著者
中村 隆之 横見瀬 裕保 磯和 理貴 平田 敏樹 福瀬 達郎 水野 浩 乾 健二 池 修 和田 洋巳 人見 滋樹
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.10, no.7, pp.817-821, 1996-11-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

症例1は45歳,女性,症例2は50歳,男性,いずれの症例も検診で肺野に孤立性銭形陰影を発見された来院した.その他の諸検査で異常を認めなかったが,肺癌を否定できないため肺部分切除を行った.病現組織で壊死を伴う肉芽腫様組織中に犬糸状虫の虫体を認め肺犬糸状虫症と診断した.肺犬糸状虫症の報告は近年増加しているが,特異的所見に乏しく非観血的診断が困難である.銭形陰影を呈する肺病変,特に肺癌との鑑別診断に肺犬糸状虫症を考慮する必要がある.
著者
高橋 剛士 福瀬 達郎 倉橋 康典 木場 崇之 高橋 鮎子 福田 正順 妻鹿 成治 板東 徹 田中 文啓 平田 敏樹 越久 仁敬 長谷川 誠紀 寺田 泰二 池 修 和田 洋巳 人見 滋樹
出版者
The Japanese Association for Chest Surgery
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.685-689, 1999-07-15 (Released:2009-11-11)
参考文献数
11

上肢に症状を呈したBuer墓er病に対して胸腔鏡下交感神経切除術が奏功した一例を経験したので報告する.症例は46歳, 男性.一日約40本, 25年の喫煙歴があった.約半年前から両上肢の指末梢側を中心として痺れ, 冷感が出現し始めた.Buerger病との診断にて星状神経節ブロック術を受けたが症状の改善は一時的で, 疼痛も増悪してきたため両側胸部交感神経節切除術を施行した。術直後より癖痛, 痺れ, 冷感の著しい改善を認め, 術後6週間を経た時点では痺れ, 冷感は全く認められず, 術前潰瘍化していた指の完全治癒を認めた.サーモグラフィーにても上肢末梢皮膚温の著明な上昇を認めた.レーザードップラー血流計を用いて指末梢側の組織間血流を計測したところ, 症状の改善とよく一致して血流の増加を認めた.このことからBuerger病における術前術後の組織間循環の評価に際してレーザードップラー血流計が有用であると考えられた.
著者
池 修 人見 滋樹 田村 康一 和田 洋巳 渡部 智 清水 慶彦
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科 (ISSN:09174141)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.72-79, 1989

胸腔ドレナージが有効かどうかはドレーンの位置のみならず内腔の開存性にも依存しているが, 通常使用されている塩化ビニル (PVC) 製ドレーンの抗血栓性は良好とは言えない.一方, シリコーンは優れた抗血栓性を有するが, 胸腔ドレーンとするには十分な強度を持っていない.そこで, PVCにシリコーンを被覆したドレーン (S-PVC) を用いてその有用性を検討した.<I>in vitro</I>および<I>ex vivo</I>での試料表面への血餅付着率および電顕 (SEM) 観察をおこなったところ共にS-PVCのほうがPVCよりも良好な抗血栓性を示した.次に, 開胸術時にPVCおよびS-PVCドレーンを使用し, その内腔のSEM観察を行ったところPVCの表面には多量の血餅が付着していたが, S-PVCの表面は平滑で血餅はほとんど認められず, 優れた抗血栓性が示された。従って, 術後出血の持続が予想される症例や, 胸腔ドレナージが長期におよぶ症例に対してS-PVCドレーンを用いることは有用であると思われた.
著者
上林 孝豊 柳原 一広 宮原 亮 板東 徹 長谷川 誠紀 乾 健二 和田 洋巳
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.566-569, 2003-07-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
12
被引用文献数
2

目的・対象: 当院で手術を施行し, 病理組織学的に肺カルチノイドと診断された20症例 (定型15例, 非定型5例) の臨床的検討を行った.結果: 定型, 非定型の5年生存率は, それぞれ86.6%, 60%であった.定型の1期症例は術式に関わらず全例, 無再発で生存中である.非定型は全例, 葉切除および肺門縦隔リンパ節郭清が行われていた.1期3症例は, いずれも無再発で生存中であるが, T2N2のIIIA期症例, T4NOのIIIB期症例は, 集学的治療にも関わらずそれぞれ術後10ヵ月後, 61ヵ月後に遠隔転移にて癌死した.定型では観察期間1~250ヵ月間 (平均観察期間72.8ヵ月) において, 5年生存率は86.6%であった.非定型では観察期間10~251ヵ月間 (平均観察期間121, 4ヵ月) において5年生存率は60%であった.まとめ: T2の定型カルチノイドに対する縮小手術の可能が示唆された.またIII期以上の非定型カルチノイドに対しては有効な集学的治療の確立が望まれる.
著者
清水 信義 寺本 滋 人見 滋樹 伊藤 元彦 和田 洋巳 渡辺 洋宇 岩 喬 山田 哲司 山本 恵一 龍村 俊樹 山口 敏之 岡田 慶夫 森 渥視 加藤 弘文 安田 雄司 三上 理一郎 成田 亘啓 堅田 均 鴻池 義純 福岡 和也 草川 實 並河 尚二 木村 誠 井上 権治 門田 康正 露口 勝 宇山 正 木村 秀 香川 輝正 斉藤 幸人 武内 敦郎 森本 英夫 垣内 成泰 横山 和敏 副島 林造 矢木 晋 西本 幸男 山木戸 道郎 上綱 昭光 長谷川 健司 山田 公彌 岡本 好史 中山 健吾 山内 正信 佐々木 哲也 毛利 平 江里 健輔 宮本 正樹 森田 耕一郎 平山 雄 中川 準平 吉松 博 村上 勝 永田 真人 溝口 義人 大田 満夫 原 信之 掛川 暉夫 枝国 信三 足達 明 富田 正雄 綾部 公懿 川原 克信 西 満正 島津 久明 三谷 惟章 馬場 国昭 岡田 浪速 内藤 泰顯 櫻井 武雄 岡田 一男 西村 治 前部屋 進自 前田 昌純 南城 悟
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.1011-1019, 1991-12-20
被引用文献数
1

西日本地区30施設の共同研究により,肺癌の治癒切除例に対する補助化学療法の有用性を検討した.このtrialが終了した後5年の観察期間が経過したのでその成績を報告する.対象は絶対的治癒切除,相対的治癒切除となった肺腺癌であり,A群はMMC(20+10mg)+tegafur600mg1年間経口投与,B群はMMC(20+10mg)+UFT400-600mg1年間経口投与とした.1982年11月から1985年11月までにA群113例,B群111例の計224例が集積された.不適格例が43例であり,A群88例,B群93例を解析対象とした.背景因子には差は認めなかった.成績は5年生存率および5年健存率で検討した.両群の全症例の5年生存率はA群64.3%,B群55.6%で有意差は認めず,健存率でも差はなかった.後層別解析で,N2症例において5年生存率および5年健存率とも,B群が良好であった(p=0.029,p=0.048).
著者
小阪 真二 片倉 浩理 金光 尚樹 水野 浩 和田 洋巳 人見 滋樹
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.44-48, 2000-01-15
被引用文献数
4 2

胸腺嚢踵の壁に胸腺腫を合併した希な症例を経験した.症例は28歳男性で, 健康診断にて胸部異常影を指摘された.胸部レントゲソ写真にて心陰影の左側に重なる腫瘤影を認め, 胸部CTにて前縦隔の嚢腫様陰影とその壁に一部充実性の腫瘤影を認めた.胸骨正中切開にて腫瘤を切除したところ多房性の胸腺嚢腫の壁に胸腺腫を合併していた.胸腺嚢腫に胸腺腫を合併した症例は本邦11例目の報告であった.前胸部の嚢腫で胸腺嚢腫が疑われる場合, 悪性腫瘍の合併, 嚢胞性胸腺腫なども考慮に入れ, 慎重に切除することが大切と考えられた.
著者
福瀬 達郎 有安 哲哉 張 謙益 室恒 太郎 水野 浩 神頭 徹 青木 稔 田村 康一 和田 洋巳 人見 滋樹
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.829-834, 1991-10-20
被引用文献数
4

当科に於ける過去17年間の肺癌総手術症例733例中, 40歳未満の若年者肺癌手術症例は24例(3.3%)であった.最年少は17歳女性で, 30歳未満は全例腺様嚢胞癌であった.性別は, 女性7例(29.2%)で肺癌手術症例全体での女性25.2%に比しやや多い.発見動機は, 検診が9例(37.5%), 有症状例が15例で, 症状の内訳は, 咳嚇が9例と最も多かった.若年者の非喫煙者の率は33.3%と総手術例の17.1%に比し有意に高かった.組織型は腺癌が10例と最も多く, 扁平上皮癌は少なかった.病期はI期11例, II期1例, lIIA期6例, IIIB期5例, IV期1例であり, 進行癌は50.0%で全体の59.6%に比しやや少なかった.手術は絶治12例, 相治6例, 相非2例, 絶非2例, 試験開胸2例であった.手術成績は, 5生率74.1%と良好で, 病期別ではI期列は5生率100%だったが, IIIA期例は5生率0%と悪かった.検診例に進行癌は比較的少なく, 予後良好であった.