- 著者
-
小泉 淳
- 出版者
- 一般社団法人 日本血栓止血学会
- 雑誌
- 日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.4, pp.370-379, 2013-08-01 (Released:2013-09-10)
- 参考文献数
- 13
a.急性胸痛・呼吸困難・失神などから急性肺血栓塞栓症が疑われてショック症状を呈する広汎型患者に対しては,ベッドサイドで低侵襲に施行可能な心臓超音波検査や胸部単純X線写真で拾い上げ,PCPSなどで管理しつつ血管内治療を兼ねた肺動脈造影で確定診断することになる.b.非広汎型では下肢静脈を含めたCTが第一に推奨される.c.ヨード系造影剤の使えないアレルギー,腎機能低下症例や,妊婦,臨床的に強く疑われるのにCTで陰性であった場合(末梢性のshower embolismなど),血栓溶解療法の際の治療効果判定例などに核医学検査を施行する.d.MRIは患者管理の困難性,空間分解能の低さ,撮像時間の長さにやや難があるが,CTを施行できない場合の代替手段として,また血栓のagingやperfusionなど,CT,核医学検査同等以上の情報を提供しうる.