- 著者
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佐藤 勲
井上 正四郎
安藤 忠治
稲沢 昭
- 出版者
- The Japanese Society of Swine Science
- 雑誌
- 日本養豚研究会誌 (ISSN:03888460)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, no.2, pp.45-49, 1965
1 50頭1群による甘藷畑放牧の結果, 発育および飼料の利用性において, 前報よりはややよくなかった。また, ヨークシャーとF<sub>1</sub>の発育差は, 所要日数で約25日, 1日平均増体重で約160gで, F<sub>1</sub>の有利性を示した。<br>2 放牧中の事故豚は, へい死1頭, 病豚6頭で隔離治療の必要があった。<br>3 50頭1群の放牧に要した所要労力は, 遊休労働時間を除いて, 1頭1日当り1.9分で, 1頭当りの労働費は337円となった。<br>これは, 生産費のうちの2.2%であった。<br>4 飼料費は, 1頭当りを, 甘藷生産費でみると8,371円, 原料用甘藷価格でみると, 9,416円であった。これは, 生産費のうちの54.2%にあたる。<br>5 素畜費は, 最近, 子豚価格の高騰により5,540円を要し, 生産費のうち35.9%をしめている。<br>6 販売費用は, 1頭当り1,661円で, 総売上げの8.3%, 収益の39%をしめた。<br>7 甘藷畑41.74aに, 50頭放牧した場合の経済価値は, 自給飼料利用価172,960円となり, これから甘藷生産費を除くと, 127,482円であった。すなわち, 甘藷1kg当りの利用価は, 20.35円で原料用甘藷価格の約2.5倍になった。<br>8 この場合の139日間における1日平均収益は926円であった。<br>9 枝肉価格と採算の限界では, 枝肉kg当り290円が限界で, 1日1000円の収益を得るためには, 枝肉価格は330円を下まわってはだめで, その場合の飼料費は, 8,363円, 素畜費は, 5,532円が最高の限界となる。