著者
佐藤 翔 安藤 大輝 川瀬 直人 北島 顕正 塩崎 亮 那珂 元 原田 隆史
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.244-261, 2015-11-01

本研究では国立国会図書館サーチのアクセスログに基づき,利用者の簡易検索,詳細検索,ファセット検索の利用状況を分析した。その目的は「シンプルなキーワードでざっくり検索してから,検索結果をさまざまな機能で絞り込む」というディスカバリサービスの想定利用スタイルと実態の合致状況の検証である。結果から,8割以上の利用者がまず簡易検索を用い,そのさらに約8割が1語による検索であること,簡易検索を行った利用者が検索結果を絞り込む場合,ファセット検索等の絞り込みのための機能を利用する場合が多いこと等を確認した。
著者
原田 隆史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.51, pp.197-204, 2003-05-22
被引用文献数
2

文化的価値のある情報メディアのうち,Webページおよびテレビニュースを対象として,体系的保存のための組織的な取り組みを紹介する。近年,Webページは作成される数の増加にともなって情報源としての重要性が高まっている。Webページには短期間で消失するものや更新されるものが多く,重要性の高まりとともに,その保存の必要性が高まってきている。このようなWebページの保存は米国のThe Internet Archiveをはじめとして米国や北欧諸国の国立図書館で近年盛んに行われるようになってきている。また,テレビニュースアーカイブは映像と文字をあわせもつ貴重な情報メディアであるが,日本ではほとんどその保存活動が行われていない。ここでは,米国のVanderbilt UniversityのTV News ArchiveやCNN Television Archive BBC Television News Archiveなどを紹介し,日本における活動のための基礎的な資料を提供する。This paper describes the activities of systematic archiving projects of web pages and TV news among the information media which is culturally valuable. In recent years, web pages have been becoming more and more important as information resources as the growing numbers of them have been made. Many of them, however, are not existed so long or are updated soon, archiving them has become urgently necessary. The archiving projects of web pages, e.g., The Internet Archive, have been done lately in the national libraries in the United States and Scandinavian countries. TV news also is valuable information media containing both images and characters. This paper introduces Vanderbilt University Television News Archive, CNN Digital Archive, National Film and Television Archive etc.
著者
森嶋 厚行 川島 隆徳 原田 隆史 宇陀 則彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.13, pp.1-4, 2015-05-09

近年,クラウドソーシングは問題解決の新しいアプローチとして注目を集めている.本講演では,クラウドソーシングの応用事例として,クラウドソーシングプラットフォーム Crowd4U を用いた NDL データ利用プロジェクトについて説明する.Crowd4U は,非営利・公益・学術目的のクラウドソーシングプラットフォームであり,公益と学術のタスクが稼働している.Crowd4U は大学によって開発が行われており,プロジェクトの要望に応じて様々な機能追加が日々行われている.L-Crowd プロジェクトは,Crowd4U 上で NDL データを用いて行われているプロジェクトの一つであり,ISBN による書誌同定における誤り (書誌誤同定) の判定をマイクロタスクで行おうというものである.本講演では,本事例の紹介を通じて,クラウドソーシングを利用した公益・学術プロジェクトの可能性を議論したい.
著者
原田 隆史
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.291-296, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

学校図書館などにおいて読書指導を行う場合には,子どもたちが興味を持つ図書を提示することが有効である場合が多い。そのために,著者らもオンライン書評中の語を元として児童書・ヤングアダルト図書に感性パラメータを設定し,感性を元にして図書の検索を行うシステムを開発してきた。しかし,子どもたちにとって,感性パラメータを設定することが困難であることも多く,感性キーワードを直接入力するのではなく既に読んだ図書を入力して類似する小説を提示することが望まれている。そこで,本研究では,指定した図書と感性パラメータの分布が類似する図書を提示するシステムを試作し,その評価を行った。児童書・ヤングアダルト図書1425冊を対象として,10名の被験者に入力した図書と関連する図書30冊を提示したところ,約53%の図書について強い興味があるという結果が得られた。
著者
原田 隆史
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.57-62, 2005
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

Most of the cases, the novels are not given the subject headings. Consequently, the novels have been classified based only on periodizations, languages or authors, but done based rarely on the subjects. In recent years, some research has been done in which the classification of the novels using kansei keywords was tried, but these research were only experimental level since the classification using kansei keywords cannot apply to a large number of novels. The purpose of this research is to examine the methods of classification using the keywords in online bookreviews which are rapidly increasing on the Webs. The result of the classification done by this method gave good agreement with the one of the classification based on kansei keywords given manually.
著者
原田 隆史 吉村 紗和子
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.65-72, 2010-05-15
被引用文献数
2 2

オンライン書店のサイトをはじめとして,読者自身が図書の感想などを投稿するオンライン書評サイトが増加してきている。本研究は,このようなオンライン書評の持つ特徴を,新聞書評などと比較することで明らかにするものである。書評中の各文を,評価対象,評価の視点,評価の客観性,評価極性(肯定的か否定的)かという4つの観点から分類し,集計した。その結果,1) 評価対象は「作品に対する評価」がどの書評でも評価組全体の約9割を占め,書評ごとの変化は見られない,2) 評価の視点について,新聞書評では「作家の表現手法」などが全体の48%を占めるのに対し,オンライン書評では「ストーリー」や「場面」がほとんどである,3) 新聞書評では客観的な表現や肯定的な評価がほとんどであるのに対し,オンライン書評では主観的な表現や否定的な評価も多く多様な内容であることが明らかとなった。
著者
原田 隆史
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.44, pp.23-34, 2002-03-31

「デジタル・アーカイブ」という用語は種々の意味で使用されている。たとえば、Webアーカイブや電子美術館、データ・アーカイブなどはその例である。これらに共通するのは、デジタル形式のデータを収集し取り扱うことのみであるといっても過言ではない。本論文は、これらのデジタル・アーカイブを分類し、その具体的な例を述べるとともにデジタル・アーカイブの効果と問題点について明らかにする。
著者
原田 隆史 江藤 正己 高柳 知世
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.153-160, 2008-05-23 (Released:2008-09-08)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

近年,感性に基づいて小説を検索できるシステムが開発され実用化されてきている。著者らも児童書を対象としてオンライン書評から感性を示すパラメータに値を設定し,検索できるシステムを構築してきた。しかし,人間が付与するパラメータの値と書評中の語との関係の分析は十分に行われておらず,書評中の語を元として感性パラメータの値をどのように設定することが適切であるかは明らかとなっていない。本研究は,書評中の「人の感情や本の雰囲気を表す語」を元に機械学習の手法を用いて人間の判断と一致する感性パラメータの値を付与する実験を行ったものである。図書1605 冊分の書評を使って自動設定実験を行った結果,(1) 自動設定において書評中の語を使うことに有用性がある,(2) 書評中のすべての語を用いるよりも,出現回数が多い30語程度を用いた方が効果的である,(3)書評中から抽出する語の品詞はほとんど再現率に影響しないことなどを明らかにすることができた。
著者
吉田 浩之 原田 隆史 来田 宣幸
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

中等教育の部活動の実態として教育目標とされている内容を, アンケート及びインタビュー調査によって定性的・定量的に検討し,部活動における具体的な教育目標の項目で構成される部活動の目的意識・行動達成度尺度を作成した.「競技力・専門性」, 「内面的成長」を含む10因子,45項目,5件法の尺度であった.45の項目は,部活動における具体的な教育目標であり,評価規準としての機能を持ち,生徒の教育目標到達度の評価を可能とした.また,本尺度をもとに部活動指導プログラムを作成し,中学校,高等学校の顧問教員を対象とした研修会で導入し,実践事例の検証を通じてプログラムの実効性を高めた.