著者
村上 カオル 大塚 愛子
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.55-60,A6, 1957 (Released:2010-11-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1

女子の体育においては, 人体美の形成ということが, 目標の一つとして考えられるであろう.従来の顔偏重の弊より腕却し, ようやく全身の均整・調和などの美が叫ばれるようになつたのは当然のことである.最近8頭身という言葉が流行語として通用し, それがあたかも美入の代名詞の如くとり扱われている. 果して8頭身は人体美の規範となるであろうか.ここに先ず, 8頭身の学詮に関し歴史的考察を行うならば, 紀元前5世紀, ギリシアの最盛期において, 有名な彫刻家Polvkleitosが, 人体の均整美に注目し, 以後実測による比較研究を行い, 途に7頭身をもつて入体の最高の構成美となした. その成果は彼の著述にも発表したといわれる. しかしその記述は現在残つていないが, それらの理念にもとすき, 全身の調和律を作つた彼の代表作が「槍をかつぐ人」 (Doryuhoros) だという.これに対し, 8頭身論をとなえたのは紀元前4世紀に活躍したLysipposである. 彼はボリュクレイトスにならい, 人体の計測的比較をなし, 頭部が全身の1/8を示す比例が最も美しいと考えた。彼のApoxyomenos「泥をかき落す青年」といわれる彫刻は, このような規準によりつくられ, 優美軽快な彫刻である.次に, 数字的にも白人の身長及び頭高に関しては, CH. Stratz1) 2) 以来の研究があり, 韓国人の頭部及び躯幹の計測値は景氏によつて明らかにされている4). さらにStratzは日本入についても身体計測を行つている3). 日本人の頭部計測に関しては, 附田氏の日本入頭型の地域差5), 中山氏の近畿地方男子6), 古屋氏の北陸入7) 等の貴重な研究がある. なお西田氏は芸術的な立場から8頭身について述ぺているが, 系統的な測完に基いたものではない8).即ち, 日本人の人体構成要素の比率について系統的な測定をとげたものは, まだ見出されないようである. ここにおいて私達は頭身指数の意義, 並びに年令別・性別の推移を追求し, さらに頭身指数と体力との関係, 手長, 足長身についても測定を行つた.
著者
大塚 愛 森高 初恵 福場 博保 木村 修一 石原 三妃
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.759-767, 2001-10-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

コーンフラワーを原料としたトルティーヤ調製において,炭酸カルシウムを添加すると,デンプン粒子の膨潤・崩壊,分子の膨潤・水和が促進されたが,変化の程度は小さかった,炭酸カルシウム添加では,加熱により空洞が組織中に観察され,吸水率が増加した.このため,炭酸カルシウム添加トルティーヤでは水分の多い具材を巻いて食べる際には,水分を良く吸収し食べ易さが向上すると考えられた.一方,水酸化カルシウムを添加した場合には,デンプン粒子の膨潤・崩壊,分子の膨潤・水和は炭酸カルシムを添加した場合よりも促進され,組織は緻密となった.従って,水酸化カルシウム添加では,調理操作上あるいは具材を包んで食べる際には破れにくくなり,これらの点で利便性は向上すると考えられたが,添加により強いアルカリ味が生じ,赤味の強い色調になるために,利用に際しては添加量に注意を払う必要があると考えられた.
著者
小倉 剛 大塚 愛 川島 由次 本郷 富士弥 上地 俊徳 織田 銑一
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.149-155, 2000 (Released:2018-05-05)
参考文献数
21
被引用文献数
1

ジャワマングースの肛門傍洞内容物を用いた効果的な捕獲方法を検討するために, 肛門傍洞の形態の観察と肛門傍洞内容物に含まれる揮発性脂肪酸の同定を行った。本種の肛門傍洞の導管は, 肛門管皮帯内側に開口していた。肛門傍洞の分泌物貯留部は, 肛門管の左右に位置し, 直径は5mm程度で, 貯留部の一側の重量は平均約10mg/100g BWであった。組織学的には, 脂腺と考えられる発達した房状全分泌腺と, 観察頻度は極めて低かったが管状のアポクリン腺が肛門傍洞の周囲に観察された。肛門傍洞の内容物からは, 酢酸, プロピオン酸, イソ酪酸, 酪酸, イソ吉草酸および吉草酸の6種類の揮発性脂肪酸が同定された。また, 数種類の同定できなかったピークが存在した。雄の6種類の揮発性脂肪酸の構成比には一定の傾向が認められなかったが, 雌では酢酸が高い構成比を示し, イソ酪酸と吉草酸は低い構成比を示した。これらの傾向は, フィジーに移入された同種と類似していた。他の食肉目と比較した場合, 種特異的な揮発性脂肪酸は同定できなかった。今後, ジャワマングースの捕獲にこれらの成分を応用するためには, 未同定揮発性脂肪酸の同定と主要揮発性脂肪酸の季節や個体成長に伴う消長を把握する必要がある。
著者
大塚 愛二
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.133, no.2, pp.104-108, 2021-08-02 (Released:2021-09-01)
参考文献数
8
著者
寺村 信介 安藤 昌也 大塚 愛子 翁長 綾 桂木 紫帆 下郷 雅子
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.335-348, 2019-11-25 (Released:2019-11-25)
参考文献数
17

The authors have been trying to introduce and penetrate UX design into RICOH Company by design support approach since February 2017. Through this activity, there have been many findings which would be so useful in many similar cases. For further investigation, we have interviewed 5 persons who received our support to analyze the problems frequently seen under some specific circumstances, as well as the causes and the solutions of the problems. We extracted 9 patterns and organized them by the Pattern Language method. We applied these patterns to the projects supported in 2018 and verified the usefulness of the patterns.
著者
村上 カオル 大塚 愛子
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.55-60,A6, 1957

女子の体育においては, 人体美の形成ということが, 目標の一つとして考えられるであろう.<BR>従来の顔偏重の弊より腕却し, ようやく全身の均整・調和などの美が叫ばれるようになつたのは当然のことである.<BR>最近8頭身という言葉が流行語として通用し, それがあたかも美入の代名詞の如くとり扱われている. 果して8頭身は人体美の規範となるであろうか.<BR>ここに先ず, 8頭身の学詮に関し歴史的考察を行うならば, 紀元前5世紀, ギリシアの最盛期において, 有名な彫刻家Polvkleitosが, 人体の均整美に注目し, 以後実測による比較研究を行い, 途に7頭身をもつて入体の最高の構成美となした. その成果は彼の著述にも発表したといわれる. しかしその記述は現在残つていないが, それらの理念にもとすき, 全身の調和律を作つた彼の代表作が「槍をかつぐ人」 (Doryuhoros) だという.<BR>これに対し, 8頭身論をとなえたのは紀元前4世紀に活躍したLysipposである. 彼はボリュクレイトスにならい, 人体の計測的比較をなし, 頭部が全身の1/8を示す比例が最も美しいと考えた。彼のApoxyomenos「泥をかき落す青年」といわれる彫刻は, このような規準によりつくられ, 優美軽快な彫刻である.<BR>次に, 数字的にも白人の身長及び頭高に関しては, CH. Stratz<SUP>1) 2)</SUP> 以来の研究があり, 韓国人の頭部及び躯幹の計測値は景氏によつて明らかにされている<SUP>4)</SUP>. さらにStratzは日本入についても身体計測を行つている<SUP>3)</SUP>. 日本人の頭部計測に関しては, 附田氏の日本入頭型の地域差<SUP>5)</SUP>, 中山氏の近畿地方男子<SUP>6)</SUP>, 古屋氏の北陸入<SUP>7)</SUP> 等の貴重な研究がある. なお西田氏は芸術的な立場から8頭身について述ぺているが, 系統的な測完に基いたものではない<SUP>8)</SUP>.<BR>即ち, 日本人の人体構成要素の比率について系統的な測定をとげたものは, まだ見出されないようである. ここにおいて私達は頭身指数の意義, 並びに年令別・性別の推移を追求し, さらに頭身指数と体力との関係, 手長, 足長身についても測定を行つた.
著者
大塚 愛子 川崎 亮 渡辺 龍三 厳 泰永
出版者
Japan Society of Powder and Powder Metallurgy
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.220-224, 1998-03-15
参考文献数
7
被引用文献数
3 12

Disk-shaped functionally graded materials of copper/alumina system have been fabricated by spark plasma sintering(SPS process. The graded layer consists of symmetrical compositional transition of Cu/Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>/Cu, which allows to achieve high heat conduction, electrical insulation and excellent in-plane electrical conductivity. The use of the FGMs as a compliant pad of conduction type of thermoelectric power conversion system offers high thermal energy density through the thermoelectric cell, resulting in the increase of the efficiency of thermoelectric energy conversion.<BR>This paper describes the process optimization including densification of metal-ceramic powder mixtures by SPS process, compositionally graded stacking of the mixed powders in a graphite die, the design of the compositional gradient on the basis of one dimensional heat conduction analysis and fabrication of Cu/Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>/Cu FGMs according to the predesigned compositional gradient.
著者
大塚 愛二 田口 勇仁 百田 龍輔
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

我々は、まず初めにギ酸消化法と血管鋳型法を組み合わせた新しい走査型電子顕微鏡観察法を開発した。この方法により、細動脈・細静脈など微小な血管の弾性線維構造ですら三次元で詳細に明らかにすることができた。さらにこの方法により、壊れた内弾性板の三次元構造を明らかにすることができた。