著者
ジャン=マリ・ポンティエ 大津 浩[訳]
雑誌
成城法学
巻号頁・発行日
no.78, pp.166-122, 2009-03 (Released:2012-11-15)
著者
大津 浩 山内 広平
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

ヒスタミンの合成酵素であるヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)は,血球系の細胞では主に肥満細胞系,好塩基球系に限局して発現している.ヒト肥満細胞株HMC-1とヒト赤血球系細胞株K562を比べると,HMC-1ではHDCmRNAが発現しているものの,K562では発現が見られなかった.このような細胞特異的な遺伝子発現はどのような機構で制御されるのであろうか.先ず,核蛋白のRun-On Assayでは,確かにHMC-1ではK562に比べ,HDC遺伝子の転写量が増大していることが判明した.それでは,肥満細胞特異的な転写調節部位はどこにあるのであろう.そのために,HDC遺伝子の上流側からの欠失変異体とルシフェラーゼ遺伝子との融合遺伝子を構築し,肥満細胞系細胞株HMC-1と赤血球系細胞株K562に遺伝子導入した.HMC-1でもK562でも共に上流153bpと52bpとの間でルシフェラーゼ活性が下がるためHDCの基本的な転写にとってこの間に存在する配列が大切である事が推測された.さらに,上流153bpと52bpとの間を細かく評価できるようなプラスミッドを構築し,一過性に遺伝子導入し,ルシフェラーゼの発現を測定した結果,HMC-1,K562共に上流64bpと52bpとの間でルシフェラーゼ活性が下がり,この間に存在するGCboxがHDCの基本的な転写を司っていることが推察された.このGCboxを中心とした配列を持ったオリゴヌクレオチドを用意し,ゲル・シフト法にて結合蛋白の量的あるいは質的な差を検討した.この結果,HMC-1,K562ともにGCboxを中心としたオリゴヌクレオチドに特異的に結合する蛋白が存在し,それはSp1であることが判明した.さらに上流,遺伝子自身,下流に検索をすすめたが,組織・細胞特異的にHDC遺伝子の転写を増強するシス配列は見つかっていない.今後,組織・細胞特異的な遺伝子発現機構を解明するためには,更に種々の実験系を組む必要がある.
著者
吉田 正夫 大津 浩三 山本 雅道
出版者
岡山大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

受容膜のターンオーバーに関しては, 感桿型をもつ甲殻類, 昆虫, 繊毛型をもつ脊椎動物の各視細胞で知られている. 本研究のナメクジウオは同一動物が再種の型の視細胞をもつが, 明暗によりターンオーバーを示すものは感桿型であるジョセフ, ヘッセ細胞のみであった. 繊毛型のラメラ細胞でターンオーバーが見られなかったが, 脊椎動物の円盤膜も, それ自身がターンオーバーするのではなく色素上皮細胞に喰われることによる現象であること, 即ち視細胞自身の活性に基くものでないことに着眼, 進化的2型と対応したターンオーバーの意味を探ることを本年度の目標とし, 繊毛型視細胞(クラゲ, ホタテガイの遠位網膜)の明暗順応過程の調査を行っている. 現在のところ上記の作業仮説に反する結果は得られていないが, 進化的にも, 膜の生理機能の上でも広く且重要な結論となり得るので, 今少し調査の必要がある.
著者
上 真一 井関 和夫 柳 哲雄 大津 浩三 井口 直樹 上 真一
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

2002年以降ほぼ毎年のようにエチゼンクラゲが大量出現し、エチゼンクラゲ大発生は東アジア縁海域全体の環境問題となっている。また、沿岸域ではミズクラゲの大量出現が相変わらず継続しており、クラゲ発生の機構解明と制御方法の開発は重要な課題となっている。本研究ではクラゲ類の大量出現に関し以下の成果を得た。(1) 黄海、東シナ海のエチゼンクラゲの目視調査下関-青島、上海-大阪間の国際フェリーを利用した調査から、本種は6月中旬から中国沿岸域で出現し始め、7月下旬に対馬近海に到達することが明白となった。本フェリー調査は、本邦沿岸域の大量出現を早期予測するために不可欠の項目となった。(2) エチゼンクラゲ生活史の解明本種のポリプからクラゲに至る飼育に成功し、生活史の解明を行った。本種の無性生殖速度は、ミズクラゲに比較すると1-2オーダーも低かったが、ポドシストは水温5-31℃、塩分5-33の範囲で生残し、さらに有機物に富んだ泥中でも生残可能であったことから、高い環境耐性を有することが確かめられた。ポドシストの一斉出芽が大量発生を引き起す要因となる可能姓が指摘された。(3) ミズクラゲポリプの貧酸素耐性と天敵生物による捕食ミズクラゲのポリプは貧酸素条件下(>3 mg O_2L^<-1>)でも無性生殖能力があった。エビスガイ、クモガニは特異的にポリプを捕食する天敵生物であることが明らかとなったが、これらは貧酸素条件下では生残は不可能であった。富栄養化などに伴う海底の貧酸素化がミズクラゲの大量発生をもたらす一因となることが明らかとなった。また、温暖化もクラゲの増加をもたらすと推定された。
著者
大津 浩二 松田 宜之 金森 吉成 増永 良文 脇山 俊一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.86, pp.71-78, 1994-10-13
被引用文献数
5

本論文は、画像データベースのアプリケーションを容易に開発できるオブジェクト指向のスクリプト言語の設計について述べる。この言語を用いて、ユーザは計算機環境から独立した高水準なシナリオを記述することができる。言語は、画像処理オブジェクト定義、シナリオ構造記述、データベース問合せオブジェクト定義、シナリオ起動メッセージなどの機能を持っている。このスクリプト言語の特色は、検索された画像オブジェクトに種々な画像処理を適用することが簡単に表現できることである。さらに、著者等が提案している画像データベースアーキテクチャ上でスクリプトがどのように解釈、実行されるかを例を使って説明した。This paper describes a design of object-oriented script language to ease application developments for image databases. User can make a high level scenario written in the script, which is independent of computing environments. The script has many functions: definition of image processing objects, description of scenario structure, definition of query objects, start message for scenario, and etc. There is a characteristic of the script: it is ease to write the scenario that users apply some kind of image processing functions to image objects retrieved from databases. Furthermore, we have explained how the script is interpreted and executed under an image database architecture which we have proposed.
著者
長谷川 憲 山元 一 大津 浩 小澤 隆一 小泉 洋一 村田 尚紀
出版者
工学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、冷戦終了後の国際関係が、急速な国際化現象と地域化現象の中で進展している状況の中で、国家および国際機関の役割が変化する開題について検討してきた。具体的には、国際化現象の下での憲法および公法理論の変容(政府権限の国際機関または地方機関への委譲、国際機関の民主主義的コントロールなどの問題)、国家機関と国際機関との関係の変容(国際機関、とりわけ押収人権裁判所・国際司法裁判所・国際刑事裁判所など超国家的裁判機関による政府権限のコントロールの問題、欧州委員会・欧州議会などの権限の正当性の問題)、市民生活の変容(欧州市民権・亡命権・庇護権・経済的諸権利・発展の権利・人格権など基本的人権諸領域の担手・保障手段の変化の問題)、などに関して研究を進めた。本年度の成果としては、2004年8月30日より9月4日の日程で、「公共空間における裁判権(Le pouvoir juridictionnel dans l' espace public)」をテーマとする国際シンポジウムを、工学院大学・関東学院大学・東北大学・東北学院大学で開催した。本研究グループからは、長谷川憲が「Contentieux educatifs en milieu scolaire et droits des etudiants」、大藤紀子が「Professionali-sation et《non professionnalisation》des organes juridictionnels au Japon」などの報告を行った。また、上記のシンポジウムに関して、「公共空間における裁判権」との表題で、2006年度刊行を有信堂からめざしている。また、関東学院大学でのシンポジウムは、ジュリスコンサルタス15号に掲載された。