著者
小林 憲弘 小坂 浩司 浅見 真理 中川 慎也 木下 輝昭 高木 総吉 中島 孝江 古川 浩司 中村 弘揮 工藤 清惣 粕谷 智浩 土屋 かおり 寺中 郁夫 若月 紀代子 加登 優樹 小関 栄一郎 井上 智 村上 真一 金田 智 関 桂子 北本 靖子 堀池 秀樹 米久保 淳 清水 尚登 髙原 玲華 齊藤 香織 五十嵐 良明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.223-233, 2017 (Released:2017-11-10)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

水道水中の臭素酸イオン (BrO3-) を既存の告示法よりも高精度かつ迅速・簡便に分析するために, LC/MS/MSによる測定方法を検討し, 臭素酸イオンを高感度に検出でき, さらに水道水中に含まれる他の陰イオンを良好に分離可能な測定条件を確立した。さらに, 本研究で確立した測定条件が全国の水道水に適用できるかどうかを検証するために, 水道事業体等の23機関において水道水に臭素酸イオンを基準値 (0.01 mg L-1) およびその1/10 (0.001 mg L-1) となるように添加した試料を調製し, 各機関で最適化した様々な測定条件で試験を行った。その結果, いずれの機関においても厚生労働省が示している「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の真度, 併行精度および室内精度の目標を満たしたことから, 本分析法は水道水中の臭素酸イオンを基準値の1/10 (0.001 mg L-1) まで高精度に分析可能であると評価した。
著者
岡崎 篤行 野澤 康 井上 年和 今村 洋一 川原 晋 大場 修 澤村 明 岡村 祐 池ノ上 真一 井上 えり子 松井 大輔 西尾 久美子
出版者
新潟大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

元来、料亭は宴席以外にも冠婚葬祭や公式会合、商談など日本人の生活と密着していた。しかし、現在ではその役割が他施設へ移り、都市の料亭街が消滅しつつある。一方で、和食や料亭の価値は見直され、重要な観光資源にもなっている。ひとつの重要な建築類型といえる料亭は、あらゆる日本の伝統文化を包括的に継承する場であり、花柳界や業界団体、支援・連携する行政、民間組織など様々な組織が関わっている。このように、ひとつの地域文化システムといえる料亭について網羅的視点で捉え、関連組織・活動の変遷、料亭の分布とその変遷、料亭建築の規模と保全活用の実態を明らかにする。
著者
井上 真一 佐々木 紀幸 村上 恭二 藪下 和樹 鈴木 勝雄
出版者
The Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.180, pp.1-11, 1996 (Released:2009-09-16)
参考文献数
10

The amplitude functions measured by wave analysis experiment for a ship model are expanded in Mathieu function series in order to obtain the informations of improving the hull form. The expansion gives sectional area curve of the model as assumed as a source generating the measured wave system in linear wave-making theory. The expansion coefficients correspond with the coefficients of Mathieu expansion of the assumed sectional area curve and give the strengths of wave pattern resistance components. In order to reduce the total wave resistance the sectional area curve components corresponding with the dominant wave resistance components is to be subtracted.The amplitude functions measured for three ship models are expanded in Mathieu function series and their wave resistance components are compared with each other at various Froude numbers. The direction of improving hull form obtained by the present method corresponds with the design philosophy of the three ship forms.
著者
千葉 麗子 北上 真一
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.7, no.8, pp.207-209, 1998-09

旅行代理店が旅行商品を販売する際には「約款」という書類を顧客に必ずお渡しするんです。それを旅行業法で「交付」というんですが,インターネット販売の場合,約款を画面上に表示することが「交付した」と言えるのかどうか。そうした細かなところを運輸省と詰めていたんです。結局,約款を顧客に必ず印刷してもらうことで話がつきました。
著者
堀 卓也 安田 伍朗 井上 真一
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告 (ISSN:03856771)
巻号頁・発行日
no.9, pp.231-234, 1974-03

われわれは今まで前駆体として使用されたことのない,トニトロソフェナントロトリアゾール〔III〕を使い,デヒドロフェナントレン〔IV〕中間体の確認を試み,テトラフェニルシクロペンタジュノンで捕捉すると,相当する化合物,1.2.3.4-テトラフェニルトリフェニレン〔V〕を得た.デヒドロベンゼン発生に前駆体として使用された1-ニトロソトリアゾール環からアリーンの生成が一般的なものであり,デヒドロフェナントレン発生にも使用されることをみつけたので報告する.
著者
上 真一
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.283-299, 2010-11-05
被引用文献数
1

生物海洋学における研究目的の一つは,植物プランクトンから魚類などの高次栄養段階動物に至る食物連鎖の中でのエネルギー転送過程や物質循環過程を解明することであるが,人間活動の高まりが海洋生態系の変化を引き起こしている現在では,食物連鎖構造に及ぼす人間活動の影響を解明することも主要な研究テーマとなる。本稿は著者がこれまで行ってきた動物プランクトン(特にカイアシ類)の生産生態研究とクラゲ類大発生機構解明研究を概説し,魚類生産が持続するための沿岸生態系の保全と修復の必要性について述べる。食物連鎖の中枢に位置する動物プランクトンの生産速度の推定を目的として,まず分類群別に体長-体炭素重要関係を求め,動物プランクトン現存量測定の簡素化を図った。次に最重要分類群であるカイアシ類の発育速度,成長速度,産卵速度などと水温との関係から,本邦沿岸産カイアシ類の平均日間成長速度は冬季では体重(あるいは現存量)の約10%,夏季では約40%であることを明らかにした。瀬戸内海全域を対象とした調査航海を行い,現場のプランクトン群集の生産速度を求めた。その結果,植物プランクトンから植食性動物プランクトンへの転送効率は28%,さらに肉食性動物プランクトンへの転送効率は26%と,瀬戸内海は世界トップレベルの単位面積当りの漁獲量を支えるにふさわしい優れた低次生産構造を示した。1990年代以降瀬戸内海の漁獲量は急減し,一方ミズクラゲの大発生が頻発化し始めた。さらに2002年以降は巨大なエチゼンクラゲが東アジア縁海域に毎年のように大量発生し始めた。両現象に共通するのは人間活動に由来する海域環境と生態系の変遷(例えば,魚類資源の枯渇,富栄養化,温暖化,自然海岸の喪失など)であり,両海域はいわゆる「クラゲスパイラル」に陥っているようだ。クラゲの海からサカナ溢れる豊かな「里海」の創生に向けた海域の管理が必要である。
著者
村上 真一 川村 智浩 二村 文章 打矢 聡 天白 竜一 谷治 行夫 中柴 康隆 摺澤 雄治 川上 幸也 中野 隆 武藤 信彦 繊原 弘三 河野 明啓 織田 英嗣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.23, pp.49-54, 1996-03-19
被引用文献数
2

A 2/3-inch 760k pixel interline transfer CCD (IT-CCD) image sensor has been developed, which includes twice as many vertical pixel numbers as the conventional 380k pixel CCD image sensor within the same image format, and independent 8 vertical bus lines. These features enable the sensor to be applicable not only to NTSC system (525-line interlace mode), but also to vertical high resolution TV system (525-line progressive mode and 1049-line interlace mode). Furthermore, various application, such as dynamic range expansion mode and smear elimination mode, can be realized for its high driving flexibility.
著者
上 真一
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.137-142, 2006-02-28
被引用文献数
1

瀬戸内海の東側出入り口に相当する紀伊水道の生態系の経年変動を,徳島県水産試験場が1987-1999年の12年間に亘って行った海洋環境調査と動物プランクトン主要分類群の出現密度結果などに基づいて解析した.紀伊水道の水温や栄養塩濃度は数年周期で変動し,1995年以降,水温は上昇傾向,栄養塩濃度は低下傾向にあった.このような変動パターンを引き起こす要因として,紀伊水道への底層貫入の強弱が関与していることが明らかとなった.即ち,底層貫入が強力な年は,1)平均水温が低く,2)栄養塩濃度が高く,3)透明度が低く(即ち,植物プランクトン現存量が高く),4)植食性カラヌス目カイアシ類(特に大型カイアシ類のCalanus sinicus)の出現密度が高かった.底層貫入が強い年は,黒潮流軸は紀伊水道から離れた沖合に位置していた.一方,1995年以降,黒潮は接岸傾向にあり,底層貫入は弱体化し,紀伊水道は次第に貧栄養の外洋的な生態系に変化しつつあると考えられた.漁獲量も近年は顕著な低下傾向にあった.底層貫入水は大阪湾や播磨灘などの瀬戸内海内部海域にも及ぶので,外洋起源の栄養塩は瀬戸内海内部の生物生産過程にも影響すると考えられる.
著者
池ノ上 真一
出版者
北海道大学観光学高等研究センター = Center for Advanced Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
CATS 叢書 (ISSN:21853150)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-64, 2012-03-31

地域社会による文化資産マネジメントとツーリズム : 沖縄県・竹富島の事例研究 = How Can Tourism Aid the Continuous Development of Communities? : The Case Study on Taketomi-Island
著者
上 真一 井関 和夫 柳 哲雄 大津 浩三 井口 直樹 上 真一
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

2002年以降ほぼ毎年のようにエチゼンクラゲが大量出現し、エチゼンクラゲ大発生は東アジア縁海域全体の環境問題となっている。また、沿岸域ではミズクラゲの大量出現が相変わらず継続しており、クラゲ発生の機構解明と制御方法の開発は重要な課題となっている。本研究ではクラゲ類の大量出現に関し以下の成果を得た。(1) 黄海、東シナ海のエチゼンクラゲの目視調査下関-青島、上海-大阪間の国際フェリーを利用した調査から、本種は6月中旬から中国沿岸域で出現し始め、7月下旬に対馬近海に到達することが明白となった。本フェリー調査は、本邦沿岸域の大量出現を早期予測するために不可欠の項目となった。(2) エチゼンクラゲ生活史の解明本種のポリプからクラゲに至る飼育に成功し、生活史の解明を行った。本種の無性生殖速度は、ミズクラゲに比較すると1-2オーダーも低かったが、ポドシストは水温5-31℃、塩分5-33の範囲で生残し、さらに有機物に富んだ泥中でも生残可能であったことから、高い環境耐性を有することが確かめられた。ポドシストの一斉出芽が大量発生を引き起す要因となる可能姓が指摘された。(3) ミズクラゲポリプの貧酸素耐性と天敵生物による捕食ミズクラゲのポリプは貧酸素条件下(>3 mg O_2L^<-1>)でも無性生殖能力があった。エビスガイ、クモガニは特異的にポリプを捕食する天敵生物であることが明らかとなったが、これらは貧酸素条件下では生残は不可能であった。富栄養化などに伴う海底の貧酸素化がミズクラゲの大量発生をもたらす一因となることが明らかとなった。また、温暖化もクラゲの増加をもたらすと推定された。
著者
上 真一 小路 淳
出版者
広島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究は、ミズクラゲやエチゼンクラゲなどの有害クラゲを捕食する天敵クラゲを探索し、その捕食能力を利用した有害クラゲ種の発生制御の開発を目的としている。今年度は下記の研究成果を得た。(1)天敵クラゲ種の探索と捕食能力の測定水温25℃において、有櫛動物のウリクラゲ(湿重量:約20g)は体重約10gのカブトクラゲを1日に最大2個体捕食した。水温20℃において、刺胞動物のユウレイクラゲ(湿重量:約300g)は体重130gのミズクラゲを8時間で完全に捕食した。アカクラゲ(湿重量:約150g)は体重5gのエチゼンクラゲを2-3時間で完全に捕食した。オキクラゲは自らより大型のミズクラゲを捕食可能であった。また、アマクサクラゲもミズクラゲやエチゼンクラゲを捕食可能であった。以上のように、旗ロクラゲ目の中で比較的強い刺胞毒を有する種類は、他のクラゲ種を捕食し、天敵として機能することが明らかとなった。(2)安定同位体比に基づくクラゲ類の餌-捕食者関係瀬戸内海に出現するカブトクラゲ、ミズクラゲ、アカクラゲの安定同位体比から、それらの食性を推定した。安定同位体比はいずれもカイアシ類などの動物プランクトン食性を示し、本方法では天敵クラゲとなるクラゲ種を特定することはできなかった。(3)汽水湖におけるミズクラゲの餌生物と共食い可能性の調査富栄養汽水湖である中海本庄工区には膨大なミズクラゲ個体群が出現する。それらの消化管内容物を調査することにより、餌生物の特定と共食いの有無の調査を行った。ミズクラゲは湖内に出現するカイアシ類などの動物プランクトンをほぼ無選択に捕食しており、ミズクラゲを餌として捕食することはなかった。サイズの異なるミズクラゲ同士を水槽内に収容しても、共食いを行うことはなかった。
著者
遠部 卓 上 真一
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

瀬戸内海において1‐3時間間隔で25‐72時間にわたって採集された海産枝角類の育房内の胚発生段階を調べ、Penilia avirostris(ウスカワミジンコ)では仔虫放出の日周性はないが、Evadne nordmanni(ノルドマンエボシミジンコ)及びEvadne tergestina(トゲナシエボシミジンコ)では夜間暗黒時にのみ産仔行動が起ることを再確認した。Evandne属は極めて大きい黒色の眼をもつので、仔虫放出直前のメス個体は育房中に多数の黒点をもち非常に目立ちやすいため、この時期を暗黒時にのみ経過することは視覚による捕食者を回避するための適応的戦略とみなされる。また、購入した赤外線カメラ撮影装置を装置した高画質顕微鏡ビデオ装置により、育房中の胚発生の経過と夜間暗黒時におけるEvandne tergestinaの産仔行動を撮影することに初めて成功した。特に、産仔は母虫の速やかな脱皮とともに起り、放出された仔虫は直ちに泳ぎ去る過程が明らかになった。この研究成果については「第3回国際枝角類シンポジウム」(ノルウエー・ベルゲン、1993年8月)において講演する予定である(Onbe,T.:Nocturnal release of neonates of the marine cladocerans of the genus Evandne,with observations by infraredlight video microscopy)。また4種の海産枝角類Penilia avirostris,Podon leuckarti(オオウミオオメミジンコ),Evandne nordmanni及びEvandne tergestinaの消化管内容物中の植物プランクトン色素(クロロフィル及びフェオ色素)を指標として、摂食活動の日周性を調べた。その結果前2者については色素量は昼間より夜間において有意に高く、顕著な日周性を示すことが明らかとなった。しかし、Evandne属2種については、摂食活動の日周性は認められなかった。この内容は現在日本プランクトン学会報に投稿中である。(Uye,S.&T.Onbe:Diel feeding variations of the marine cladocerans in the Inland Sea of Japan.Bull.Plankton Soc.Japan)。