著者
丸山 史郎 坂本 比呂志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.233-240, 2010 (Released:2010-08-01)
参考文献数
7

爆発的に増え続けるテキストデータから,どのようにすれば重要な情報を素早く取り出すことができるか,どのようにすれば効率的なデータ管理が可能となるか,さまざまな研究が進められている。本稿では,そのひとつの解決策として,データ圧縮とその関連技術を取り上げる。そのような技術のうち,データ圧縮を用いることで飛躍的に情報検索の規模を高めることができる手法と,その技術を用いることで従来のキーワード検索では拾いきれないデータ同士の関連情報を大量のテキストデータから取り出すメタ情報検索の可能性を解説し,この技術の将来展望を述べる。
著者
中村 有作 舞田 哲哉 坂本 比呂志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.191-199, 2007 (Released:2007-01-25)
参考文献数
29

We propose an efficient algorithm for deciding the reachability between any nodes on XML data represented by connected directed graphs. We develop a technique to reduce the size of the reference table for the reachability test. Using the small table and the standard range labeling method for rooted ordered trees, we show that our algorithm answers almost queries in a constant time preserving the space efficiency and a reasonable preprocessing time.
著者
鹿島 久嗣 坂本 比呂志 小柳 光生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.113-121, 2006 (Released:2006-01-06)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

We introduce a new convolution kernel for labeled ordered trees with arbitrary subgraph features, and an efficient algorithm for computing the kernel with the same time complexity as that of the parse tree kernel. The proposed kernel is extended to allow mutations of labels and structures without increasing the order of computation time. Moreover, as a limit of generalization of the tree kernels, we show a hardness result in computing kernels for unordered rooted labeled trees with arbitrary subgraph features.
著者
須田 年生 馬場 理也 石津 綾子 梅本 晃正 坂本 比呂志 田久保 圭誉
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

造血幹細胞ニッチと幹細胞動態の研究、ならびに幹細胞におけるDNA損傷反応に関する研究を展開し、しかるべき成果を得て論文発表すことができた。幹細胞ニッチに関する研究に関しては、Integrin avb3 が周囲の環境に応じて、サイトカインシグナルを増強することを通して、造血幹細胞の維持・分化を制御することを示した(EMBO J, 2017)。造血幹細胞の代謝に関連した研究では、造血幹細胞が分裂する直前に、細胞内カルシウムの上昇を通して、ミトコンドリアの機能が活性化することを見出した。さらに、造血幹細胞分裂直前の細胞内カルシウムが上昇をカルシウムチャネル阻害によって抑制すると、① 造血幹細胞の分裂が遅延すること、② 分裂後の幹細胞性の維持(自己複製分裂)に寄与することを示した。また、in vivo において、造血幹細胞周辺のMyeloid progenitor(lineage-Sca-1-c-kit+)細胞が細胞外アデノシンが造血幹細胞の細胞内カルシウムの上昇やミトコンドリア機能の制御に関与することも確認した。さらに興味深いことに、Myeloid progenitorは、上記の細胞外アデノシンによる造血幹細胞の与える影響を増強していることも見出している(JEM in Revision)。造血幹細胞におけるDNA 損傷反応における研究では、Shelterinと呼ばれるタンパク複合体の構成因子Pot1aが、造血幹細胞のDNA損傷の防止に加えて、活性酸素(ROS)の産生を抑制し、造血幹細胞の機能維持に寄与することを新たに明らかにした(Nat Commun, 2017)。
著者
竹田 正幸 定兼 邦彦 坂本 比呂志 瀧本 英二 坂内 英夫 稲永 俊介 喜田 拓也 畑埜 晃平 井 智弘 中島 祐人 成澤 和志
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

爆縮とは工学用語で,爆発の圧力が;外側ではなく内側へ集中する現象をいい,通常では得難い物理現象を発生させるために利用される.本研究では,膨れ上がるデータを爆発的に凝縮することにより,(i) データ量削減, (ii) データ処理の高速化,(iii) 知識獲得の三つを達成する基盤技術の確立を目指し,これを情報爆縮 (information implosion) と名付けた.情報爆縮基盤技術の確立のために,(A)高速データストリーム圧縮アルゴリズム,(B)圧縮データ上の高速データ処理アルゴリズム,(C)大規模データ解析アルゴリズムという3つの研究項目をおいて研究開発を行い多くの成果を得た.
著者
坂本 比呂志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.96, no.7, pp.501-506, 2013-07-01

データをどれだけ小さくできるかという根源的な問いは,現在もデータ圧縮の主要テーマであり統けている.一方で,データ圧縮は時代とともに新しい価値を獲得してきた.例えば,文字列データを圧縮することで高速検索する理論が1990年代に提案され,様々な分野で活用されている.そして現代は,圧縮しなければならない巨大なデータ,圧縮データに高速アクセスするための理論,それを実現するハードウェアの全てがそろっている.そこで,文字列圧縮について解説し,初学者の道標としたい.
著者
竹田 正幸 篠原 歩 坂内 英夫 瀧本 英二 坂本 比呂志 畑埜 晃平 稲永 俊介
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,圧縮データ処理に基づいて軽量XMLデータベース管理システム(DBMS)のための基盤技術を確立することを目標とし,主として以下の成果を得た.(1) 高速で軽量なオンライン文法圧縮アルゴリズムの開発. (2) 圧縮データ上で動作するq-グラム頻度計算アルゴリズムの開発. (3) 高速XMLデータストリームフィルタリング技術の開発. この他,DBMSの備えるべき知的データ処理機能として,パターンの効率的な枚挙,分類,オンライン予測等に関する研究を行い,多くの成果を得ている.