著者
玉川 隆生 林 摩耶 樋田 久美子 米川 裕子 深澤 正之 安部 洋一郎
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.41-44, 2016 (Released:2016-03-06)
参考文献数
9

腹部片頭痛は国際頭痛分類で小児片頭痛に分類されており,小児に発症することが多い疾患である.成人例も報告されているが,症例数が少ないためあまり認知されていない.そのため,診断や治療に難渋することがある.今回われわれは,国際頭痛分類の診断基準に準じて腹部片頭痛と診断し,発作痛に対してトリプタン・インドメタシンが著効して,バルプロ酸が発作予防に効果的であった成人例を経験した.成人腹部片頭痛はまれな疾患ではあるが,その症状は特異的で小児腹部片頭痛の診断基準を用い,発作に関する問診,他疾患の否定により診断が可能な疾患である.また,その治療は片頭痛の治療に準じて行うことで効果が期待できると考える.
著者
松本 榮次 建部 昇 安部 洋一郎 松本 伸示
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.183-191, 2020-07-31 (Released:2020-07-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2

「月の満ち欠け」を科学的に理解するには地球視点と宇宙視点を交互に視点移動させる能力が必要であり,その指導は容易でない。本研究では,地球視点と宇宙視点の両方から活用できる三球儀風「月の動きと形しらべ盤」を開発した。小学校では,地球視点を中心にして「月の満ち欠け」の理解を指導するが,開発した三球儀風「月の動きと形しらべ盤」を活用することで,地球視点と宇宙視点の両方の視点から月の満ち欠けを考えることができる。平面的な教材として開発したことで,児童自身が作成することが可能となった。このクラフトを利用することで,月の動きや形についての子供たちの学習を支援することができることが示唆された。
著者
萩原 信太郎 中川 雅之 上島 賢哉 桑原 沙代子 林 摩耶 安部 洋一郎
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.43-48, 2021-04-25 (Released:2021-04-25)
参考文献数
21

【目的】慢性痛では副作用をできるだけ少なくしながら痛みの管理を行うことが重要である.今回,プレガバリン(pregabalin:PGB)が効果不十分な症例に対してミロガバリン(mirogabalin:MGB)へ変更し,添付文書の用法・用量よりも少量から開始して副作用について調査した.【方法】神経障害性疼痛の要素を含む慢性痛患者に対して,PGBの一日投与量を150 mg以下に減量後,MGBへ切り替えた.MGBは添付文書の用法・用量よりも少量から開始・漸増し,2,4,8,12,24週間後に副作用を質問票で,痛みを数値評価スケールで調査した.MGB以外の内服薬は固定量で継続投与し,神経ブロック治療は同内容を継続した.【結果】対象は257名,副作用によりMGBの投与を中止となった症例は87例(33.9%),おもな中止理由は傾眠,浮動性めまいであり,MGB承認時臨床試験の副作用発現率およびおもな副作用と同様であった.副作用中止例のうち74例はMGB投与開始から12週間後までの増量期間中に出現していた.痛みを理由にPGBへ再変更した症例はなく,PGBの減量および中止による退薬症状を認めなかった.【結論】PGBからMGBへ変更する際,添付文書の用法・用量より低用量から開始・漸増しても,副作用は添付文書と同等に出現する可能性がある.MGBはより低用量から開始・漸増する方が安全と考えられる.
著者
小林 正智 安部 洋 井内 聖 小林 俊弘
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1034, 2009

理化学研究所バイオリソースセンター実験植物開発室は文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)「シロイヌナズナ/植物培養細胞・遺伝子」の中核機関として植物材料の収集・保存・提供を行っている。平成20年度は新たなリソースとして理研植物科学研究センターが開発したシロイヌナズナFOXライン種子の提供を開始した。またヒメツリガネゴケ、ポプラ、タバコの遺伝子材料の追加公開や形質転換培養細胞の公開準備を進めている。このほかデータベースの更新情報や公開を予定しているリソースの準備状況、更には2010年6月に横浜市で開催予定の21st International Conference on Arabidopsis Researchの概要について報告する予定である。
著者
渡邉 るりこ 藤井 信忠 國領 大介 貝原 俊也 大西 由訓 安部 洋一 山東 良子
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第59回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.370-374, 2016 (Released:2017-02-01)

企業の専門性によらず対応できるコンサルティングサービスを実現することを目的とし,コンサルティング企業に蓄積されたテキストデータをテキストマイニングすることにより,データに出現する語句とクライアント企業の経営状況との対応関係を発見し,予測を行う.計算機実験を行い,提案手法の有効性を確認する.
著者
竹本 光一郎 岩朝 光利 西川 渉 安部 洋 福島 武雄 宇都宮 英綱 高野 浩一 黒岩 大三
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.706-712, 2005-11-20

今回, 脳底動脈・persistent primitive trigeminal artery (PPTA)分岐部に発生した破裂動脈瘤に対し, コイル塞栓術を施行した症例を経験したので報告した.症例は, 72歳, 女性.突然の意識障害で発症し, 当院に入院となった(W.F.N.S grade V).頭部CTにてクモ膜下出血がみられた.頭部血管撮影にてPPTAがみられ, 脳底動脈・PPTA合流部に2こぶ状の動脈瘤を, 右内頸動脈海綿静脈洞部にも1つ動脈瘤を認めた.脳底動脈・PPTA合流部動脈瘤の内, 大きいほうの動脈瘤は, 4mm大でblebを伴っていた.神経原性肺水腫を呈しており, 患者のgradeが悪く, 動脈瘤の発生部位より, 手術的クリッピングは困難と考え, 第3病日目にPPTA経由でコイル塞栓術を施行した.塞栓術後, 正常圧水頭症に対しV-P shunt術を施行し, 継続リハビリテーション目的に転院した.本症例は, 脳底動脈・PPTA合流部に発生した破裂動脈瘤に対するコイル塞栓術としては初めての症例報告であり, 文献的考察を加え報告する.
著者
鳴坂 義弘 安部 洋
出版者
岡山県生物科学総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

モデル実験植物から農作物への技術移管のモデルケースを提案することを目的として、ゲノム配列が明かになっているシロイヌナズナとアブラナ科作物のハクサイについて遺伝子レベルでの比較解析を行った。ハクサイの遺伝子ライブラリーを作成して2000個以上のハクサイ遺伝子を得、これら遺伝子を用いてマイクロアレイを作製し、遺伝子発現解析を行った。その結果、両植物間で機能が類似する遺伝子の存在が示唆され、技術移管に向けた重要なデータが得られた。