著者
刀祢 和樹 都澤 拓 工藤 謙輔 佐々木 幾星 WEI-CHUAN CHIANG HSIN-MING YEH 中村 乙水 米山 和良 坂本 崇 阪倉 良孝 菊池 潔 河邊 玲
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.22-00026, (Released:2022-12-29)
参考文献数
25

薩南海域におけるカンパチ成魚の遊泳行動を取得し,台湾東部海域の既往知見と比較した。薩南海域の個体は台湾東部の個体よりも移動範囲が狭く,放流した海域の近傍に留まり続けていた。海域間で滞在深度は異なっていたが経験水温は同程度であった。核DNAのITS領域とmtDNAのcytochrome b領域の塩基配列情報を用いて標識個体の種判別を試みたところ,形態的にはカンパチであるにも関わらず,ヒレナガカンパチと同様のcytochrome b領域のPCR-RFLPパターンを示す個体が見られた。
著者
梶 龍兒 坂本 崇 和泉 唯信 西村 公孝
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は発病後数年以内に呼吸筋の麻痺を来たし、人工呼吸器につながったままの生活や死をまねく神経難病である。その治療にはriluzoleが用いられているがその効果はわずかであり、限られている。ALSの病因として近年グルタミン酸の神経毒性が注目されている。グルタミン酸は脊髄での上位および下位運動ニューロン間の神経伝達物質でありその毒性により興奮性神経細胞死がおこると考えられている。我々は超大量のビタミンB12誘導体であるメチルコバラミンがこのグルタミン酸毒性を抑制することから本症の治療薬として用いられないかを検討した。本研究の結果、従来から継続しているALS患者のさらに長期の経過を分析することができた(Izumi et al. submitted)。その結果は、少数例の観察ながら、無作為割付の対照試験で統計的に有意の生命予後の改善が見られるものであり、現在日本の企業により欧州において大規模な臨床試験が準備中である。ALSのモデル動物であるSOD1-transgenic mouseでは継代飼育中に発症時期が遅延したり不均一になったため十分な検討ができなかった。近年東北大学で開発されたSOD1-transgenic ratに切り替えて検討中であるが3月末現在、発症数が少なくさらに時間を用することになった。結果が得られ次第、英文誌に投稿する予定である。一方、経頭蓋磁気刺激法を用いたALS患者での研究では、脊髄のグルタミン酸放出による興奮性シナプス後電位は、病初期において振幅が増大していることが示された(Kaji, Kohara, in press)。従来ALSの病態を調べる方法としては、死後の病理所見が中心であったが、本法は疾患の病期の伸展を非侵襲的に患者で検討する方法としてこれからさらに臨床応用が発展することが期待される。
著者
刀祢 和樹 都澤 拓 工藤 謙輔 佐々木 幾星 WEI-CHUAN CHIANG HSIN-MING YEH 中村 乙水 米山 和良 坂本 崇 阪倉 良孝 菊池 潔 河邊 玲
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.22-33, 2023-01-15 (Released:2023-02-07)
参考文献数
25

薩南海域におけるカンパチ成魚の遊泳行動を取得し,台湾東部海域の既往知見と比較した。薩南海域の個体は台湾東部の個体よりも移動範囲が狭く,放流した海域の近傍に留まり続けていた。海域間で滞在深度は異なっていたが経験水温は同程度であった。核DNAのITS領域とmtDNAのcytochrome b領域の塩基配列情報を用いて標識個体の種判別を試みたところ,形態的にはカンパチであるにも関わらず,ヒレナガカンパチと同様のcytochrome b領域のPCR-RFLPパターンを示す個体が見られた。
著者
小林(野網) 惠 丸尾 和司 坂本 崇 高橋 祐二 堀越 勝
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.791-798, 2019 (Released:2019-12-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1 2

本邦における局所性ジストニア患者92名を対象として,Revised NEO Personality Inventory(NEO-PI-R)に基づく結果を決定木法に基づいて解析し,職業および発症部位による観点から性格傾向を検討した.その結果,患者パーソナリティは発症部位よりも,職業に関与するか否かによって傾向が異なることが示唆された.また音楽家を含む職業性ジストニア患者における神経症傾向と高水準の不安,職業性上肢ジストニア患者の現実的思考,musicians’ dystonia患者におけるポジティブ/ネガティブ両方の豊富な感情体験が明らかとなった.
著者
田中 深貴男 大力 圭太郎 中島 真結理 加藤 豪司 坂本 崇 佐野 元彦
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.117-123, 2018
被引用文献数
2

<p> ヘルペスウイルス性造血器壊死症に耐過したキンギョの産出仔の耐病性は向上することが知られ,すでに耐病性の品種東錦系統が作出されている。本研究では,この耐病性品種を利用した交配による新たな耐病性品種の作出とその耐病性形質の遺伝について検討した。耐病性東錦と黒出目金の交配で得られたF<sub>1</sub>は,原因ウイルスcyprinid herpesvirus 2の感染試験で耐病性を示したが,出目性が消失した。ウイルス感染による耐過F<sub>1</sub>同士の交配によるF<sub>2</sub>群から,さらに出目性の感染耐過F<sub>2</sub> 同士を交配させたF<sub>3</sub>で耐病性を有する黒出目金を得ることができた。感染耐過F<sub>1</sub>と黒出目金との戻し交配群も作出した。以上の交配群の感染死亡率から,本耐病性形質はメンデル性の優性遺伝パターンをとることが示唆された。</p>
著者
坂本 崇 梶川 嘉延 野村 康雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1901-1909, 1999-04-15

本論文では 非線形判別分析を用いて 計算機に与えた楽譜情報からその曲の特徴や印象を自動的に抽出し 任意のグループに分割する手法を提案する. 特定の演奏者による演奏の個性や芸術性を抽出する際 情報処理的な観点からのアプローチを行うとして 演奏者がどのように楽譜を解釈し 演奏に至るかという命題の解決策は (1)楽譜に記述されている情報や音楽理論を考慮したプロダクションシステムによるルール生成法 (2)ニューラルネットワークを用いた解法 (3)重回帰分析を用いた解法などが報告されている. これらの一問題点として 演奏者は楽曲の特徴や印象に応じて奏法を変える事実が存在するにもかかわらず 処理を行ううえで明示的に考慮されたものが存在しないことがあげられる. 本論文ではその問題点を解決すべく まず 因子分析やSD法を用い 実際のリスナーの立場に立った心理聴取実験を行う. そして ニューラルネットワークによる非線形判別分析を用い その楽曲はどのような印象を持つかをコンピュータが自動的に判別し その印象にふさわしいグループに振り分ける手法を提案する. なお このシステムでは未知の楽曲においても88%の精度でその曲印象を判別させることに成功した.
著者
坂本 崇
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成24年7月25日授与 (甲第6306号)
著者
永井 崇裕 坂本 崇
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.99-104, 2006-09-15
被引用文献数
8

冷水病感受性の低い海産交配系アユと高い累代系アユの交配系統を作出したところ, 冷水病菌に対する感受性は両系統の中間になり, この性質は遺伝する可能性が示された。これらのアユの免疫応答を比較するために, ホルマリン処理冷水病菌で浸漬免疫して有効性を検討した結果, ワクチン効果は認められるものの系統間でその効果に差は認められなかった。しかし, 冷水病菌のホルマリン死菌で免疫した際の抗体価は, 海産交配系が最も高く, これは冷水病低感受性と関連するかもしれない。
著者
永井 崇裕 坂本 崇
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.99-104, 2006 (Released:2007-05-11)
参考文献数
14
被引用文献数
2 8

冷水病感受性の低い海産交配系アユと高い累代系アユの交配系統を作出したところ, 冷水病菌に対する感受性は両系統の中間になり, この性質は遺伝する可能性が示された。これらのアユの免疫応答を比較するために, ホルマリン処理冷水病菌で浸漬免疫して有効性を検討した結果, ワクチン効果は認められるものの系統間でその効果に差は認められなかった。しかし, 冷水病菌のホルマリン死菌で免疫した際の抗体価は, 海産交配系が最も高く, これは冷水病低感受性と関連するかもしれない。