- 著者
-
萩原 信太郎
中川 雅之
上島 賢哉
桑原 沙代子
林 摩耶
安部 洋一郎
- 出版者
- 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
- 雑誌
- 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.4, pp.43-48, 2021-04-25 (Released:2021-04-25)
- 参考文献数
- 21
【目的】慢性痛では副作用をできるだけ少なくしながら痛みの管理を行うことが重要である.今回,プレガバリン(pregabalin:PGB)が効果不十分な症例に対してミロガバリン(mirogabalin:MGB)へ変更し,添付文書の用法・用量よりも少量から開始して副作用について調査した.【方法】神経障害性疼痛の要素を含む慢性痛患者に対して,PGBの一日投与量を150 mg以下に減量後,MGBへ切り替えた.MGBは添付文書の用法・用量よりも少量から開始・漸増し,2,4,8,12,24週間後に副作用を質問票で,痛みを数値評価スケールで調査した.MGB以外の内服薬は固定量で継続投与し,神経ブロック治療は同内容を継続した.【結果】対象は257名,副作用によりMGBの投与を中止となった症例は87例(33.9%),おもな中止理由は傾眠,浮動性めまいであり,MGB承認時臨床試験の副作用発現率およびおもな副作用と同様であった.副作用中止例のうち74例はMGB投与開始から12週間後までの増量期間中に出現していた.痛みを理由にPGBへ再変更した症例はなく,PGBの減量および中止による退薬症状を認めなかった.【結論】PGBからMGBへ変更する際,添付文書の用法・用量より低用量から開始・漸増しても,副作用は添付文書と同等に出現する可能性がある.MGBはより低用量から開始・漸増する方が安全と考えられる.