著者
宮崎 均 ZRELLI Houda ZRELLI Houda
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

世界的に慢性腎不全症患者は増加の一途をたどっており、我が国の患者数も1300万人に及ぶ。腎機能低下で血中濃度が上昇する尿毒症物質インドキシル硫酸(IS)が、腎機能の増悪化のみならず、動脈硬化など種々の合併症を誘導することが明らかになってきた。また、ISが細胞内で活性酸素種(ROS)を産生することでこれら作用を発揮することも分かりつつある。本研究は、食成分から慢性腎不全の改善及び血管障害の改善を目指す研究である。具体的には、ローズマリーの抗酸化化合物カルノシン酸(CA)を用い、本年度は動脈硬化の初期段階に関わる血管内皮細胞及び慢性腎不全に密接の関わる腎尿細管上皮細胞HK-2に対するISの悪影響の予防・改善効果を実証することを目的とした。平成26年度は、まず培養血管内皮細胞を用い以下の結果を得た。① ISは細胞内のROS産生及び転写因子NFκBの活性化を介して細胞接着因子であるICAM-1、VCAM-1、E-selectin、さらには単球走化性因子MCP-1の発現を増加させ、これをCAがROS産生やNFκB活性化を抑えることで負に制御すること、② ISが細胞へ作用後、ROS産生のみならず、ROS産生酵素であるNOX4の発現、ISの作用を仲介するダイオキシン受容体AhRの発現をも増加させること、を示し、ISの慢性的な暴露が動脈硬化の発症・進展を促進するさらなる証拠を得た。HK-2細胞についても以下の結果を得た。① ISによりAhRの核移行やROS産生が生じ、それをCA、AhR拮抗薬、ISを細胞内に輸送するOATトランスポーター阻害剤が抑制すること、② ISによるNOX4発現増加もCAやトランスポーター阻害剤で抑えられること、を明らかにした。これらの結果は、CAがISによる慢性腎不全の進展や合併症である動脈硬化の進展に対し、抑制的な効果を持ちうることを示唆するものである。
著者
清水 英寿 萩尾 真人 吹谷 智 岡野 邦宏 宮崎 均 石塚 敏
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、腸内細菌代謝産物であるスカトールが、ラット個体、培養腸管細胞、培養肝ガン細胞、それぞれに与える影響について解析を行った。結果としてスカトールは、ラット個体においては、胆汁酸代謝の撹乱を誘発させ、肝臓や回腸での遺伝子発現、そして腸内細菌叢を変動させる事が明らかとなった。また、腸管細胞を用いた解析では、スカトールがAhRを介して細胞死を導く事が確認された。さらに培養肝ガン細胞では、スカトールはERKの活性化を介して細胞増殖を導く事が示唆された。以上の本研究結果から、腸内におけるスカトールの産生は、消化管機能の異常を誘発させ、さらに消化管疾患の発症・進展へも関与する可能性が示された。
著者
山田 桐子 宮崎 均
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.626, pp.819-826, 2008-04-30 (Released:2008-08-20)
参考文献数
61
被引用文献数
4 1

Trend of regional characteristics was revealed by classification based on landform, natural water system resource and formative process of hot spring area. Classification of “ravine” and “hilly land” experienced small-scale development by mostly hot spring cure, medical treatment and health-seeking and leave old streetscape. Classification of “valley-between mountains-flat”, “hilly land-flat” and “flat” experienced major-scale development by mostly merriment and pleasures. Therefore scale of present hot spring area is determined by landform, natural water system resource and formative process of hot spring area.
著者
礒田 博子 安部 征雄 東 照雄 中村 徹 藤村 達人 永木 正和 宮崎 均 中村 幸治 繁森 英幸
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

北アフリカ乾燥地域を対象に生物資源・遺伝子資源関連情報収集・機能解析、生態環境調査を行なった。その結果、百数種類のアロマ植物、7種類のオリーブオイルおよびオリーブ葉抽出物の抗ガン、抗アレルギー、神経保護、美白、育毛活性を発見した。研究成果関連学術論文発表35編、国外・国内特許出願6件、国際・国内学会発表25件、シンポジウム開催1回、現地調査13回、データベース構築・公開などの活動を行った。