著者
熊谷 晋一郎 向谷地 生良 加藤 正晴 石原 孝二
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-06-28

当事者研究には、他の研究と同様、新しい知識を「発見」するための方法という側面と、生きやすさをもたらす「回復」の側面がある。まず発見については、自閉スペクトラム症のメカニズムに関して当事者研究の中で提案された「情報のまとめあげ困難説」を、他分野の専門家と協力しながら理論的に精緻化した。またその仮説を、発声制御、顔認知、パーソナルスペース、ボディイメージ、聴覚過敏や慢性疼痛などに適用して検証実験を行った。次に回復については、横断調査、追跡調査によって効果検証を行うとともに、当事者研究の方法をプロトコール化し、当事者主導型の臨床研究による介入研究を行った。
著者
石原 孝二 信原 幸弘 河野 哲也 鈴木 晃仁 北中 淳子 熊谷 晋一郎 糸川 昌成 石垣 琢麿 笠井 清登 向谷地 生良
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は4 つの研究領域①生物学的精神医学および認知行動療法の展開による疾患観の変化、②精神疾患症状の現象論的・行為論的・認知哲学的把握、③診断の歴史と科学論、④当事者、家族、支援者の視点:地域社会論と障害学からの検討を設定し、各領域の研究を通じて精神疾患概念の再検討と「精神医学の科学哲学」の展開をはかった。研究の成果は15本の論文と59回の学会等の発表・講演、国際会議Tokyo Conference on Philosophy of Psychiatryの実施などを通じて発表されている。また、本研究の集大成として、全3巻のシリーズ書籍「精神医学の哲学」(仮題)を刊行する予定である。
著者
向谷地 生良
出版者
ルーテル学院
雑誌
ルーテル学院研究紀要 = Bulletin of the Japan Lutheran College and Theological Seminary (ISSN:18809855)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-8, 2020-03-01

本稿は2019 年11 月30 日にルーテル学院大学チャペルにて開催された学校法人ルーテル学院創立110 周年&三鷹移転50 年 記念講演会を収録したものである。
著者
宮崎 隆志 横井 敏郎 上原 慎一 石黒 広昭 藤野 友紀 間宮 正幸 大高 研道 日置 真世 武田 るい子 大高 研道 向谷地 生良 仲真 紀子 駒川 智子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

社会的に排除された若者の移行支援の課題を明らかにした。彼・彼女らの「生きづらさ」の背後には、生活世界を構成する諸コミュニティの断片化がある。したがって移行支援のためには断片化したコミュニティを再統合することが必要であるが、そのためには多様性が保障された新たな媒介的コミュニティを構築することが有効であること、およびそのコミュニティを中心にした地域的な支援システムを構想することが必要であることを明らかにした。