著者
大神 明
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.323-328, 2020-03-10 (Released:2020-09-05)
参考文献数
18

日本型の労働者に対する健康診断のシステムは、企業によっては人間ドックや、がん検診なども含めて「健康診断」という範疇にて実施されている現状がある。労働衛生(産業保健)の分野で行われる健康診断では、医学的サーベイランスと医学的スクリーニングは個別の概念と手法で行われるべきで、労働衛生上明確かつ補完的な二次予防要素と見なされるべきである。本稿では、東アジア諸国(韓国、中華民国(台湾)、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、インド)の労働者に対する健康診断について、その法的な背景を概説しつつ、東アジア諸国の労働者の健康管理について健康診断の現況について文献的検索を試みた。
著者
世古口 真吾 池上 和範 安藤 肇 吉武 英隆 馬場 宏佳 石垣 陽 盛武 敬 明星 敏彦 大神 明
出版者
The University of Occupational and Environmental Health, Japan
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-13, 2022-03-01 (Released:2022-03-07)
参考文献数
36

We manufactured a wearable particle monitor (WPM), which is a simple and low-cost dust monitor. We aimed to evaluate the usefulness of the device by using it and location information of a Global Navigation Satellite System (GNSS) to measure dust generation in outdoor workplaces. We used nine WPMs and a particle counter KC-52 to measure in parallel the dust concentration diffusing standard particles in a dust exposure apparatus to evaluate the measurability of the WPM, and visualized dust generation in outdoor workplaces to evaluate its usability. We obtained location information using a GNSS in parallel with measuring with the WPM. The measured values of the WPM followed the measured values of the KC-52, with a strong correlation of the values between the KC-52 and each WPM. The discrepancy among devices tended to increase, however, because the measured values of the WPMs increased. For outdoor measurements, we could create a heat map of the relative values of dust generation by combining two data of the WPM and the GNSS. The methods of using the WPM could overview the conditions needed to produce dust emissions in dust-generating workplaces.
著者
明星 敏彦 李 秉雨 橋場 昌義 神原 辰徳 大藪 貴子 大神 明 森本 泰夫 西 賢一郎 角谷 力 山本 誠 轟木 基 水口 要平
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.163-171, 2011
被引用文献数
1

ナノマテリアルを取り扱う作業では, 防じんマスクを着用する必要がある. しかし, 防じんマスクで気中に浮遊しているナノ粒子(1〜100nm)を確かに捕集除去できるか, 取り扱っている衛生管理者や作業者は不安に思っている. 本研究では, 15〜220nmの粒径範囲の二酸化チタンナノ粒子を試験粒子に用いるフィルタ捕集効率測定システムを作成した. DS1防じんマスク2種類とDS2防じんマスク4種類をこのシステムに設置して, 粒子捕集効率を計測した. ここで試験した防じんマスクは日本の国家検定に合格したものである. 試験した中では, 検定合格に相応する捕集効率(DS1では80%, DS2では95%)以下の性能を示す防じんマスクはなかった.