- 著者
-
安田 昌弘
- 出版者
- The Japanese Association for the Study of Popular Music
- 雑誌
- ポピュラー音楽研究 (ISSN:13439251)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.51-61, 2002 (Released:2009-10-29)
- 参考文献数
- 26
雲の切れ目から日のさす晩秋のロンドンでキース・ニーガス氏と話す機会に恵まれた。ニーガス氏の『Popular Music in Theory』が出版されたのは一九九六年。絶好のポピュラー音楽研究入門書として日本でも多く読まれているようだ。彼はその後もオープン大学の二冊[Negus 1997, du Gay et al. 1997]や、『Music Genres and Corporate Cultures』[1999]、そして『Popular Music Studies』[2002]と精力的な活動を続けている。この対談は『Popular Music in Theory』以降のポピュラー音楽研究の理論的布陣の移り変わりや、新しい調査成果の進展を俯瞰することを意図してもうけられた。限られた誌面ゆえその全てを掲載することはできないが、特に「生産の文化」、「アイデンティティ」、「グローバライゼーション」のキーワードを中心にお届けする。