著者
宮本 大人
出版者
日本出版学会
雑誌
出版研究 (ISSN:03853659)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.47-69, 2019 (Released:2020-10-30)

本稿の目的は,昭和戦前・戦中期における子供漫画の出版状況を,各種資料に基づいて明らかにすることである.主要な児童雑誌に掲載された漫画は,昭和10年代前半には総頁数の約10%を占めるようになっていた.子供漫画の単行本は,昭和10年代前半には発行点数で年間500点以上,発行部数で350万部以上が出ていたと推定される.こうした数量は,戦後の子供漫画出版の基盤がすでにこの時期形成されていたことを示している.
著者
加沢 知毅 宮本 大輔 後藤 晃彦 朴 希原 福田 哲也 神崎 亮平
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.89-102, 2015-09-05 (Released:2015-10-30)
参考文献数
49
被引用文献数
2

現在の超並列スパコンの発展は,昆虫脳程度の神経回路ならほぼリアルタイムの詳細シミュレーションが可能な計算力を提供しつつある.ここでは,並列化によって提供される膨大な計算力を昆虫脳シミュレーションに適用するために我々が開発してきた技術的進展とその応用,すなわち NEURON シミュレータの並列・最適化を中心に,それを使用した単一ニューロンのパラメータ推定,ボトムアップで再構成する触角葉神経回路シミュレーションやトップダウンで設計する画像認識の機能をもたせる神経回路構築などを紹介する.
著者
宮本 大人
出版者
美術史學會
雑誌
美術史 (ISSN:0021907X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.319-334, 2003-03
著者
宮本 大輔
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.33, 2016 (Released:2016-10-17)

近年、コンピュータシステムではなくコンピュータを利用するエンドユーザを対象としたサイバー脅威が報告されている。とりわけ、金融機関などに似せて作られたウェブサイトを用いてユーザを騙すなどの攻撃の被害は増加している。従来、サイバーセキュリティ分野ではユーザが偽サイトを見分けるためのサポートが研究課題であり、教材の開発やインタフェースの改善、検知して知らせるソフトウェアといった対策が行われている。ここで、サイバー脅威に対するエンドユーザの思考を、コンピュータシステムがエンドユーザから観測される情報から推測できると考える。我々は被験者を集めて実験を行い、ウェブサイトの真贋判定を行う際の眼球運動から被験者がどのような意思決定を行うかを予想する研究を行った。この先行研究を紹介するとともに、認知心理学の知見をサイバーセキュリティ分野に応用できるかを議論する。
著者
鈴木 康夫 徐 桂雲 WEBSTER Robe ITZSTEIN Mar WARD Peter A XU Guiyun VON ITZSTEIN Mark WEBSTER Rob 宮本 大誠
出版者
静岡県立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

近代病理学の基礎を築いたウィルヒョウ(Virchow)は、すべての病気は細胞の異常に起因する、という「細胞病理学」を確立した。細胞が生命を維持し、複製していくためには、核酸とタンパク質は必須であることは言うまでもない。本研究では、遺伝子の支配を直接受けない第3の生命鎖である糖鎖に焦点を当て、その機能を病気との関連において分子レベルで明らかにすることを目標とし、「糖鎖病理学」ともいえる領域に踏み込む研究を行うことを心がけた。この背景として、著者は、細胞表面の糖脂質、糖タンパク質糖鎖の構造と機能に関する研究を続けてきた.この過程で多細胞生物を構築する細胞はさまざまな接着の形を通して生物個体全体のシステムを維持しており、この乱れが疾患として認識されること、細胞の接着の多くが糖鎖を介して行われることを明らかにして来た.すなわち、糖鎖を介する細胞-細胞間、細胞-バクテリア間、細胞-ウイルス間の接着および認識が病態と深く関わることに注目していた。本研究では、初年度は、主に脈管系の糖鎖を介する接着分子(セレクチン群)の病態への関わりを中心とした研究を行い、次年度はこれに加えて、ウイルス(特にインフルエンザウイルス)の感染における糖鎖認識接着分子の分子生物学的研究を加えた。脈管系細胞には、サイトカインなどの刺激により発現される新しい糖鎖認識レセプタータンパク質群(セレクチンファミリー;E-セレクチン、L-セレクチン、P-セレクチン)があり、これらは、リンパ球のホ-ミング、好中球やリンパ球の血管内皮細胞への接着と炎症組織への遊走、血小板同士の凝集や、原発癌細胞の転移、浸潤などに深く関わることが我々の研究を含め明らかにされつつある.我々は、本研究において、L-セレクチンやP-セレクチンの新しい糖鎖性リガンドとして硫酸化糖鎖を見出し、さらに、腎炎や肺炎の発症や癌細胞の転移には標的細胞膜の硫酸化糖鎖へのL-およびP-セレクチンを介したリンパ球や血小板の接着が深く関わることを明らかにした。セレクチンファミリーは新しいレクチン様接着分子であり、白血球のローリングによる血管内皮細胞への接着開始において免疫学上極めて重要な役割を担うと同時に、続いて起こるスーパーオキシドやプロテアーゼ産生による組織細胞の損傷などさまざまな病態発現とも深く関わるタンパク質である。本研究では、硫酸化糖脂質であるスルファチドが、L-およびP-セレクチンと特異的に結合する糖鎖リガンドであること、L-およびP-セレクチン依存性の肺炎、腎炎さらに肝炎などを強力に阻止できることなどを見出した。また、スルファチドは、Bリンパ球上に存在しTリンパ球には存在しないこと、Bリンパ球の分化、増殖および抗体産生に深く関わることなど、免疫学上重要な現象を明らかにすることができた。さらに、スルファチドは、TNF-αの産生を抑制し、エンドトキシンショックの予防に極めて有効であることを見出すことができた。一方、インフルエンザウイルスはウイルス膜に宿主細胞表面の糖鎖性受容体への結合に必須なヘマグルチニン、および受容体を破壊する酵素(ノイラミニダーゼ)を有している。インフルエンザA型ウイルスは、ヒトのみならずブタ、トリ、ウマなど多くの動物にも感染し、世界的大流行を起こす。この原因は、ウイルスヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼの変異に起因する。本研究においては、ヒトおよび動物インフルエンザウイルスが認識する糖鎖性受容体の構造を明らかにし、次いで、どのようにして宿主の壁を超えるのかという宿主変異機構の一端を分子生物学的に解明できた。すなわち、インフルエンザウイルスヘマグルチニンの変異は、主として抗体による圧力の他に、受容体認識特異性、すなわちシアル酸分子種[N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)]認識特異性とシアル酸の結合様式(Neu5Aα2-3Galβ1-,Neu5Acα2-6Galβ1-)に対する認識特異性によるウイルスの選択が重要な因子であることを見出した。さらに、このシアル酸結合様式の認識特異性の発現にはLeu226のアミノ酸が極めて重要な役割をしていることも解った。以上の成果は、研究分担者である、Peter A.Ward教授(ミシガン大学・医学部・病理)、Robert G.Webster博士(St.Jude Children's Res.Hospial,Memphis・ウイルス学、分子生物学部門)、Mark von Itzstein教授(Monash University,Victorian College of Pharmacy)、徐 桂雲博士(中国科学院、化学研究所)との共同研究により成された。心より謝意を表するものである。
著者
宮本 大
出版者
流通経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

近年の日本企業の成果主義的な賃金分配システムの変容において、企業の経営組織・経営戦略のあり方は人材管理の面にまで整合的に影響を及ぼし、全体的な経営管理システムは一貫してスピード(短期性)・効率性重視という方針の下で調整が進められてきた。しかし、その結果、人材育成という個別システムが軽視され、それが従業員および企業パフォーマンスに悪影響を及ぼしていることが明らかとなった。このことは全体的な管理システムの一貫性とは別に能力開発のような個別システムの重要性を示唆している。
著者
宮本 大資 梶原 逸朗 細矢 直基 西留 千晶
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.77, no.777, pp.1760-1771, 2011 (Released:2011-05-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

This paper proposes a vibration testing and health monitoring system based on an impulse response excited by a laser ablation. High power YAG pulse laser is used in this system for producing an ideal impulse force on structural surface. It is possible to measure high frequency vibration responses in this system. A health monitoring system is constructed by this vibration testing system and a damage detecting algorithm. A microscopic damage of structures can be extracted by detecting fluctuations of high frequency vibration response with the present health monitoring system. In this study, loosening of bolt tightening torques is defined as the damage of the system. The damage is detected and identified by statistical evaluations of measured frequency response data with Recognition-Taguchi method.
著者
宮本 大輔
出版者
奈良県農業技術センター
雑誌
奈良県農業技術センター研究報告 (ISSN:13456393)
巻号頁・発行日
no.37, pp.47-52, 2006-03

台湾では台湾龍井茶、台湾碧螺春茶、紅茶、包種茶、ウーロン茶、中国では、龍井茶、径山茶、安渓鉄観音茶、武夷ウーロン茶、ジャスミン茶について、その生産、製造および選別方法などについて視察した。ウーロン茶については特に複雑で高度な製茶方法であったが、龍井茶等の釜炒り製緑茶については比較的簡易であった。日本向けの蒸し製緑茶生産状況は、品種や栽培技術の程度から考えて、当分は下級品の生産が中心と思われたが、その潜在的な供給能力は非常に高いと思われた。
著者
宮本 大資 梶原 逸朗 細矢 直基
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.77, no.784, pp.4402-4412, 2011 (Released:2011-12-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

This paper proposes a contactless vibration testing system for rotating disks based on an impulse response excited by a laser ablation. High power YAG pulse laser is used in this system for producing an ideal impulse force on structural surface without contact. The contactless vibration testing system is composed of a YAG laser, laser Doppler vibrometer and spectrum analyzer. This system makes it possible to measure vibration characteristics of structures under operation, such as vibration measurement of a rotating disk. The effectiveness of this system is confirmed by experimental and theoretical analyses. In this paper, a platter of hard disk drive is employed as an experimental object. Vibration characteristics of a rotating and non-rotating platter are measured and compared with the results of theoretical analysis.