著者
水野 学 小川 進
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.66-78, 2004-09-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
20

本稿では,食品スーパー業界において,競争優位に貢献するノウハウをあえて同業者に公開することによって得られるいくつかのプラスの効果を明らかにした.関西スーパーが獲得した「価格交渉力」「資源吸引」「専用機器開発」という3つの効果は,先行研究が指摘していなかったものである.以上の発見に加えて,本稿では,このノウハウ公開が成立した要因についても示唆した.
著者
小川 進 清原 徹也 阿部 忠行
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.520, pp.135-141, 1995-08-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
25
被引用文献数
3 4 8

街路景観の定量的評価をフラクタルにより試みた. 景観の評価は色彩と形態の2因子で行い, いずれもフラクタル次元を算定した. この結果, 街路景観のフラクタル次元は色彩と形態のいずれも自然景観よりも高く, かつフラクタル性 (相関係数) が低いことが判明した. さらに, CADにより環境調和を考慮した街路景観の修景設計を試みたが, フラクタル性は環境調和を定量的に評価しうる量と考えられる.
著者
山浦 大和 小川 進
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 第20回(2007年度)水文・水資源学会総会・研究発表会
巻号頁・発行日
pp.65, 2007 (Released:2008-04-03)

16-19世紀,南米ボリビアのポトシ(Potosi)銀山(正称セロ・リコ・ポトシ)では,銀の精錬に大量の水銀が使用され,鉱山周辺は深刻な水銀汚染に見舞われた.そこで本研究では,水銀生産量と衛星データの流域解析から水銀汚染地域を特定し,スペイン統治時代のポトシ銀山における水銀汚染のリスク評価を定量的に行った.その結果,汚染地域がボリビア国境とアマゾン川の流域界まで達し,ポトシは文明崩壊の危機に瀕していた可能性が認められた.
著者
小川 進
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.27-39, 2006-03-20 (Released:2022-08-05)
参考文献数
32

本稿は,近年台頭してきているユーザー起動法(User driven method:UD法)が持つ潜在力を引き出す条件につい て考察した.本研究は株式会社良品計画の事例を分析し,UD法を使って開発した製品が高い新規性と販売実績を実現できること,そのためにはいくつかの補完的資源と仕組み上の工夫が必要であることを明らかにした.最後に,UD法の実践においてブランド・コミュニティが重要な役割を演じる可能性があることを指摘した.
著者
水野 学 小川 進
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.35-44, 2011-09-20 (Released:2022-08-27)
参考文献数
22

本稿は,企業間競争を「資源吸引」という視点から議論する.資源吸引とは,当該企業が相手先の限りある経営資源を,どれだけ優先的に自社に配分してもらえているかを表す言葉である.本研究ではコンビニエンス・ストアのセブン-イレブンの事例を通じて,この資源吸引がビジネス・パートナーとの長期的な協調関係から生み出されることを明らかにする.また理論的な課題をビジネス・エコシステムとの比較を通じて議論する.
著者
小川 進 水野 学
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.52-63, 2004-06-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
16

本稿では,これまでコンビニエンス・ストアの成功要因として信じられてきたものの実際の効果について検証した.「トップと店舗指導員が行う直接対話の頻度」や「ドミナント出店」といったこれまでコンビニの成功要因として語られてきた活動は実際には店舗業績(店舗平均日販)と関係がなかった.以上の発見に加えて,本稿では,大手チェーンが規模優位を発揮して,高日販を実現している可能性を示唆した.
著者
小川 進
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.60-71, 1997 (Released:2022-07-22)
被引用文献数
4

本研究ではイノベーションでユーザーが重要な役割を演じる条件を「情報の粘着性(stickiness of information)」という視点から明らかにする.「情報の粘着性」という概念は近年,提唱されたものであり,体系的に収集されたデータをベースに議論が展開されることはこれまでほとんどなかった.その意味で本研究は,「情報の粘着性仮説」を概念的議論から経験的調査をもとにした議論へと橋渡しする試みであると言える.また,本稿ではこの仮説から引き出される実践的インプリケーションについても経験的調査の結果をベースに議論する.
著者
小林 由実 小川 進 田中 喜典 小川 宣子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.183, 2011

<B>目的</B> 炊飯に用いる水のイオンの種類やその含量などの水質が飯の品質に影響を及ぼすことを報告している<SUP>1)</SUP>。そこで本研究では、浄水器により調整した水が飯の品質に及ぼす影響についてカルシウムイオンを中心に検討を行った。<BR><B>方法</B> 炊飯には、原水を浄水カートリッジで浄化処理した水(以下:浄水)、浄水をイオン交換樹脂により処理した水(以下:イオン交換水)、そして硬度が浄水に比べ100mg/L高くなるように塩化カルシウムを添加した水(以下:調整水)の3種類を用い、カルシウムイオン濃度は原水が15.7mg/L、用いた3種類の水はそれぞれ15.7mg/L, 2.5mg/L,51.5mg/Lであった。飯の品質はクリ―プメータ測定及び官能検査から硬さ、電子水分計から水分、でんぷんの糊化度はグルコアミラーゼ法と走査電子顕微鏡による組織構造から調べた。また、最初の米の容積に対する炊飯後の容積の割合(膨張率)から飯の「ふっくらさ」を検討した。<BR><B>結果</B> イオン交換水で炊飯することで浄水に比べ、飯の膨張率は高く、水分量が多く、軟らかな飯となり、糊化度の値も高く、網目構造も観察でき、優れた品質の飯となることが示された。一方、調整水で炊飯した飯は浄水に比べ、膨張は悪く、飯の水分量は少なく、でんぷんの糊化度も低かった。これよりカルシウムイオン濃度は飯の品質に影響を及ぼし、カルシウムの除去は飯の品質を上げる効果があることが明らかとなった。<BR>[文献]1)小川宣子、稲垣明子、山中なつみ、下里道子:炊飯溶液中のカルシウムとナトリウムが飯の性状に及ぼす影響(第1報)、日本家政学会誌、57(10)、pp669-675(2006)
著者
山浦 大和 小川 進
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.65, 2007

16-19世紀,南米ボリビアのポトシ(Potosi)銀山(正称セロ・リコ・ポトシ)では,銀の精錬に大量の水銀が使用され,鉱山周辺は深刻な水銀汚染に見舞われた.そこで本研究では,水銀生産量と衛星データの流域解析から水銀汚染地域を特定し,スペイン統治時代のポトシ銀山における水銀汚染のリスク評価を定量的に行った.その結果,汚染地域がボリビア国境とアマゾン川の流域界まで達し,ポトシは文明崩壊の危機に瀕していた可能性が認められた.
著者
小川 進
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.188, no.6, pp.39-51, 2003-12
著者
小川 進 斎藤 恵介
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 水文・水資源学会2014年度研究発表会
巻号頁・発行日
pp.100119, 2014 (Released:2014-12-01)

2011年3月11日,福島第1原子力発電所が大地震と津波に襲われた.緊急炉心冷却装置が働かず,3基の原子炉はメルトダウンし,水素爆発で建屋が大破した.最終的には大量の放射能が大気放出され,東日本が汚染された.特に原子炉の北東部の汚染がひどく,住民が退避した.汚染は大気,水圏,地圏に広がり,2次汚染が進行している.ここでは,この北東部の大気と水圏に対して解析した.特に地下水と海域である.大気汚染は汚染域から阿武隈高原にかけて風による輸送を解析した.水域の汚染は流出による河川流域と地下水汚染を推定した.
著者
小川 進
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.167, no.1, pp.133-136, 1993-01