著者
中田 安彦 周佐 喜和
出版者
横浜国立大学技術マネジメント研究学会
雑誌
技術マネジメント研究 = Yokohama journal of technology management studies (ISSN:13473042)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.35-39, 2002-03-15

最近の日本の流通小売業にとって、営業時間延長は売上高を増やすための最も効果的な方策の一つとして用いられている。しかし、営業時間延長が経営成果の改善につながるためには、経営管理面での対応が不可欠である。コンビニエンスストアや中堅百貨店(後に専門店ビルになる)の事例を通して、時間帯別に品揃えや店内展示をきめ細かく変えたり(マーケティング面での対応)、非正規従業員まで活用した職場配置やローテーションを作成したり(人的資源管理システム面での対応)するなどの経営管理上の対応が、営業時間延長の成果を得る上で不可欠であることを示す。
著者
中牧 弘允 陳 天璽 廣瀬 浩二郎 日置 弘一郎 廣山 謙介 澤野 雅彦 三井 泉 竹内 恵行 澤木 聖子 出口 竜也 周佐 喜和 大石 徹 王 英燕 秦 兆雄 曹 斗燮 岩井 洋 市川 文彦 住原 則也 出口 正之 李 妍〓
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

上海万博のテーマに沿って、展示やイベントに見られる近未来の望ましい都市文化、都市生活のありようを研究した。追究したテーマは主に聖空間、国家、都市、企業にかかわるものであり、国威発揚、経済効果、生活様式の変化などに注目した。上海万博は、上海を「龍頭」として発展する現代中国を中心に、それをとりまく国際環境の縮図を一つの世界観として内外に提示したといえる。
著者
岡本 康雄 新宅 純二郎 桑田 耕太郎 玉木 欽也 周佐 喜和 ちょ 斗燮 MASUDA Kazuo SAITO Junichi CIBA Shin OKANO Yayo YANO Kumiko
出版者
文京学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

われわれは、日本製造業の競争優位を分析するに当って、エレクトロニクス産業を主要対象に選ぶこととした。何故ならこの産業は、1980年代半ばまでは、全体として高い競争優位を国際的に誇示してきたにもかかわらず、1980年代後半から90年代にかけてその優位をかなり低下させたと思われるからである。各種のデータは、その事をあきらかにしている。しかもこの様な状況をもたらした諸要因は、現在あるいは近い将来に他の産業においてもおこりうると推定されるのである。これに対し、日本企業の競争力に差をつけられていたアメリカのエレクトロニクス産業は、80年代後半から90年代にかけて国際的競争優位を復元するにいたった。これには色々な要因があるが、その主要な要因、少なくともその一つとして、エレクトロニクス産業に起こった顕著なモジュール化の動き、そしてこれにともなって生じた企業間水平分業の推進があげられる。すなわちモジュール-構成部品さらにそのサブ部品を統合するデザインルールが明示的に構築され、それが守られるならば、各企業は特定部品の開発・試作・生産に特化した開発・生産を行なうチャンスが生まれる。企業の資源がこのような特定部品の革新に集中し、競争が行なわれるならば、イノベーションの速度と水準は向上する。その一つの成功事例がインテルのMPUである。さらに多くのエレクトロニクス企業の製造活動を受託し、コスト低減を実現するEMS企業も生まれた。IBMは高付加価値半導体の生産を除くと製品開発・基本設計・サービスに専念し、製造の多くを外部に委託している。また台湾の製品設計企業と受託生産企業との柔軟な連繋システム、韓国財閥係企業にみられる戦略的投資と急速な技術力の上昇がめだっている。これに対し日本の大手エレクトニクス企業は、程度の差はあれ、部品生産を含む多分野の事業を営む、垂直統合型構造をつくりあげており、モジュール化の大きな流れと不適合状態を生み出している。またこの様な事業構造の下では、特定の事業に大規模な戦略的投資を適時に行なうことは容易ではない。それは80年代半ばまでの成功によって企業戦略の主要標的を日系企業におき、同型の戦略をいかに他社に遅れずに進めるかといった同調行動の慣性から中々抜け出せないことにもよっている。また製品寿命の短縮、開発スピード加速化、短期納入などの必要に直面しているにもかかわらず、企業組織面では、開発・設計・製造・マーケティング各機能内の連繋の弱さがめだっている。また海外事業拠点が発信している戦略的問題提起を柔軟にうけとめることができないといった、本社中心主義がめだっている。このような分析の上でわれわれは、競争優位再構築の可能性、国際経営の在り方についても一定の検討を加えた。