著者
吉村 豊雄
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
no.41, pp.p1-29, 1993-02

細川氏は、室町幕府の管領細川氏の流れをくみつつ、中央(統一)権力によって大名として創出され、中央政局の変転する過程で自らの権力構造をつくり上げ、ついには徳川政権のもとで将軍家をして「御譜代同前」といわしめる幕藩関係を構築するに至っている。小稿の課題は、こうした幕藩制成立期の政治変動に対処しつつつくり上げられた細川氏の権力編成の特質を、家臣団編成と知行制の側面から明らかにすることにある。その際に権力編成の政治的画期として注目したいのは中央権力による三回の「国替」と当主(藩主)の「代替」である。
著者
吉村 豊雄
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.135-158, 2003-03-20
著者
吉村 豊雄
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
no.29, pp.p28-49, 1989-03

小稿の課題は、端的にいえば、大名の参勤交代を規定した寛永武家諸法度第二条が、実は肥後熊本藩主細川忠利が提示した意見(献策)を相当に組み込む形で審議・制定されたのではないか、この知られざる事実とその政治的意義を明らかにすることにある。
著者
吉村 豊雄 Toyoo Yoshimura
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.39-67, 1998-03-20
著者
吉村 豊雄 三澤 純 稲葉 継陽 足立 啓二 山田 雅彦 松本 寿三郎
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究の中心をなす日本史研究班は、16・17年度に引き続いて、熊本大学が収蔵する日本最大の前近代組織体文書たる永青文書所蔵の細川家文書(細川家の大名家文書)のなかで、藩制の基幹文書となっている「覚帳」「町在」の系統解析に全力をあげつつ、前近代日本社会・日本行政の到達形態について実態的な成果を出すことに努めた。その結果、「覚帳」の系統的解析を通して驚くべき成果を得た。すなわち、本研究で明らかになってきたのは、日本近世の領主制が農村社会の自律的運営能力の立脚する方向で、次第に農村社会からの上申事案・上申文書の処理を業務とする割合を強め、ついには農村社会からの上申文書を中央行政機構における稟議制の起案書として、地方行政に関わる政策形成を行うに至るという、従来、想像もされてこなかった19世紀、幕末の行政段階である。熊本藩では、18世紀以降、こうした傾向を強め、中央行政機構では、こうした状況に対応した行政処理・文書処理のシステムを整備し、19世紀段階には農村社会からの上申文書を起案書とし、中央行政機構の稟議制に基づく地方行政を展開している。本研究において主対象とした熊本藩の中央官庁帳簿たる「覚帳」は、こうした歴史的推移をたどる。同時に、中央行政機構の稟議にかかった上伸事案は、農村社会で無数に生成される要望・嘆願の類いのごく一部であり、その多くは中央行政機構に上申されることなく、農村社会の段階で処理・解決されている。18世紀後半以降の地方行政は、農村社会の政策提案能力に依存しつつ、領主支配の根幹に関わる事案について上申させ、これを稟議処理し、執行することで成り立っていたと言える。
著者
吉村 豊雄 Toyoo Yoshimura
出版者
熊本大学
雑誌
(ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.29(史学篇), pp.28-49, 1989-03-20

小稿の課題は、端的にいえば、大名の参勤交代を規定した寛永武家諸法度第二条が、実は肥後熊本藩主細川忠利が提示した意見(献策)を相当に組み込む形で審議・制定されたのではないか、この知られざる事実とその政治的意義を明らかにすることにある。
著者
猪飼 隆明 森藤 一史 沖田 行司 吉村 豊雄 三澤 純 野口 宗親 八木 清治 北野 雄士
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、横井小楠全集(小楠遺稿、関係史料-来翰や小楠に関する当代の記録、講義録など)の刊行に向けての基礎的作業を行うことにあった。横井小楠については、1938年に刊行された山崎正董編著『横井小楠』上下2巻(うち下巻は、山崎正董編『横井小楠遺稿』として1942年に刊行)があり、以後の研究は、ほとんどこの山崎本を頼りに行われてきた。しかし、横井家には、関係史料が沢山保存されていることが分かり、かついくつかの図書館・資料館等にも、未発見の史料があることが確認され、また個人の好事家の蒐集するところともなっていることが判明した。そこで、今後の横井小楠研究のみならず、明治維新研究、立憲制の研究、欧米への関心と洋学受容、開国論、また福井藩の藩政改革論などの研究の発展のためにも、これらの史料を蒐集し、先学の研究の検証を行うことこそ重要であるとして、本研究を3年間継続してきた。1 この間蒐集した史料は、横井家所蔵の資料(ここには、小楠自筆の原稿・書翰類、来翰等が含まれる)、小楠の弟子たちの家から発見された史料(柳瀬家・安場家・徳富家など)、福岡県立九州歴史資料館柳川分館・佐賀県立図書館鍋島文庫・福岡県立伝習館文庫・熊本大学寄託文書永青文庫等から、合計2000点近くの関係史料が蒐集された。2 山崎正董編『横井小楠遺稿』についての考証作業を一通り終了した。3 小楠の弟子が記録した講義録の検討を行った。以上の成果を、なるべく早い機会に、横井小楠全集として次々と刊行していくつもりであるが、現構想では、5巻程度のものになる予定である。
著者
吉村 豊雄
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-29, 1993-02-28

細川氏は、室町幕府の管領細川氏の流れをくみつつ、中央(統一)権力によって大名として創出され、中央政局の変転する過程で自らの権力構造をつくり上げ、ついには徳川政権のもとで将軍家をして「御譜代同前」といわしめる幕藩関係を構築するに至っている。\小稿の課題は、こうした幕藩制成立期の政治変動に対処しつつつくり上げられた細川氏の権力編成の特質を、家臣団編成と知行制の側面から明らかにすることにある。その際に権力編成の政治的画期として注目したいのは中央権力による三回の「国替」と当主(藩主)の「代替」である。
著者
吉村 豊雄
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.1-10, 1999-03-20

小稿の目的は、簡単にいえば、近世幕藩体制下の武家が「自己破産」しないのは何故か、江戸版「社会更正法」とでもいうべき近世武家の更正・財政保障システムの実態の一端を紹介することにある。
著者
高橋 実 大友 一雄 渡辺 浩一 山田 哲好 青木 睦 吉村 豊雄 江藤 彰彦 大石 学 福田 千鶴 松澤 克行 東 昇
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、当初の計画調書に明示しているように、幕府・諸藩など領主組織が各部署において作成・授受し、管理・保存し、活用してきた文書記録やアーカイブズをアーカイブズ学に立脚した視点から、通算15回の研究会を開催し、44本の報告と議論を行った。具体的には、江戸幕府、旗本、弘前藩、秋田藩、米沢藩、高田藩、松代藩、尾張藩、京都町奉行、岡山藩、鳥取藩、萩藩、土佐藩、福岡藩、長崎奉行、熊本藩、対馬藩、鹿児島藩について、最新の研究成果を得ることができた。