著者
平田 オリザ 山崎 孝史 伊藤 裕夫
出版者
大阪市立大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、アーツマネジメントを社会的弱者の現場において活用し、社会包摂の一環に組み入れることによって、文化による社会の再構築を行うという、アーツマネジメントの新しい意味と作用を見出した。また、それを支えるシステムとして、大阪市立大学を日本のハブ、チュラロンコン大学をタイのハブ、ガジャマダ大学とインドネシア芸術大学の共同をインドネシアのハブとし、多核的な国際ネットワークの基礎が構築できた。
著者
平尾 良光 飯沼 賢司 村井 章介
出版者
別府大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

10~17世紀における日本の銅や鉛の生産と流通に関して、経筒、梵鐘、鉄砲玉やキリスト教関連遣物などの実資料に関する鉛同位体比から、それら資料の産地を推定し、銅や鉛の流通の実態を明らかにした。特に16世紀後半以降においては火縄銃の弾や銀生産のために、戦国大名にとって鉛は必須の材料であった。鉛の急激な利用増のため、外国産鉛の流入が日本の歴史に大きな影響を与えたことが明らかになった。
著者
本堂 毅 鈴木 哲 村瀬 雅俊 北條 祥子 石堂 正美
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

日常環境レベルでの電磁場が生物及び人体に対して与える影響について,細胞及び人体レベルでの研究を行い,低周波磁場の細胞への影響を,コメットアッセイ解析等の定量評価から明らかにした.疫学研究では調査に用いる問診票を確立した。また,身体レベルでの愁訴を研究に活かすために,科学的不確実性(不定性)を伴う知見の専門家・非専門家間でのコミュニケーションが成立するための基礎的条件を明らかにした.
著者
松崎 秀夫 財満 信宏 岩田 圭子 小川 美香子 辻井 正次 瀬藤 光利 土屋 賢治 伊東 宏晃 間賀田 泰寛
出版者
浜松医科大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

自閉症者血清中の脂質VLDL分画の低下から(1)自閉症者血清中の脂肪酸解析、(2)脂肪酸所見に基づく自閉症動物モデルの確立とその解析、(3)動物モデルを用いた新規自閉症治療法を検討した。その結果、VLDL分画の低下に関連の深い脂肪酸としてω6脂肪酸を含む6種類の脂肪酸を見出した。ついでCD38KOマウスに自閉症者同様の血清中脂質VLDL分画・ω6脂肪酸の低下を認め、血中ω6脂肪酸の低下を出生直後に補うと社会認識行動の修復につながることを見出した。VLDLR-Tgラットにも多動と組織中のアラキドン酸の欠乏が示された。
著者
坪野 公夫
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

非線形光学結晶を用いた2次の非線形光学効果を用いたスクイーズド真空場生成装置を開発し、8dBのスクイージングに成功した。そしてプロトタイプ重力波検出器を設置し、生成したスクイーズド真空場を入射することにより、スクイーズド真空場を用いた重力波検出器の散射雑音の低減に初めて成功した。
著者
大場 誠介
出版者
法政大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

遺伝子のシグナル伝達と転写調節を通して核膜構造とクロマチンの機能の相関関係を明らかにするために、新規の活性操作系を用いた多様な生命現象の制御を可能にする有用な実験系を確立した。これは、エストロゲン受容体との融合タンパク質を活用したもので、この実験系を活用することにより、炎症の調節に関わる重要な転写因子、IkB-z自身の転写後制御に従来では知られていなかったシグナル伝達系を明らかにした。
著者
榎本 美香 岡本 雅史 串田 秀也 山川 百合子 松嶋 健 高梨 克也 松岡 恵子 小谷 泉
出版者
東京工科大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、統合失調症や高次脳機能障害という病名が与えられた人々(the Communication Handicapped; CH)が個々に持つ社会的・個人的属性や会話の個々の構成物(発話や身振り)の相互作用が作り出すコミュニケーションシステムにおいて、コミュニケーションギャップが検出され、排除/吸収されていく過程のメカニズムを解明した。
著者
平岡 義範 西 英一郎
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

我々が作製したナルディライジン欠損マウス(NRDc-/-)は、寒冷環境下(4℃)での体温維持機構が破綻していた。寒冷環境下で適応熱産生を担っているのは、褐色脂肪組織(BAT)のミトコンドリア脱共役タンパク質(UCP1)である。寒冷負荷後のNRDc-/-のBATでは、UCP1の発現上昇が認められなかった。一方、NRDc-/-において熱放散が亢進していることを明らかにし、NRDc-/-における体温恒常性の破綻が、適応熱産生および熱放散抑制両者の障害によることを明らかにすることができた。
著者
青崎 敏彦
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

常同行動に関連する神経回路の一部である線条体ストリオソームの投射ニューロンはμオピオイド受容体を持つが、このμオピオイド受容体はムスカリン受容体と拮抗していた。行動パターン形成時のアセチルコリンの放出低下はprotein kinase Cの低下を来たし、μオピオイド受容体活性化による線条体ニューロンに対する抑制性シナプス後電流の抑制を更に増強することによってストリオソームの活動を脱抑制する。
著者
仲田 栄子 有賀 久哲 半田 康延 小倉 隆英 関 和則 高井 良尋
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

今日のがん治療において、腫瘍内低酸素領域の克服が重要な課題となっている。そこで我々は電気刺激を用いることで腫瘍内低酸素領域を改善できるのではないかと考えた。C3H マウスの右大腿部に Squamous Cell Carcinoma-VII腫瘍(SCC-VII)を移植し、仙骨部後仙骨孔直上の皮膚表面に電気刺激を行った結果、刺激中に腫瘍表面の血流値で 22%の増加、電気刺激終了から約 50分後に腫瘍内部の酸素分圧で 28%の増加が確認された。低酸素マーカーであるピモニダゾールを使用した結果、電気刺激終了後 40 分で低酸素領域は 20%有意に減少した。X 線を腫瘍移植部に局所照射したところ、一回照射(総線量 5Gy)・分割照射(総線量 7.5Gy)のいずれにおいても放射線単独群より放射線+電気刺激併用群で腫瘍の成長に遅延が認められた。
著者
円谷 健 藤井 郁雄
出版者
大阪府立大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,タンパク質構造構築理論と試験管内進化とを組み合わせ,抗体の機能をダウンサイジングした.すなわち,抗体タンパク質とは全く異なるモチーフをもつペプチドのライブラリーを構築し,抗体に代わる分子プローブや分子標的医薬を開発した.本研究で提案する特定の標的抗原に対して特異的に結合するヘリックス・ループ・ヘリックス構造を有するペプチドを「マイクロ抗体」と名付けた.マイクロ抗体ライブラリーを用いてヒトマウスIgG-Fcやオーロラキナーゼに特異性を示すマイクロ抗体を獲得した.また,マイクロ抗体の抗原性や安定性について検討した.
著者
亀田 貴之 早川 和一 鳥羽 陽 唐 寧
出版者
金沢大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,黄砂表面における多環芳香族炭化水素(PAH)誘導体の二次生成反応について模擬大気実験系を用いた実験を行い,黄砂表面が関与する大気内PAH誘導体生成反応過程を明らかにするとともに,実大気観測によって,長距離輸送中の黄砂表面における有害PAH誘導体生成を検証し,更にそれらによる生体影響の実態解明を試みた。
著者
立岩 真也 天田 城介 小泉 義之 福島 智 星加 良司 上農 正剛
出版者
立命館大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

報告書『視覚障害学生支援技法 増補改訂版』を関係者・機関に配布。大学附属図書館と書籍のディジタル・データ化、そのデータの提供の仕組みについて協議。7月に開始されたその運用のあり方について提言すべく検証作業を行った。文字データのディジタル・データ化を巡る議論や実践の歴史を検証する研究を進めるとともに、電子書籍を巡る最近の動向を把握する作業を開始。電子書籍のアクセシビリティについて、その基本的な方向と社会的仕組みを検討し提言することを目的とする「電子書籍普及に伴う読書バリアフリー化の総合的研究」が2011年度から5年間の立命館大学グローバル・イノベーション研究機構研究プログラムに採択される(年間1000万円)。京都市内のALS等コミュニケーションの困難な人を支援する活動を継続的に行い、その記録および種々の技術に関わる情報をHPに掲載。大学院生が日本難病看護学会等で報告。2011年2月には「重度障害者コミュニケーション支援講座--難病者・重度障害者ITコミュニケーション支援技法を学ぶ」を開催。利用者・支援者が参加。全国手話通訳問題研究会、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、全日本ろうあ連盟、全国要約筆記問題研究会から参加を得た2010年3月のシンポジウム「聴覚障害者の情報保障を考える」の記録に新たな文章を加えた報告書を作成。2011年5月に刊行予定。以上の他、障害者のコミュニケーションに関わる技術・制度の歴史、関連文献、著作権に関する報道等をまとめ、ウェブサイトhttp://www.arsvi.com(→「異なる身体のもとでの更新」)に掲載、随時更新して提供している。