著者
清水 信義 寺本 滋 人見 滋樹 伊藤 元彦 和田 洋巳 渡辺 洋宇 岩 喬 山田 哲司 山本 恵一 龍村 俊樹 山口 敏之 岡田 慶夫 森 渥視 加藤 弘文 安田 雄司 三上 理一郎 成田 亘啓 堅田 均 鴻池 義純 福岡 和也 草川 實 並河 尚二 木村 誠 井上 権治 門田 康正 露口 勝 宇山 正 木村 秀 香川 輝正 斉藤 幸人 武内 敦郎 森本 英夫 垣内 成泰 横山 和敏 副島 林造 矢木 晋 西本 幸男 山木戸 道郎 上綱 昭光 長谷川 健司 山田 公彌 岡本 好史 中山 健吾 山内 正信 佐々木 哲也 毛利 平 江里 健輔 宮本 正樹 森田 耕一郎 平山 雄 中川 準平 吉松 博 村上 勝 永田 真人 溝口 義人 大田 満夫 原 信之 掛川 暉夫 枝国 信三 足達 明 富田 正雄 綾部 公懿 川原 克信 西 満正 島津 久明 三谷 惟章 馬場 国昭 岡田 浪速 内藤 泰顯 櫻井 武雄 岡田 一男 西村 治 前部屋 進自 前田 昌純 南城 悟
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.1011-1019, 1991-12-20
被引用文献数
1

西日本地区30施設の共同研究により,肺癌の治癒切除例に対する補助化学療法の有用性を検討した.このtrialが終了した後5年の観察期間が経過したのでその成績を報告する.対象は絶対的治癒切除,相対的治癒切除となった肺腺癌であり,A群はMMC(20+10mg)+tegafur600mg1年間経口投与,B群はMMC(20+10mg)+UFT400-600mg1年間経口投与とした.1982年11月から1985年11月までにA群113例,B群111例の計224例が集積された.不適格例が43例であり,A群88例,B群93例を解析対象とした.背景因子には差は認めなかった.成績は5年生存率および5年健存率で検討した.両群の全症例の5年生存率はA群64.3%,B群55.6%で有意差は認めず,健存率でも差はなかった.後層別解析で,N2症例において5年生存率および5年健存率とも,B群が良好であった(p=0.029,p=0.048).
著者
池田 裕明 西村 孝司 近藤 哲 宮本 正樹
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

【ヒト検体を用いた研究】食道癌患者の癌細胞HLA class I発現は癌組織CD8^+T細胞浸潤と相関し、癌組織CD8^+T細胞浸潤は良好な患者予後と相関することを見出した。即ち、CD8^+T細胞が食道癌の免疫監視に重要であり、HLA class I発現低下は食道癌の免疫監視回避機序の一つであると考えられた(論文投稿中)。157例の肺癌において、CD4^+、CD8^+両T細胞が浸潤する症例は良好な予後を示した。(Int J Oncol,2006)。CEAに対する抗体とT細胞レセプターのキメラ分子遺伝子を導入したT細胞を作成し、自家大腸癌に対する有効な抗腫瘍効果を示した(Cancer Sci,2006)。癌精巣抗原NY-ESO-1のCD4T細胞認識エピトープとして多種類のMHC class II分子に提示されるプロミスカスなペプチドを同定した(Cancer Sci.,2007)。骨肉腫腫瘍抗原としてCLUAP1を同定した(lnt J Oncol,2007)。【マウスモデルを用いた研究】抗原提示細胞とI型ヘルパーT細胞の相互作用の抗腫瘍効果における重要性(Cancer Res,2006)、トル様レセプターリガンドCpGを用いた腫瘍ワクチンにおけるI型インターフェロンの重要性(Int Immunol,2006)を見出した。腫瘍進展と共に腫瘍内制御性T細胞(Treg)が増加し、同時に腫瘍特異的T細胞移入療法の効果が低下した。T細胞共活性化分子GITRを刺激することにより腫瘍内Tregが減少し、T細胞療法が増強した(基盤的癌免疫研究会2007東京、CRI symposium 2007NY、日本癌学会2007横浜、日本免疫学会2007東京)。GITRを始めとする共活性化分子を刺激する方法が腫瘍の免疫監視エスケープ機序を克服する有望な技術となることが示唆された。