腎症の発症年齢, IgA腎症発症から扁摘までの期間, Ccrは, 尿蛋白寛解例と非寛解例の間で有意差を認めなかった.
著者
中村 誠一 森島 邦博 西尾 晃
出版者
金沢大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

本国際共同研究はホンジュラスの世界遺産「コパンのマヤ遺跡」において、ミューオン透視という日本発の物理学イノベーションをマヤ文明の神殿ピラミッド内部の探索に利用する新しい発想の考古学調査法により、マヤ碑文に記載されているコパン王墓を世界に先駆けて発見しようとする文理融合研究である。コパン遺跡アクロポリス内の11号神殿をターゲットとして、ミューオン透視法を適用し王墓の可能性がある未知の空間を同定する。可搬式ライダー機器を使った三次元計測によって構築された3Dモデルに発見空間を正確に位置づける。そこへ最短距離で到達できるトンネル経路を設計し11号神殿内部を発掘調査し透視結果を考古学的に検証する。
著者
八田 徳高 福島 邦博
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-9, 2020-01-20 (Released:2021-01-20)
参考文献数
28
被引用文献数
1

目的 : 聞こえの困難さを訴える成人症例の聴覚情報処理機能の特徴を明らかにする。対象と方法 : 標準純音聴力検査は正常で、日常生活で聞こえの困難さを訴える成人 12 例を対象とした。聴覚情報処理に関する検査を実施し、聞こえの困難さの原因について分析を行うとともに、注意や記憶など聞こえの困難さの背景要因についても検討するために神経心理学的検査および発達面、精神的問題との評価を実施した。結果 : 全症例中 11 例に何らかの聴覚情報処理に関する問題が生じていた。10 例で聴覚情報処理能の低下とともに認知特性、発達障害、精神障害など、他の要因が併存していた。考察 : 全症例中 1 例は、神経心理学的検査の結果では成績の低下はなく、発達障害、精神障害の問題が認められないことから聴覚情報処理障害の可能性が高いと考えられた。また、神経心理学的検査の成績低下や発達面または精神的問題のいずれかの問題が生じている症例では、聴覚情報処理能の低下は、他の要因から生じる聞こえの困難さが疑われた。以上のことから聴覚情報処理機能の評価では、通常の聴覚検査とともに神経心理学的検査を実施し、その背景にある要因について検証することの重要性を確認することができた。
著者
森島 邦博
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.86, no.11, pp.950-955, 2017-11-10 (Released:2019-09-26)
参考文献数
20
被引用文献数
1

2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響により炉心溶融が起きた福島第一原子力発電所は,現在,廃炉へ向けたさまざまな取り組みが進められている.その中でも宇宙線に含まれるミューオンがもつ極めて高い物質に対する透過力を利用することで大型構造物の内部を非破壊で可視化する技術(宇宙線ミューオンラジオグラフィ)により,原子炉内部の様子の一端が明らかになった.本稿では,筆者らが進めてきた原子核乾板による宇宙線ミューオンラジオグラフィの観測から得られた知見と現状を紹介し,原子炉底部の可視化の実証試験を進めている浜岡原子力発電所における最近の研究についても述べる.
著者
森島 邦博
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.42-47, 2016 (Released:2017-03-22)
参考文献数
7

我々は,2011年3月11日に起きた東日本大震災による福島第一原子力発電所事故により炉心溶融が疑われた1号機から3号機の原子炉内部の状況を遠隔非破壊に調査するための手法として,原子核乾板を用いた宇宙線ミューオンラジオグラフィの提案を行って来た.2011年には,日本原子力研究開発機構(JAEA)の高速炉 「常陽」 の観測を実施し,炉心の非破壊イメージングの実証を行った.また,2014年3月から7月,及び2015年1月から3月の期間において,福島第一原子力発電所2号機,及び5号機の観測を実施した.本解説では,原子核乾板を用いた福島第一原子力発電所の原子炉内部の非破壊イメージングへ向けた宇宙線ミューオンラジオグラフィの技術開発とその最新の成果について解説する.
著者
岩崎 聡 西尾 信哉 茂木 英明 工 穣 笠井 紀夫 福島 邦博 宇佐美 真一
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.56-60, 2012 (Released:2012-03-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1

感覚器障害戦略研究「聴覚障害児の療育等により言語能力等の発達を確保する手段の研究」事業として平成21年から1年間に調査した症例対照研究のうち, 人工内耳装用児の現状と語音明瞭度・言語発達に関する検討を行った。対象は幼稚園年中から小学校6年までの両耳聴力レベル70dB以上の言語習得期前の聴覚障害児で, 124施設が参加した。言語検査が実施できた638名のうち人工内耳装用児は285名 (44.7%) であり, 言語発達検査の検討はハイリスク児を除外した190名であった。人工内耳+補聴器併用児が69.5%, 片側人工内耳のみが29.8%, 両側人工内耳が0.7%を占めた。難聴発見年齢は平均11.7ヶ月, 人工内耳装用開始年齢は平均3歳6ヶ月であった。人工内耳装用月齢と最高語音明瞭度とは高い相関を認め, 人工内耳装用開始時期が24ヶ月前とその後で言語発達検査を比較するとすべての検査項目で早期人工内耳装用児群で高い値が得られ, 早期人工内耳の有効性を支持する結果となった。
著者
山田 奈保子 西尾 信哉 岩崎 聡 工 穣 宇佐美 真一 福島 邦博 笠井 紀夫
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.175-181, 2012 (Released:2012-09-08)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

平成21年から22年の間, 聴覚障害児の日本語言語発達に影響を与える因子と, 発達を保障する方法を考える目的で行われた感覚器障害戦略研究・症例対照研究のデータを元に, 人工内耳手術年齢による言語発達の傾向について検討した。 対象は生下時から聴覚障害を持つ4歳から12歳までの平均聴力レベル70dB以上の638名のうち, 聴覚障害のみを有すると考えられる人工内耳装用児182名を, 補聴器の装用開始年齢, 人工内耳の手術年齢のピークで4群に分け比較した。 結果を語彙, 構文レベルの発達と, 理解系, 産生系課題とに分けてみると, 語彙, 構文共に, 理解系の課題においては, 補聴器装用早期群の成績が良好で, 産生系の課題については, 人工内耳手術年齢早期群の成績が良好であった。 このことから, 早期に音を入れることが言語理解に, 早期に十分弁別可能な補聴をすることが言語産生に影響を与える可能性があるという結果が得られた。
著者
森島 邦博
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

原子核乾板は、高速中性子による反跳陽子を3次元飛跡として検出することにより、その飛来方向やエネルギーの測定が可能であるが、ガンマ線起因の電子飛跡がバックグラウンドとなる。本研究では、原子核乾板の受光素子である臭化銀結晶に電子トラップとして働くロジウムをドープして感度制御を行う事で、高いシグナルノイズ比で中性子起因の反跳陽子飛跡の解析が可能な原子核乾板の開発に成功した。本研究において開発した原子核乾板を用いた高速中性子検出技術は、神岡鉱山やイタリア・グランサッソ研究所などにおける地下の高速中性子フラックス測定に用いる事が可能である。
著者
木村 淳子 藤吉 昭江 井手 朱里 西村 美紀 光吉 佳奈 福島 邦博
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.222-227, 2020-11-20 (Released:2021-11-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

難聴者が社会で適切な支援を受け、よりよく生きるためには難聴当事者自身が自身の聴こえや補聴方法など必要な配慮について周囲に説明できるセルフアドボカシーの能力が欠かせない。セルフアドボカシーの育成のためには幼少期からの系統だった教育プログラムが必要だが、学齢期を通じてどのようにセルフアドボカシーが発達するかは明らかになっておらず、またそれを適切に育成していくカリキュラムも確立されていない。本研究では、小学校在籍中の聴覚障害児を対象にしたセルフアドボカシー能力の評価を目的に、米国版のチェックリストを元に日本語版を作成、本邦におけるセルフアドボカシーの現状について検討すると同時にチェックリストの有用性を検討した。その結果、 1 )学年が上がるにつれて得点も上昇するが、高学年でも「習熟している」レベルに達するのは 20%にとどまること、 2 )学年別の習得率は項目によって差があること等が認められた。聴覚障害児の福祉のためには、セルフアドボカシー習得のための方略を準備することが必要であるが、そのためにもまず本邦における現状把握が必要である。
著者
藤吉 昭江 福島 邦博 伏見 久未子 北野 朱里 菅谷 明子
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.136-142, 2021-05-20 (Released:2022-05-20)
参考文献数
12

人工内耳装用を行った言語習得期前難聴児で、知的な障害がなく、音に対する反応も良好であるにもかかわらず言語発達の遅れを呈した児(disproportionate language impairment:DLI)に対して、音韻処理過程を考慮した言語指導を実施した 2 例について報告した。いずれも知的な遅れなく、また人工内耳装用下での聴取閾値も 20 − 30 dBSPL で良好な反応を示していたが、言語発達では 3 歳以上の遅れを呈していた。両症例とも非語の復唱で著しい困難さを呈しており、音韻認識の障害の合併を推定した。種村の既報をベースにした音韻認識をターゲットにした言語指導を行い、それぞれ指導後の 1 年間で順調な言語発達の伸びがみられた。音韻障害に起因する DLI 児に対しては、病態に応じた言語指導が有効である可能性が示された。
著者
片岡 祐子 菅谷 明子 前田 幸英 假谷 伸 大道 亮太郎 福島 邦博 西﨑 和則
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.120, no.2, pp.131-136, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
13

2012年4月難聴遺伝子検査は保険収載され, 現在19遺伝子154変異の検索が行われている. 難聴遺伝子検査は, 聴力型や聴力予後, 随伴症状の予測, 難聴の進行予防といった情報が得られる可能性があるため, 診断や介入, フォローアップを行う上での有用性は高い. 今回遺伝子検査で複数の難聴遺伝子ヴァリアントが検出された症例を経験した. 検索可能な遺伝子数が増加することにより, 診断率の向上が見込める一方で, 複数の遺伝子ヴァリアントが検出され, 結果の解釈に難渋する例も増えることが推測される. 臨床情報との照らし合わせや家族の遺伝子検査も検討し, 患者, 家族が理解, 受容できるように遺伝カウンセリングを行う必要がある.
著者
福田 章一郎 井口 郁雄 福島 邦博 木村 宣彦 杉原 博子 松原 浄
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.64, pp.27-35, 1993

Group pure tone screening test was performed on kindergartners to efficiently screen for hearing disorders. Pure tones of 500,1000 and 4000 Hz in each ear were combined with a hand raising response. The test frequency of 500 Hz was added to screen for otitis media.<BR>About 80% of children over 3 years and 6 months of age were capable of takin g the group screening test with hand raising response. At the same time, the ratio of children who could pass the screening test also increased considerably from 45.2% to 65.2%.<BR>Although we used 500 Hz to screen for otitis media, it was difficult to di a g nose otitis media by hearing screening only. Therefore, hearing screening was mainly effective in determining moderate hearing loss and unilateral sensorineural hearing loss.<BR>We found that a well-planned screening procedure and preparation b e fore the screening as well as decrease in the fail one rate on initial screening are necessary to examine large numbers of children rapidly and screen hearing disorders efficiently.
著者
片岡 祐子 菅谷 明子 福島 邦博 前田 幸英 假谷 伸 西﨑 和則
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.121, no.10, pp.1258-1265, 2018
被引用文献数
2

<p> 新生児聴覚スクリーニング (以下 NHS) を全例公費で実施した場合と, 全例実施しなかった場合で, NHS および要精密検査例を含めた難聴児の診断にかかる費用, その後に必要となる教育, 福祉, 補聴等にかかる公的費用について岡山県のデータをもとに試算し, NHS の費用対効果について検討を行った. 義務教育機関については NHS 実施例の方が非実施例よりも地域の公立学校 (難聴学級, 支援学級を含む) 進学率は7.6%高かった. また NHS 実施例の方が特別児童扶養手当受給開始は4.3カ月早く, 障害児福祉手当受給率は8.8%低く, 人工内耳装用率は6.9%高かった. NHS と精査, 教育, 福祉, 補聴にかかる公的費用は, 年間出生数16,000人の自治体を想定すると, NHSを実施した場合では795,939,526円, 非実施では807,593,497円であり, NHS を実施した方が11,653,971円低く, NHS を全額公費負担にしたとしても償還できる可能性が高いという結果であった. また NHS と以後の精査にかかる費用としては, 1段階 NHS と確認検査まで実施する2段階 NHS を比較すると, 2段階 NHS の方が経済的効率は高かった. 教育および福祉費用の軽減の背景には難聴児, 障害児の義務教育の受け入れ状況の年代による変化も関与している可能性はあり, 統計学的な限界はあるものの, NHS を全額公的助成で行う意義は十分あると考える.</p>
著者
川崎 聡大 福島 邦博
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.29-34, 2009-11

The aim of this study is to reveal how a set of training in Japanese syntax can affect on communication ability of a case of PDD. An eight-year old girl (Second grade year in Japanese School), who was diagnosed to have autism and mild mental retardation, was involved in this study. Baseline developmental status was FIQ63 (VIQ75, PIQ57) with WISC-III and receptive vocabulary was equivalent to 6 years and 1 month old with PVT.Receptive and productive syntax ability was equivalent to first half of 3 years old children (Stage 4-2 by S-S language developmental tests) and dissociation between syntax ability and other aspects of language development was observed. A training program was planned to make her use Japanese syntactic particles (Stage 5-2 by S-S) during Aug. 2006 to Nov 2006. T-QAR was evaluated before and after training to evaluate her communication ability. Three months after the commencement of this training program, she could pass Stage 5-2 and total score of T-QAR improved from 177 (Before training: equivalent to 4 year-old score)to 220 (Aftert raining: equivalent to 5 year-old score). Selected approach in limited language domains may be able to improve the child's total communication ability.
著者
青木 茂樹 井上 達貴 尾崎 圭太 小坂 哲矢 柴山 恵美 鈴木 州 高橋 覚 立石 友里恵 田中 僚 田輪 周一 原 俊雄 水谷 深志 薮 美智 山田 恭平 児玉 康一 斎藤 芳隆 田村 啓輔 濱田 要 吉田 哲也 佐藤 禎宏 手塚 郁夫 伊代野 淳 山本 紗矢 石黒 勝己 大塚 直登 河原 宏晃 北川 暢子 駒谷 良輔 小松 雅宏 﨏 隆志 佐藤 修 中 竜大 長縄 直祟 中野 敏行 中村 光廣 丹羽 公雄 宮西 基明 森下 美沙希 森島 邦博 吉本 雅浩 六條 宏紀 Aoki Shigeki Ozaki Keita Kosaka Tetsuya Shibayama Emi Suzuki Atsumu Takahashi Satoru Tateishi Yurie Hara Toshio Mizutani Fukashi Yamada Kyohei Kodama Koichi Saito Yoshidata Tamura Keisuke Hamada Kaname Yoshida Tetsuya Sato Yoshihiro Tezuka Ikuo Iyono Atsushi Ishiguro Katsumi Otsuka Naoto Kawahara Hiroaki Kitagawa Nobuko Komatani Ryosuke Komatsu Masahiro Sako Takashi Sato Osamu Naka Tatsuhiro Naganawa Naotaka Nakano Toshiyuki Nakamura Mitsuhiro Niwa Kimio Miyanishi Motoaki Morishima Kunihiro Yoshimoto Masahiro Rokujo Hiroki
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
大気球シンポジウム: 平成27年度 = Balloon Symposium: 2015
巻号頁・発行日
2015-11

大気球シンポジウム 平成27年度(2015年11月5-6日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 (JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県著者人数: 41名資料番号: SA6000044043レポート番号: isas15-sbs-043