著者
酒本 高志 中島 三郎 井上 哲二 沼田 亨祐 宮﨑 信 平山 雄大 寺本 周平
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.558-561, 2015-09-25 (Released:2015-12-03)
参考文献数
13

Microgeodic diseaseの1例を経験した.症例は9歳男児.12月誘因なく右中指の腫脹と疼痛が生じ,持続するため翌年2月当科受診した.初診時,右中指中節部に腫脹,疼痛を認め,X線像で中節骨に複数の小円形骨透亮像,骨皮質辺縁不整像,MRIで中節骨骨髄にびまん性にT1 low,T2 high,STIR highの異常信号域を認めた.Microgeodic diseaseと診断し,経過観察を行ったところ,初診より3ヵ月で理学所見,X線像とも軽快を認めた.本疾患の病因は現在のところ明らかではないが,一般的には一過性の末梢循環障害説が支持されている.教科書的な記載が乏しく,本疾患に関する認識がなければ,凍傷,骨髄炎,骨腫瘍などとの鑑別が困難であり,生検など侵襲的な検査を要することもある.
著者
平山 雄大 中野 哲雄 越智 龍弥 安岡 寛理 田畑 聖吾 中原 潤之輔 酒本 高志 前田 和也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.690-692, 2018-09-25 (Released:2018-11-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1

100歳以上の大腿骨近位部骨折の術後成績を検討した.症例は2001~2017年に手術を施行した100歳以上の大腿骨近位部骨折11患者13例で,年齢は100~103歳,平均100.9歳,性別は男性2名,女性9名,骨折型は大腿骨頚部骨折4例,転子部骨折6例,転子下骨折2例,頚基部骨折1例であった.手術法は全例内固定術を行い,うち頚部骨折1例は偽関節のため再手術(人工骨頭置換術)を施行した.歩行再獲得率は63.6%(7/11例)で,周術期の合併症は術前肺炎1例,術後肺炎1例,術後肺炎+心不全1例であったが,全例が改善して自宅退院・施設入所・転院となった.術前評価にて手術が禁忌となるような既往症がなければ,100歳以上の患者でも積極的に手術を行うべきであると考える.
著者
前田 宜包 樫本 温 平山 雄一 山本 信二 伊藤 誠司 今野 述
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.198-204, 2010-04-15 (Released:2010-06-05)
参考文献数
12

症例は56歳,男性。単独で登山中,富士山8合目(海抜3,100m)で突然昏倒した。居合わせた外国人医師が救助に当たるとともに同行者が8合目救護所に通報した。自動体外式除細動装置(automated external defibrillator; AED)を持って出発し,昏倒から30分後胸骨圧迫を受けている傷病者と接触した。AEDを装着したところ適応があり,除細動を施行した。まもなく呼吸開始,脈を触知した。呼吸循環が安定したところでキャタピラ付搬送車(クローラー)で下山を開始。5合目で救急車とドッキングし,約2時間後山梨赤十字病院に到着した。第1病日に施行した心臓カテーテル検査で前下行枝の完全閉塞,右冠動脈からの側副血行路による灌流を認めた。低体温療法を施行せずに第1病日に意識レベルJCS I-1まで回復し,とくに神経学的後遺症なく4日後に退院となった。富士山吉田口登山道では7合目,8合目に救護所があるが,2007年から全山小屋にAEDを装備し,山小屋従業員に対してBLS講習会を施行している。今回の事例はこれらの取り組みの成果であり,healthcare providerに対するBLS・AED教育の重要性が再確認された。
著者
前田 宜包 樫本 温 平山 雄一 山本 信二 伊藤 誠司 今野 述
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.198-204, 2010

症例は56歳,男性。単独で登山中,富士山8合目(海抜3,100m)で突然昏倒した。居合わせた外国人医師が救助に当たるとともに同行者が8合目救護所に通報した。自動体外式除細動装置(automated external defibrillator; AED)を持って出発し,昏倒から30分後胸骨圧迫を受けている傷病者と接触した。AEDを装着したところ適応があり,除細動を施行した。まもなく呼吸開始,脈を触知した。呼吸循環が安定したところでキャタピラ付搬送車(クローラー)で下山を開始。5合目で救急車とドッキングし,約2時間後山梨赤十字病院に到着した。第1病日に施行した心臓カテーテル検査で前下行枝の完全閉塞,右冠動脈からの側副血行路による灌流を認めた。低体温療法を施行せずに第1病日に意識レベルJCS I-1まで回復し,とくに神経学的後遺症なく4日後に退院となった。富士山吉田口登山道では7合目,8合目に救護所があるが,2007年から全山小屋にAEDを装備し,山小屋従業員に対してBLS講習会を施行している。今回の事例はこれらの取り組みの成果であり,healthcare providerに対するBLS・AED教育の重要性が再確認された。
著者
前田 和也 田畑 聖吾 越智 龍弥 安岡 寛理 中原 潤之輔 平山 雄大 酒本 高志 中野 哲雄
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.516-518, 2018-09-25 (Released:2018-11-12)
参考文献数
4

【はじめに】夜間の下肢こむら返りは睡眠障害を生じる.腰部脊柱管狭窄症は70.8%に下肢こむら返りがみられ術後も47.6%に下肢こむら返りが遺残しADL低下が残存するとされている.ラメルテオン内服は夜間の下肢こむら返りの回数が減少するとの報告がある.【目的】脊椎術後に遺残した下肢こむら返りに対しラメルテオンの有効性を検討した.【対象と方法】2016年6月から2017年7月に脊椎術後に下肢こむら返りが残存し,ラメルテオンを処方した17例を対象とした.男性7例女性10例で平均年齢は71.7歳(46歳~87歳)であった.これらの症例に対し,ラメルテオンの効果を検討した.【結果】17例中12例で下肢こむら返りの回数の減少,睡眠障害の改善を認めた.3例は日中の眠気の出現により内服を中止した.【結論】脊椎術後に遺残した下肢こむら返りに対し,ラメルテオンはこむら返りの回数を減少させ睡眠障害を改善させることが示唆された.
著者
平山 雄三
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.127, no.9, pp.588-590, 2007-09-01 (Released:2007-09-05)
参考文献数
7

本記事に「抄録」はありません。
著者
平山 雄大 木戸 康博
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.139-145, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
39

超高齢社会の栄養学の目標は健康寿命の延伸にあり、積極的に生活の質(QOL)が維持、向上できる栄養学を考える必要がある。健康寿命の延伸の弊害となる介護の要因を調べると、生活習慣病と老年症候群、特に衰弱、骨折・転倒によるものが多く、これらの要因として過剰栄養と低栄養が混在している。健康の保持増進、健康格差の縮小と健康寿命の延伸のために、たんぱく質・アミノ酸の機能性に関する基礎研究の推進、たんぱく質・アミノ酸の実践研究の推進、たんぱく質・アミノ酸に関する有用な情報の発信が必要である。
著者
大森 暢久 岸 篤 岡部 五成 長田 宗憲 浅見 正彦 平山 雄
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.644-648,A40, 1959 (Released:2010-11-19)
参考文献数
6

In order to investigate the actual state of cancer within the jurisdiction of the Kawagoe Helth Centre of the Saitama Prefecture, we have visited all the 110 hospitals and clinics within the jurisdiction, under the cooperation of the Doctors' Ass'n., and the Health Centre. We have not only inquired of the doctors, but have also gone through the protocols of the patients who have come during the investigation period, and we have chosen those who were diagnosed as cancer or malignant ulcer, making our observations according to sex, age, and disease types. We have calculated the death rate by comparing the contraction percentage of cancer, the prevalence rate, and the death certificate ; and have compared it with the figures of various parts of the U.S.A., and the Miyagi, Okayama, and Saitama Prefectures. Furthermore, the monthly survival rate was obtained, and the drawing up of basic data was attempted in order to devise measures of the prevention of cancer.
著者
清水 信義 寺本 滋 人見 滋樹 伊藤 元彦 和田 洋巳 渡辺 洋宇 岩 喬 山田 哲司 山本 恵一 龍村 俊樹 山口 敏之 岡田 慶夫 森 渥視 加藤 弘文 安田 雄司 三上 理一郎 成田 亘啓 堅田 均 鴻池 義純 福岡 和也 草川 實 並河 尚二 木村 誠 井上 権治 門田 康正 露口 勝 宇山 正 木村 秀 香川 輝正 斉藤 幸人 武内 敦郎 森本 英夫 垣内 成泰 横山 和敏 副島 林造 矢木 晋 西本 幸男 山木戸 道郎 上綱 昭光 長谷川 健司 山田 公彌 岡本 好史 中山 健吾 山内 正信 佐々木 哲也 毛利 平 江里 健輔 宮本 正樹 森田 耕一郎 平山 雄 中川 準平 吉松 博 村上 勝 永田 真人 溝口 義人 大田 満夫 原 信之 掛川 暉夫 枝国 信三 足達 明 富田 正雄 綾部 公懿 川原 克信 西 満正 島津 久明 三谷 惟章 馬場 国昭 岡田 浪速 内藤 泰顯 櫻井 武雄 岡田 一男 西村 治 前部屋 進自 前田 昌純 南城 悟
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.1011-1019, 1991-12-20
被引用文献数
1

西日本地区30施設の共同研究により,肺癌の治癒切除例に対する補助化学療法の有用性を検討した.このtrialが終了した後5年の観察期間が経過したのでその成績を報告する.対象は絶対的治癒切除,相対的治癒切除となった肺腺癌であり,A群はMMC(20+10mg)+tegafur600mg1年間経口投与,B群はMMC(20+10mg)+UFT400-600mg1年間経口投与とした.1982年11月から1985年11月までにA群113例,B群111例の計224例が集積された.不適格例が43例であり,A群88例,B群93例を解析対象とした.背景因子には差は認めなかった.成績は5年生存率および5年健存率で検討した.両群の全症例の5年生存率はA群64.3%,B群55.6%で有意差は認めず,健存率でも差はなかった.後層別解析で,N2症例において5年生存率および5年健存率とも,B群が良好であった(p=0.029,p=0.048).