著者
近藤 哲夫 中澤 匡男 加藤 良平
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.276-280, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
14

乳頭癌充実型は充実性構造を呈して増殖する乳頭癌の一亜型で,成人発生の甲状腺癌に比べて小児の甲状腺癌でその頻度が高いことが知られている。特にチェルノブイリ原子力発電事故後に周辺地域で増加した小児甲状腺癌ではこの充実亜型の割合が高いことが報告され,放射線被爆との関連がこれまで論議されてきた。また乳頭癌充実型にはret/PTC3変異が高いことも知られており,遺伝子異常の点からも通常型乳頭癌とは異なる特徴を持っている。福島原子力発電事故よって本邦でも小児甲状腺癌への関心が高まっているが,本稿では乳頭癌充実型/充実濾胞型の病理学的特徴,低分化癌との異同,チェルノブイリ原子力発電事故との関連,本邦における乳頭癌充実型,遺伝子背景について概説する。
著者
松尾 浩 小久保 光治 近藤 哲矢 三鴨 肇
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.827-830, 2003-07-31 (Released:2010-09-24)
参考文献数
10
被引用文献数
2 5

症例は43歳, 男性. 2001年3月22日午後9時頃より腹痛を自覚し, 腹痛が強度となり4時間後に救急車にて当院に緊急入院した. 腹部は軽度膨隆し, 全体に圧痛と筋性防御を認めた. 血液検査にてCRPは陰性であったが, 白血球の上昇を認めた. 腹部CT検査にてfree airと腹水, 骨盤腔にlow density areaを認めた. 肛門よりビニール製のひもが1mほど脱出しており, 出血を軽度認めた. 直腸異物による消化管穿孔の診断のもとに緊急手術を施行した. 開腹すると便汁を混じた腹水を認め, 骨盤腔に直径5.5Cm高さ19cmの哺乳びんを認めた. 腹膜翻転部から10cmの直腸前壁が長軸方向に10cmにわたり穿孔しており, 同部より哺乳びんが腹腔内に露出していた. 手術は同部を縫合閉鎖し, 横行結腸にて双孔式人工肛門を造設した. 経肛門的に異物が入った経過を何度も確認したが, 風呂場で転んだ拍子に哺乳びんが肛門から入ってしまったとのことであった. 術後6ヵ月後に人工肛門を閉鎖し経過良好である.
著者
大石 直輝 近藤 哲夫
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.73-77, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
16

甲状腺乳頭癌は,腫瘍細胞の特徴的な核の形態学的所見によって定義されており,重畳核,すりガラス状核,核溝,核内細胞質封入体といった核所見が乳頭癌を特徴づけている。一方で,乳頭癌は多彩な組織像を呈し,乳頭状構造を主体とする通常型以外にも,特徴的な組織構築,細胞所見,周囲間質の変化を伴った組織亜型が存在する。甲状腺癌取扱い規約第7版ではこれらを特殊型variantとし,1)濾胞型,2)大濾胞型,3)好酸性細胞型,4)びまん性硬化型,5)高細胞型,6)充実型,7)篩型を収載している。近年,それぞれの特殊型に特徴的な臨床像,生物学的態度,遺伝子異常が明らかにされつつあり,これら特殊型を理解しておくことは実臨床上も有益である。本稿では,取扱い規約に記載された乳頭癌特殊型のなかで,代表的な「濾胞型」,「びまん性硬化型」,「高細胞型」,「充実型」,「篩型」の定義,臨床像,病理組織所見,遺伝子異常を概説する。
著者
近藤 哲
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.107, no.7, pp.1096-1101, 2010 (Released:2010-07-05)
参考文献数
22
被引用文献数
1

肝門部胆管癌に対する手術術式は,約30年前黎明期の胆管ボーリング手術,約20年前の肝区域切除・尾状葉切除の導入,約10年前の肝葉切除による標準化,最近の癌手術の原点に戻ったen bloc手術と進化を遂げてきている.それにともない手術成績も向上してきており,胆管癌全体の5年生存率は胆道癌全国登録調査2002年報告では26%であったのが,2009年報告では33%にまで改善されている.国際的にみても日本の専門施設では手術死亡率が5%未満であるのに対し,残念ながら欧米からの報告では5~10%以上の死亡率が依然として続いている.胆道ドレナージ,門脈塞栓術などのきめ細やかな周術期管理の有用性を高いレベルのエビデンスとして発信することがのぞまれる.
著者
加藤 良平 近藤 哲夫 中澤 匡男 大石 直輝
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

20歳以下の若年甲状腺乳頭癌 (P-PTC) 81例と21歳以上の成人甲状腺乳頭癌 (A-PTC) 83例について、臨床病理学的に比較検討するとともに、BRAFV600E突然変異とTERT promoter突然変異を解析した。その結果、P-PTCはA-PTCよりも、腫瘍径が大きく、リンパ節転移率が高いことがわかった。一方、BRAFV600E突然変異率は、P-PTCは37%で、A-PTCの82%よりも低く、TERT promoter突然変異はA-PTCでは13%が陽性を示したが、P-PTCでは全例陰性となった。以上より、若年甲状腺癌はその臨床像とともに遺伝子背景も成人とは異なることが示唆された。
著者
近藤 哲夫
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.76-80, 2017 (Released:2017-07-21)
参考文献数
17

甲状腺腫瘍に境界病変borderline lesionもしくは低悪性度low malignant potentialとされる新たな診断カテゴリーが新WHO分類で採用される。ひとつは乳頭癌様核を有する非浸潤性甲状腺濾胞性腫瘍noninvasive follicular thyroid neoplasm with papillary-like nuclear features(NIFTP),もうひとつは悪性度不明の高分化腫瘍well differentiated tumor of uncertain malignant potential(WDT-UMP)である。今後これらの診断名が甲状腺腫瘍の病理診断で使われるようになるが,現行の甲状腺癌取扱い規約には記載のない診断用語であるため,本邦における取扱いについては外科医と病理医の間で共通の理解と十分な議論が必要である。本稿ではNIFTPとWDT-UMPの概念と定義,臨床像,病理学的所見,細胞診との整合性,遺伝子背景について概説する。
著者
加藤 良平 赤石 純子 杉野 公則 近藤 哲夫 伊藤 公一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.168-174, 2021 (Released:2021-11-27)
参考文献数
15

小児・若年者(20歳以下)を主体に発生する甲状腺癌は,成人以降に発生する通常型甲状腺癌とは異なる組織所見を示すものがあり,それらは臨床経過も特徴的であることが知られている。最も頻度が高いのは通常型の乳頭癌であるが,小児・若年者ではいわゆる“若年型乳頭癌”といえる特徴的組織所見を示す亜型群が発生する。その中には充実亜型,びまん性硬化亜型,篩状・モルレ亜型などが含まれる。乳頭癌以外では,家族性髄様癌や多発性内分泌腫瘍症2型に伴う髄様癌も若年者に多く認められる。一方,小児・若年者では低分化癌や未分化癌は極めて例外的といってよい。若年者甲状腺癌は特徴的な病理組織像と臨床像を示すため,正確な病理診断と治療が肝要である。
著者
近藤 哲男
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.107-115, 2008-05-25 (Released:2008-05-28)
参考文献数
41
被引用文献数
16 16

最近のナノテクノロジーの著しい進歩は,さまざまな材料創製の概念を変えてきた。天然素材においても,その影響は大きい。植物体の骨格を形成しているセルロースや昆虫や甲殻類の外皮の主成分であるキチンなどのいわゆるバイオマス資源は,もともとナノファイバーから高次の構造へと天然ビルドアッププロセスにより,その構造が構築されている。そのような構造ができあがっている天然素材を,有効に用い,しかも自然にやさしいプロセスでナノ機能素材へと変換する試みが21世紀に入って急速に展開してきた。本稿では,最近のセルロースナノファイバーの潮流について,その基礎から展開までの概略を述べる。また最近,著者らも,トップダウン的加工法として,天然セルロース繊維を表面から分子やナノレベルの分子集合体を引き剥がすことにより微細化し,最終的にナノ分散水化させる水中カウンターコリジョン法を開発した。この手法についても併せて紹介する。
著者
大北 喜基 荒木 俊光 近藤 哲 奧川 喜永 藤川 裕之 廣 純一郎 問山 裕二 大井 正貴 内田 恵一 楠 正人
出版者
一般社団法人 日本外科感染症学会
雑誌
日本外科感染症学会雑誌 (ISSN:13495755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.655-659, 2018-12-31 (Released:2019-04-20)
参考文献数
21

近年の炎症性腸疾患に対する内科的治療は,従来から使用されてきたステロイドとともに免疫調節薬,生物学的製剤などの新しい内科的治療が開発され,治療薬の選択は多様化している。内科的治療は進歩したものの,治療抵抗や腸管合併症などの理由で手術を余儀なくされる症例は存在し,手術症例においては内科的治療が周術期管理に影響を与える可能性がある。長期ステロイド投与患者では,急性副腎不全に対する予防としてステロイドカバーが行われるが,従来の侵襲の大きさにかかわらず一律に高用量ステロイドを投与する方法から,近年では侵襲の程度に応じて投与量を決定する方法が推奨されている。炎症性腸疾患に対する手術は,内科的治療による免疫抑制のみならず,低栄養,慢性炎症などが原因で術後合併症,とくに感染性合併症の発生頻度が高いと考えられている。これまで多くの報告で術前ステロイド高用量投与が術後合併症のリスクとなることが示されており,ステロイドの投与量は手術タイミングと術式の選定,周術期管理を行ううえで重要な情報となる。
著者
近藤 哲郎
出版者
関西福祉大学研究会
雑誌
関西福祉大学研究紀要 (ISSN:13449451)
巻号頁・発行日
no.9, pp.119-132, 2006-03

本稿の目的は,フーコーの『狂気の歴史』第一部第二章「大いなる閉じ込め」の複雑に絡み合う議論全体をフーコーの分析手法の観点から解きほぐし,その論理の骨格を明確に示すことにある.すなわち,本稿における方法は,フーコーの活用する歴史資料にもっぱら注意を集中し,『狂気の歴史』第一部第二章で引用されるすべての歴史的事実と言説を,余すところなく,フーコーが意図した仕方で相互に位置づけるというものである.したがって,本稿は分析手法のレペルでの『狂気の歴史』の分析的再構成であり,そこで再現されるフーコーの議論は,その一切が歴史資料の裏づけのないものはないという意昧で,『狂気の歴史』の論理の骨格である.
著者
近藤 哲也 竹内 清夏
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.495-502, 2004-05-31
参考文献数
25
被引用文献数
2 8

ムラサキモメンヅルは「北海道レッドデータブック(2001)」において希少種に位置づけられているが,渡島支庁の渡島大島では,局内の各所に大規模な個体群が確認され,造成によって裸地化した場所にもいち早く定着している。このことは,本種は北海道での希少種であると同時に自生地周辺の植生回復材料としても有望であることを示唆している。本研究では,本種の保護と植生回復材料としての可能性を探るために,種子の発芽条件とその後の生育に間する実験を行った。種子は硬実休眠を有しており,無処理の種子は10%以下の発芽率であった。硬実休眠は凍結・解凍処理によっては打破できなかったが,濃硫酸に20〜90分間浸漬することで播種後6日以内に100%近い発芽率を得ることができた。電子顕微鏡による観察によって,濃硫酸処理は種皮に穴や亀裂を生じさせていることが示された。休眠を打破された種子は10〜30℃の温度で播種後10日以内に90%以上の発芽率を示し,14ヵ月間貯蔵後でも90%以上の発芽率を維持した。野外のセルトレイに5月25日に播種し,発芽した実生を圃場に移植した結果,翌年の10月には10個体のうちの6個体が開花結実した。
著者
近藤 哲理 谷垣 俊守 日比野 真 大江 元樹 加藤 さくら子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.1325-1329, 2014

ドライパウダー吸入器(DPI)の吸気(内部)抵抗値は患者に即したDPI選択に重要な情報である.我々は過去にDPIと吸入指導器具の内部抵抗値を報告したが,今回は新規DPIと指導器具の内部抵抗測定を行った.方法:デバイスから様々な強度で吸引を行い,吸気圧と通過気流速度から抵抗値を求めた.結果:総てのデバイスで気流と圧に放物線関係を認めた.抵抗値はエリプタ^[○!R]8.44±0.45×10^<-2>(mean±SD),ブリーズヘラー^[○!R]5.53±0.13×10^<-2>,新規ディスクヘラー7.27±0.40×10^<-2>,スイングヘラー^[○!R]12.15±0.40×10^<-2>,ディスカス用新トレーナー7.07±0.24×10^<-2>,エリプタ用トレーナー8.72±0.45×10^<-2>√<cmH_2O>/L/minであった.一方,トレーナーの発音閾値はディスカス用38.1±5.1,エリプタ用39.9L/minであった.結論:ディスカスからエリプタへの変更に吸気速度の指導は不要である.ブリーズヘラーは低肺機能患者に適するが,過大な吸気速度の配慮も必要である.トレーナーは,発音開始より強めの吸気努力が適切である.
著者
齋藤 克憲 橋田 秀明 岩代 望 大原 正範 石坂 昌則 近藤 哲 加藤 紘之
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1829-1833, 2004 (Released:2011-06-08)
参考文献数
24

今回我々はIIc型早期胃癌と診断され, 病理組織所見にて直下にアニサキスによる好酸球性肉芽腫を認めた1例を経験したので報告する. 症例は77歳の男性. 20年来の胃潰瘍の診断にてH2-blocker, 消化性潰瘍治療薬を内服していた. 平成14年9月, 定期検診目的の胃内視鏡検査にて胃体下部大彎側にIIc+III型病変を指摘, 組織生検にてgroup Vと診断され, 深達度がsm以上の可能性があるとして外科紹介, 幽門側胃切除術を施行した. 腫瘍は0.8×0.8cmのIIc型乳頭腺癌で深達度sm1, またそのほぼ直下の固有筋層内に好酸球性肉芽腫を認め, この中心部にアニサキス虫体を認めた. 連続切片からアニサキスはIIc部分から刺入したと思われた. アニサキスが癌や潰瘍など粘膜の脆弱部から胃壁内に進入する可能性はすでに指摘されているが, 本症例のごとく慢性化した場合, 虫体が鏡視下に視認出来ないため好酸球肉芽腫を癌の一部と誤認する可能性があり, 診断上注意が必要である.
著者
近藤 哲也 榎本 博之
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.268-276, 1997-11-25
参考文献数
9
被引用文献数
5

福井県地方を中心に, 畦畔の雑草を抑制し, 農村景観の美化を図ることを目的として, 強健で被覆速度が速く, 花の美しい地被植物が導入されている。本研究では, それら地被植物の中でも最も多く導入されているセイヨウジュウニヒトエ(Ajugareptans L.)の被覆速度ならびに雑草抑制効果と除草時間を評価した。1994年10月11日に4, 9, 16, 25本/m^2の植栽密度とポリエチレン製マルチ被覆の有無を組み合わせた実験区を設け, 1996年12月まで, 毎月被覆率・株高・開花数を測定し, 年に3回手取り除草時間と雑草量を測定した。植栽後まもなくは, 植栽密度が高いほど雑草量が多くなり, 除草時間も長くかかった。しかし, その後は植栽密度が高いほど被覆率は早く高まり, 植栽後10か月の被覆率は80%以上となって, 雑草量, 除草時間は, 全ての植栽区で裸地よりも少なくなった。さらに, マルチを併用すると, 雑草量, 除草時間ともは大幅は短縮できた。
著者
近藤 哲哉
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.315-321, 2012-04-01

10年間,線維筋痛症の治療を受けてきたが著明な改善がなく,週に12時間のパートタイム勤務しかできない患者の鍼治療を開始したところ,全身の痛覚過敏のため,ごく軽微な刺激に対しても著明な疼痛顕示行動がみられ,治療が困難であった.治療者と患者の間に,交流分析でいうところの「はい,でも」ゲームが展開していると考えられたため,患者を指圧して圧痛点などを探すという鍼灸治療に特異的な治療構造を生かしたところ,ゲームから脱却でき,併発する全身倦怠感などに対する治療が可能となった.その結果,圧痛が軽減し週に23時間の勤務が可能となった.疼痛顕示行動を呈する慢性疼痛の治療において鍼灸が非常に有効であると考えられたので報告する.
著者
市川 隆一 関戸 衛 竹内 央 小山 泰弘 近藤 哲朗 望月 奈々子 村田 泰宏 吉川 真 市川 勉 加藤 隆二 大西 隆史 藤咲 淳一 高島 和宏 飛翔体VLBIグループ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.254, pp.19-24, 2005-08-19

情報通信研究機構では、宇宙飛翔体の準リアルタイム軌道決定技術の獲得を目指して、相対VLBI実証実験を行っている。火星探査機「のぞみ」や小惑星探査機「はやぶさ」のVLBI実験において、ISAS/JAXAによるR&RR結果に対する群遅延残差は、最大数10ナノ秒にも及ぶものの双方の結果は調和的であった。また、広帯域のレンジ信号送出の時間帯に限定すれば、双方の残差は10ナノ秒程度のばらつきにおさまる。「のぞみ」位相遅延データによる暫定的な解析では、「のぞみ」の赤道座標系推定位置が約40ミリ秒角以下の誤差で決定できた。その他、測地GPSデータにより相対VLBI法での中性大気による伝搬遅延誤差の軽減効果についても評価した。
著者
端 晶彦 弓納持 勉 村田 晋一 近藤 哲夫 奈良 政敏 中澤 久美子 端 圭子 大森 真紀子 加藤 良平 星 和彦
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.126-133, 2006-03-22 (Released:2011-12-05)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

目的:分葉状頸管腺過形成(Lobular endocervical glandular hyperplasia; LEGH)と悪性腺腫(Minimaldeviation adenocarcinoma; MDA)の細胞学的・組織学的検討を行い, 術前細胞診の意義を検討した.方法:LEGH11例, MDA2例の13例の術前細胞診標本および摘出病理標本を用いて細胞学的・組織学的に検討した.結果: 細胞質の黄色調粘液は, LEGHとMDAとの鑑別には有用ではないが, 胃型形質発現の病変を検出するのには有用と考える. LEGHの細胞診では細胞集塊は平面的な出現形態を示し, 核の重積性はなく, 核小体は目立たない. MDAでは細胞集塊は立体感があり, 核の重積性, 核小体の大型化が認められる. 核内空胞(核内細胞質封入体: Intranuclear cytoplasmiac inclusion(INCI))の出現はLEGHに特徴的な所見である可能性がある. LEGHに腺癌を合併する症例では, LEGH特有の細胞に混じって腺癌が示唆される細胞が認められる場合がある.結論:細胞診検査はLEGHとMDAの検出に有用であり, また両者の鑑別にもきわめて重要である.

1 0 0 0 OA IV.呼吸器系

著者
近藤 哲理
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.89, no.12, pp.2435-2441, 2000-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
9

身体所見の診断率は一般的な呼吸器疾患で70%程度はあるが,身体所見は日常的な疾患を迅速かつ簡便に推定する技術と考えるべきである.これまでも多くの診察法の解説があるので,本稿では,頸部リンパ節腫脹での亜急性壊死性リンパ節炎, auscultatory percussionの手法,疾患による水泡音の発生時相の相異, COPDにおける身体所見と肺機能の相関などを紹介した.身体所見は地味であるが,臨床医として不可欠な技術である.
著者
近藤 哲郎
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.47-60, 1994-06-30 (Released:2010-11-19)
参考文献数
56

フーコー最晩年の『快楽の活用』と『自己への配慮』に基づいてフーコーの経験的分析手法を体系的に理解しようとする関心のもとで, 1970年代中葉以降のフーコーの変貌を方法論レベルで検討する。本稿では, 『知への意志』における権力分析の構想から最晩年の二つの著書に至るフーコーの変貌を, 権力モデルの変更, 分析水準の一元化, 〈倫理〉の設定という三つの側面から捉え.最晩年における基本的なパースペクティブを明らかにする。
著者
近藤 哲夫
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的はエピジェネティクス修飾により甲状腺癌細胞にTTF-1 を誘導する有効的な方法の確立、TTF-1 による甲状腺機能分子の再誘導の検証、TTF-1の腫瘍抑制効の解明である。結果として一過性発現、安定発現細胞株ともにTTF-1の強制発現のみによっては甲状腺機能分子の発現や甲状腺ホルモン産生を誘導することはできなかった。一方でTTF-1発現誘導により甲状腺癌細胞の増殖抑制がおこることが確認された。cDNAマイクロアレイによってTTF-1発現誘導により有意に増加する遺伝子群と減少する遺伝子群が確認された。 本研究の成果によりTTF-1には腫瘍抑制的機能が存在することが示唆された。