著者
中山 和弘 朝倉 隆司 宗像 恒次 園田 恭一
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.50-61, 1990 (Released:2020-03-31)
参考文献数
23
被引用文献数
2

The analyses presented here examine relationships between the use of alternative medicine and health practices as an attitude to health. The sample is individuals aged 20 and older living in Tokyo. Multivariate analyses show that there are two attitudes to the use of alternative medicine and health practices. One is the choice of both alternative medicine and health practice except time of sleep and living a regular life, the other is the choice of either traditional medicine or health practices. Though they don’t almost related with age, education and health status, they associate with sex, the saliency of health, and the consciousness of relationship between body and mind which is a major concept of holistic health.
著者
山本 美奈子 宗像 恒次
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.10, 2012 (Released:2012-03-05)
参考文献数
42
被引用文献数
5

労働者のメンタルヘルスと行動特性の影響―共分散構造分析による因果モデルの検証―:山本美奈子ほか.筑波大学大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻―目的:労働者のメンタルヘルスの諸要因を明らかにし,また行動特性とメンタルヘルスとの因果関係を検証した.対象と方法:民間企業と地方自治体の労働組合に加入する労働者1,425名を対象に無記名自記式質問紙調査にて分析した.結果:労働者の行動特性とメンタルヘルス不調の関連を共分散構造分析により調べた.その結果,自己抑制型,対人依存型などの行動特性で示される他者報酬型自己イメージ変数は,直接メンタルヘルス不調に影響していることが示された.情緒的支援認知は,行動特性である他者報酬型自己イメージ変数とストレス源認知に直接影響し,メンタルヘルス不調に間接的に影響していることが示された.さらに,多母集団同時分析の結果,集団による違いは認められず,因果モデルは同じ構造を持っていることを確認した.考察:他者報酬型自己イメージは,メンタルヘルス不調に直接影響し,その影響力は最も大きかった.そのため,メンタルヘルス不調を予防するには,自己報酬型自己イメージにシフトしていくことが重要であると示唆された.さらに,職場の情緒的支援認知を高め,自己表現力や自己価値感を高める取り組みは,自己報酬型自己イメージ変容を促し,メンタルヘルス不調を予防する可能性が期待できると示唆された.
著者
山口 豊 中村 結美花 窪田 辰政 橋本 佐由理 松本 俊彦 宗像 恒次
出版者
東京情報大学
雑誌
東京情報大学研究論集 (ISSN:13432001)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.13-20, 2014-03-01

近年、教育界において自傷行為が数多く報告されている。自傷行為については、わからないことが多く、予防支援のためには、心理的要因を検討することが望まれる。そこで、本研究では、自傷行為と心理特性との関連を予備的に検討する。関東地方A高校2年生1クラスの39名に対し、2010年11月に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は(1)属性(性別)(2)学校について(学校満足度)・家庭について(居心地・愛着)(3)故意に健康を害する行為(経験・念慮)の有無(4)自傷行為(経験・念慮)の有無( 5)心理的要因に関する尺度(5項目)であった。結果は、次のとおりである。(1)喫煙(経験1人・念慮3人)、飲酒(経験18人・念慮3人)、ダイエット(経験4人・念慮6人)、過食嘔吐(経験8人・念慮3人)、過量服薬(経験0人・念慮2人)であった。(2)自傷行為有(経験4人・念慮3人)、無32人であった。(3)特性不安、抑うつ、自己否定感の各尺度値が基準値を超え、特性不安尺度、抑うつ尺度、自己否定感尺度間に強い正の相関がみられた。(4)自傷行為(経験・念慮)と心理特性尺度との相関については「抑うつ」「自己否定感」において有意、「特性不安」において有意傾向であった。(5)自傷行為(経験・念慮)有無2群における心理特性については、有群が無群に比して「抑うつ」「自己否定感」において有意に、「特性不安」において有意傾向で課題が見られた。これらのことから、次のことが考えられる。心理的課題を抱える生徒は複数の心理的問題を同時に抱え、学校生活の大変さがうかがわれた。健康を害する行為や自傷行為の一定数は、そのことに関連している可能性が推察される。特に、自傷行為(経験・念慮)については、統計学的に心理的課題との関連が推測され、対象者の一部が、自傷行為という行為を通して、心理的課題に独自に対応しているのではないかと考えられる。自傷行為予防支援に向けての本格的調査が必要である。
著者
宗像 恒次
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
no.29, pp.57-63, 2001

患者さん自らの価値観や人生の目的に照らし、本人自身で適切な治療法を選択するよう支援するには健康相談法とは異なるヘルスカウンセリング法が必要となる。患者さんが本当は何をしたいのかに気づき自己決定するには、ミラーリング効果と共感効果をもてる面接法によって、本人の隠れた本当の気持ちや要求に気づけるよう支援することである。また本人が必要とするセルフケア行動を促すには、その行動を妨げる無力感や見放される怖さや罰意識さなど過去のトラウマ感情をもつイメージの存在を気づかせ、そして変容させ、本人の自信の回復するイメージに変換することである。構造化連想法を用いた本ヘルスカウンセリング法はそれらを構造化された方法で簡便にクイックに実現しうるだろう。
著者
宗像 恒次
出版者
日本精神衛生学会
雑誌
こころの健康 (ISSN:09126945)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.48-57, 1994-06-10 (Released:2011-03-02)
参考文献数
9
著者
宗像 恒次 橋本 佐由理 橋本 佐由理
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

がん生存者の効果的なストレスマネジメントのために、Webを用いた電子学習プログラムを開発することを目的とした。研究1で、DVDを用いた電子学習プログラムを開発し、実施前、後、1週間後において、ストレス対処力が有意に高まり、ストレス蓄積性の高い行動特性や抑うつが低下し、免疫力の向上が見られた。研究2では、筑波大学にサーバーを置き、Webで無料配信するeプログラムを構築し、効果を分析した結果、ストレス蓄積性の高い行動特性が有意な低下を示した。がん生存者が自らの感情を過度に抑えず、素直に自分を表現し、必要時に周りに救援を求められる行動特性への変容が考えられ、DVDと同じようなストレスマネジメント効果が確認できた。
著者
宗像恒次
雑誌
精神衛生研究
巻号頁・発行日
vol.32, pp.49-68, 1986
被引用文献数
5
著者
宗像 恒次
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.37-46, 2002-01-01
被引用文献数
1

長期に引きこもる青少年の家族関係には, 親を必要とすることで認められようと依存する本人と, 本人に必要とされていることで認められようと共依存する両親の相互補足的構造がある.親子ともども, 無条件に愛されなかった申告なトラウマが世代間伝達されており, 愛情飢餓感が強く顕在あるいは潜在化したストレス行動特性の強さで測定できる.SATイメージ療法は再誕生, 再養育イメージの変換法によって, 両親が本人に無条件の愛情を示せるパーソナリティに変容できるよう支援しつつ, 本人にも同じ支援をとるものである.SATイメージ療法の効果は, 大脳皮質の酸素濃度, 行動特性, IgA, 副腎皮質ホルモンなどの変化, 行動変容の記録を用いて評価することができる.