著者
溝口 勝 山路 永司 小林 和彦 登尾 浩助 荒木 徹也 吉田 貢士 土居 良一 鳥山 和伸 横山 繁樹 富田 晋介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

SRI 農法が東南アジアの国々で爆発的に普及しつつあるが、その方法は国や農家ごとに異なり、適切な栽培管理技術は未だ確立できていないのが現状である。そこで本研究では、日本で気象や土壌・地下水位等の科学的なパラメータを測定するための最新のモニタリング技術を開発しつつ、主としてインドネシア、カンボジア、タイ、ラオスの東南アジア4 カ国にこのモニタリング技術を導入して、農業土木学的視点からSRI 農法の特徴を整理し、SRI栽培の標準的な方法について検討した。加えて、現在懸念されている気候変動に対する適応策として、各国の農家が取り得る最善策を水資源・農地管理に焦点を当てながら考察した。
著者
富田 晋介
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

この研究は、東南アジア大陸山地部を事例に、今後いかに自然資源の利用を行っていけばよいのかという問題に対して、過去数十年間に地域で行われてきた自然資源管理・利用を長期のフィールドワークとリモートセンシングを用いて経年的・定量的に復元し、慣習的な管理・利用の仕組みの形成過程に着目して、取り組んだ。この報告では、1.家族における水田の保有と分与がどのように行われてきたのか、2.水田の分与システムが社会階層の形成にどのように関係してきたか、3.水田の分与システムが耕地面積の拡大にどのように影響してきたかの3点について報告する。調査村では、開拓可能な水田面積の減少による世帯間の経済格差の固定化が、耕地拡大の背景のひとつになった可能性があった。一方で、市場経済が浸透し、商品作物と裏作などの新しい技術が導入され、それまで用いられていなかった乾季の水田や森林が土地として価値をもつようになった。このような土地の資源化は、水田面積による世帯階層の固定化を、土地利用の集約化と耕地の拡大によって緩和したと考えられる。
著者
梅崎 昌裕 河野 泰之 大久保 悟 富田 晋介 蒋 宏偉 西谷 大 中谷 友樹 星川 圭介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

地域研究者が土地利用図を作成するために必要な空間情報科学の最新技術について、その有用性と限界を検討した。具体的には、正規化法による地形補正、オブジェクトベースの分類法による土地被覆分類、数値表層モデルの分析による地理的変数の生成が、小地域を対象にした土地利用図の作成に有用であることが明らかになった。さらに、アジア・オセアニア地域における土地利用・土地被覆の変化にかかわるメカニズムの個別性と普遍性を整理した。