著者
高橋 誠史 河原塚 有希彦 桑村 宏幸 宮田 一乘
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.123-127, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

ただ歩きながら目にする風景の移り変わりを, 泳ぐという行為で置き換えてみたらどうなるのだろうか.本論文では, そのような身体運動に伴うさまざまな視覚体験を, コンピュータを用いて置換する試みを提案する.両腕に装着された反射板で参照光を反射し,その反射光を天井から吊るされたCCD カメラで観測する.次に, 観測された反射光を画像処理して腕の動きを計算し, その動きの変化にあわせて, 投影されるビデオの再生速度を制御し, 動画の中を泳いでいるような感覚を体験させる.日常的な光景を撮影した映像を泳ぎという動作を通して体験することにより, 無意識のうちに我々の行動に影響を与えている重力や, 身体そのものについて考えるきっかけを与える場を, この作品は提供する.
著者
宮田 一乘 伊藤 貴之
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.74-82, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

CG技術の進歩とネットワーク速度の高速化にともない、地理的に離れた空間をコンピュータとネットワークで構成される仮想空間内で統合する、テレイマージョン(Tele-Immersion)の研究が現実味を帯びてきた。一方で、大量の画像データの中から意味のあるデータを発掘するビジュアルデータマイニングの研究は、バイオサイエンスや気象学などにおける多元解析のツールとして、今後重要度が増すと考えられる。本論文では、これらの技術動向に加えて、テレイマージョンの環境下で、協調しながらビジュアルデータマイニングする手法なども紹介し、コミュニケーションツールとしてのCGのあり方を探る。
著者
垣内 祥史 武井 悟 杜 暁冬 宮田 一乘
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.6, pp.27-30, 2007

本研究では,車両の実走行データを用いて車両を取り巻く環境の‘楽しみ’を提案,実装することを目指す.まず,車両の走行データに基づき3D仮想空間内に車両の走行を可視化する.つづいて,音楽と映像の調和関係に従って,可視化したシミュレーション映像と,その映像に動的に合わせる音楽とを調和させたプロモーション映像の自動生成をする.これにより,ドライバの操作感と車両の挙動との関連性を知る楽しさ,映像の視覚的な楽しさを実現できると考える.本研究で提案するシステムは,カーレースの会場で,車両の挙動をトラッキングし,車両の走行を印象的にした映像を実時間でプロジェクションするショーアップ支援の可能性を有すると考える.
著者
石橋 賢 Luz Toni Da Eynard Remy 北 直樹 姜 南 瀬木 宏 寺田 圭祐 藤田 恭平 宮田 一乘
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2010予稿集
巻号頁・発行日
2010-03-01

スパイダーヒーローは,バーチャル都市空間をスパイダーマンTMのようにクモの糸を使って自由に飛び回ることができるVR アプリケーションである.本VR アプリケーションにおける力覚提示としてクモの糸の張力提示が特に重要となる.力覚を提示する代表的なデバイスとして,SPIDARやPHANTOMなどが挙げられる.先行研究においても,張力を提示する様々なデバイスが提案されているが,構造が複雑または高コストである問題が挙げられる.そこで,筆者らは単純な構造かつ低コストであるバキュームデバイスを用いた張力提示システムを提案する.本稿では,提案する張力提示システムとその張力提示システムを導入したVR アプリケーションについて述べる.
著者
中村 隆之 宮田 一乘
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.24-31, 2018-08-20

地形リズムアクションゲーム「アオモリズム」は,ハードウェアとしては60インチの低解像度リアプロジェクタと23インチの高解像度LCDを重ねた2画面構成の筐体,ソフトウェアとしてはオーソドックスな音楽ゲームをベースとしつつも青森県と北海道の地形が殴り合うアニメーション演出等の特徴があるアーケードゲームである.東京ゲームショウ2013における展示を皮切りにCEDEC2014での展示,および青森県の宿泊施設,同県内の博物館での9カ月の長期展示を行った.本論文では,作品の位置付けとコンセプト,開発および展示の結果を示す.また解像度とサイズの異なる2画面構成により離れて見る客と近づいてプレイするプレイヤに異なる体験を与えられたことを中心に,得られた知見を述べる.
著者
進士 哲雄 高倉 知之 宮田 一乘 木船 園子 加藤 智彦 村山 登
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.27, pp.71-74, 2002-03-18

この映像作品に登場するキャラクタには"人間"はいない。しかし、この作品で描きたいものは人間ドラマである。それを、擬人化されたキャラクタとCGによって一から作り出していくことで描ける世界により、浮き立たせていくことを目指した。
著者
櫻井 快勢 宮田 一乘
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2012-CG-147, no.7, pp.1-6, 2012-06-15

本報告では,綿やウールのような短繊維で構成された凝集体の表現手法を提案する.多くの繊維の凝集体の表現手法は,毛皮など密に集まった繊維を対象としているが,本手法では,埃など比較的疎な集合を対象とする.そのため,集合の外観よりも,繊維の形状が見た目を決定する要素となる.短繊維は捲縮性があり,本手法では,これを制御することでさまざまな短繊維を表現する.端点を連結させた線分で短繊維を構成し,線分の連結部の角度を変えることで,短繊維を捲縮させる.その角度を制限することで捲縮性を設定する.
著者
戎 直哉 宮田 一乘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.27-30, 2013
参考文献数
9

顔を描画する際に,「アタリをとる」と呼ばれる顔の輪郭や鼻の位置などを丸や十字で大まかなに描き,絵のバランスをあらかじめとる手法がある。顔のアングルや表情次第ではアタリをとることでさえ容易でなく,それを練習するための本やサイトが存在する.しかし,本やサイトの情報だけではユーザが求めている絵のアタリの取り方やその表情について不明な場合もあり,かつ,個人では自分が描いた絵が適切なアタリの位置に描けているかどうか判別しがたい.そこでユーザが様々なアングルのモデルのアタリを描き,それに対して適切なアドバイスをするシステムを開発する.提案システムを用いることで,ユーザに正しいアタリの位置を認識させることを目的とする.2週間の試験を行った結果,提案システムを用いたグループの方が用いなかったグループより,想像で様々な顔のアングルをバランス良く描けるようになった.
著者
石橋 賢 深瀧 創 宮田 一乘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.229-236, 2015
被引用文献数
4

Recently, sizzle words have been utilized for various product packages. These words have effective communicative performance to convey deliciousness of food. In particular, onomatopoeias are used for many product packages because they can convey the texture of food sensuously. When using sizzle words, producers may consider consumers' impressions. This study aims to investigate the relations between consumers' impressions and sizzle words through an experiment. The experimental targets were four rice crackers of different hardness because their textures were directly related to consumers' impressions and some packages of rice crackers used a few sizzle words for advertising. The results of this experiment indicated five tendencies: (1) the sizzle words regarding satisfaction, tradition, and typicality, and the onomatopoeias including "<i>zaku</i>" are appropriate for an extremely hard rice cracker; (2) the sizzle words regarding lightness and comfort, and the onomatopoeias including "<i>saku</i>" are appropriate for a non-hard rice cracker; (3) the sizzle words regarding aridity, fineness, and unforgettable taste are appropriate for a slightly hard rice cracker; (4) the onomatopoeias expressing crunchy texture are appropriate for a quite hard rice cracker; (5) rough texture of food brings a sense of satiety. In addition, we performed a factor analysis using the results with 14 onomatopoeias in the experiment. The analysis results showed three factors: brittleness, irritation, and lightness. In future, we expect that these results can be utilized for guiding a choice of an appropriate sizzle word.
著者
宮田 一乘 笠尾 敦司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第18回全国大会(2004)
巻号頁・発行日
pp.53, 2004 (Released:2006-02-11)

現在構築しているNPR表現システムには,モジュールの一部にユーザーが直接関数を書き込み,それを反映させて画像にNPR表現を与えることのできるインターフェイスが盛り込まれている.現在の多くのシステムは,アルゴリズムで動いているにも関わらず,利用者にそのことを意識させることは皆無である.しかし,多くのメディアアーティストが指摘するように、本当にシステムを使いこなして作品を作り上げるためには,基本的なアルゴリズムを理解する必要がある.本論文では,ユーザーがシステムを理解するための手がかりにできるような関数ウインドをシステムに組み込んだ実装例を報告する.
著者
石橋 賢 深瀧 創 宮田 一乘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.229-236, 2015-01-06 (Released:2015-01-06)
参考文献数
13
被引用文献数
4

Recently, sizzle words have been utilized for various product packages. These words have effective communicative performance to convey deliciousness of food. In particular, onomatopoeias are used for many product packages because they can convey the texture of food sensuously. When using sizzle words, producers may consider consumers' impressions. This study aims to investigate the relations between consumers' impressions and sizzle words through an experiment. The experimental targets were four rice crackers of different hardness because their textures were directly related to consumers' impressions and some packages of rice crackers used a few sizzle words for advertising. The results of this experiment indicated five tendencies: (1) the sizzle words regarding satisfaction, tradition, and typicality, and the onomatopoeias including “zaku” are appropriate for an extremely hard rice cracker; (2) the sizzle words regarding lightness and comfort, and the onomatopoeias including “saku” are appropriate for a non-hard rice cracker; (3) the sizzle words regarding aridity, fineness, and unforgettable taste are appropriate for a slightly hard rice cracker; (4) the onomatopoeias expressing crunchy texture are appropriate for a quite hard rice cracker; (5) rough texture of food brings a sense of satiety. In addition, we performed a factor analysis using the results with 14 onomatopoeias in the experiment. The analysis results showed three factors: brittleness, irritation, and lightness. In future, we expect that these results can be utilized for guiding a choice of an appropriate sizzle word.
著者
坂口 寛典 宮田 一乘
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-6, 2013-02-11

本報告では日常の中で女性が身に着けるストッキングの質感を, CG で表現する手法を提案する.ストッキングは伸縮によって構造や質感が変化するという特徴を持ち,女性の表現には欠かせない要素の 1 つであるため,その質感を表現することは重要である.提案手法では,ばね質点モデルを使用することによってストッキングの構造を再現し,足形状へのフィッティングを行った.その情報を用いてレンダリングすることで,ストッキングの構造に基づいた質感の表現が可能となる.This paper proposes a method to represent the features of stockings by means of CG. A stocking has a feature that changes its structure and texture by stretching. Stockings are one of the essential elements for representing women. The proposed method represents the structure of a stocking by using a mass-spring model. The stocking model is deformed to fit to a specified foot model. After the deformation, the method renders an image of stocking from the obtained geometrical structure of a stocking.
著者
石橋 賢 Luz Toni Da Eynard Remy 北 直樹 姜 南 瀬木 宏 寺田 圭介 藤田 恭平 宮田 一乘
出版者
映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.J11-J16, 2012
被引用文献数
1

In our entertainment VR application, the user can move freely through a virtual city by using a web like SpidermanTM. In this application, the user wears a web shooter, which is a device to shoot webs, and takes aim at a target building. Then, when the user swings his/her arm ahead, a web is launched and it sticks to the target building on the screen. After the web sticks to the building, the user's arm is pulled in the direction of the target building by a pulling force feedback system, which gives the feeling of pulling to the user directly and smoothly, as if he/she were attached to an elastic string. Finally, the user moves to the target building. In three exhibitions, we surveyed the effectiveness of the application by questionnaire. We were able to confirm that a lot of users had enjoyed and were satisfied with our VR application.