著者
高橋 朝英 田口 元貴 小林 良太郎 加藤 雅彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.2058-2068, 2011-12-01

現在,ウェブサービスは広く一般に利用され,日常生活を行う上で欠かせないものとなっている.それに伴い,ウェブサービスが停止した際の社会的影響も大きくなっている.一方,攻撃対象のシステムのサービス提供を不能にするサービス妨害(DoS)攻撃が存在し,問題となっている.手動によるDoS攻撃では,サーバ側で攻撃と思われる通信を単純にブロックしていることが攻撃者に気づかれると,攻撃者は攻撃を別の手段に切り換えて対策を回避し攻撃を行ってくる場合がある.本研究ではこの点に着目し,DoS攻撃の一種であるHTTP-GET Flood攻撃に焦点を当て,この攻撃に対して一般利用者の通信をできるだけ生かしつつ,対策を行っていることが攻撃者に気づかれにくくなるようウェブサービス提供側で可能な対策の提案を行う.本対策手法では,仮想マシンを複数台使用することで資源の分離を行い,攻撃者と通常利用者の使用する資源を分ける.また,攻撃者が利用する資源の操作を行うことで,攻撃が成功しつつあるかのように見せる.更に,提案手法の実装を行い,実験を行うことで本提案手法の有効性を確認する.
著者
大杉 功 加藤 雅彦 米田 征司
出版者
サレジオ工業高等専門学校
雑誌
サレジオ工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:18812538)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.73-76, 2009

Experiment was made on temperature dependence of the crystal structure of bismuth telluride, which has recently been investigated as a thermoelectric energy conversion material as well as an electronic cooling material. The crystal lattice parameters estimated from the powder X-ray diffraction profiles increasedmonotonously at low temperatures below 350 °C, while they abruptly changed and some other profiles than those of the telluride appeared at 400°C. The result of this experiment suggested that the crystal lattice is normally expanded at low temperatures below 350°C, while it is abruptly changed by dissociation andsublimation of the elements and some other substances such as oxides are composed at 400°C.
著者
加藤 雅彦 伴 和幸
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.129-134, 2023-09-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
21

本調査は,ある動物園において給餌される7種の一般飼料の表面と肉食獣に給餌される野生のニホンイノシシ5頭および野生のヤクシカ5頭のと体の表面について,一般生菌数および大腸菌群数を明らかにし比較した。なお,と体給餌は,生物資源の活用,環境エンリッチメントおよびそれらに関する教育のために試行された。これらのと体は,と体処理施設において消毒されていた。一般飼料の一般生菌数は1.96 log cfu/cm2から5.72 log cfu/cm2までであり,大腸菌群は4種の飼料から検出された。ニホンイノシシと体の一般生菌数は,胸部が1.52 log cfu/cm2から4.70 log cfu/cm2までであり,肛門周囲部が1.79 log cfu/cm2から6.00 log cfu/cm2を超えるものまであった。大腸菌群は,胸部が3頭のと体から検出され,肛門周囲部が3頭のと体から検出された。ヤクシカと体の一般生菌数は,胸部が0.20 log cfu/cm2から2.08 log cfu/cm2までであり,肛門周囲部が1.41 log cfu/cm2から3.46 log cfu/cm2までであった。大腸菌群は,胸部が1頭のと体から検出され,肛門周囲部が3頭のと体から検出された。これらから,一般生菌数および大腸菌群数で比較すると,対象園において給餌される一般飼料と野生動物のと体とは大きな差がなかったと考えられる。
著者
加藤 雅彦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.427-434, 2021-11-30 (Released:2022-11-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

下水汚泥には肥料養分が下水から濃縮されるといえ,下水汚泥肥料・堆肥の耕種利用が期待されている。家畜ふん堆肥の利用が進んでいる一方で,下水汚泥堆肥の耕種利用は進んでいない。本報告では,下水汚泥堆肥の施用で期待されること,また懸念されることを整理し,下水汚泥堆肥の利活用に向けてどのような下水汚泥堆肥が求められるか,研究事例等にも触れながら述べる。下水汚泥堆肥は,加里を除けば家畜ふん堆肥と同等,あるいはそれ以上の有機物や養分 (窒素,りん,カルシウム等) を含んでいる。また,有害 (半) 金属量も家畜ふん堆肥と同量程度である。難溶態りんを多く含むが,これらはク溶性である。凝集剤や微量物質の影響等も考慮に入れながら下水汚泥堆肥の理化学性を評価し,その利用用途を整理する必要がある。また下水汚泥堆肥の評価点,評価方法,品質目安等も提示する必要がある。
著者
木島 弘道 坂井 恵子 増田 創 加藤 雅彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.665-668, 2006 (Released:2009-01-19)
参考文献数
3

症例は69歳女性.2型糖尿病,橋本病,高血圧症の治療を受けていたが,失神・脱力発作を繰り返すようになり当科に入院となった.失神発作の原因は冠血管造影にて右冠動脈起始部の完全閉塞がみられたことから,房室ブロックあるいは洞停止によるものと考えられた.入院前に使用していたグリベンクラミド,ボグリボースに代えて,塩酸メトホルミン(メデット®,以下Met)ならびに混合型インスリンを併用し血糖コントロールを改善したうえでペースメーカー植込み術を行った.しかし,この前後から乾性咳,微熱,呼吸困難感を自覚.画像検査で間質性肺炎と大量の胸水貯留が認められた.Metの中止とプレドニゾロン投与で改善がみられたが,Met再投与で微熱と息切れの再燃がみられた.Netによる薬剤リンパ球刺激試験の結果も陽性であり,同剤の投与による薬剤誘起性間質性肺炎と考えられた.
著者
牛島 遼 加藤 雅彦
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2020論文集
巻号頁・発行日
pp.994-1001, 2020-10-19

現在,高度化するサイバー攻撃において,企業や組織を狙った標的型攻撃は増加の一途を辿っている.標的型攻撃は,攻撃手法が巧妙であるため,その被害の全貌の把握が困難である.その攻撃手法を明らかにするためには,企業や組織を模倣したネットワークシステムを構築し,より多くの攻撃情報を観測することが必要である.しかし,そのような観測システムを構築することは容易ではない.そこで本研究では,標的型攻撃の攻撃手法を効率良く観測するために,コンテナを利用した低リソース攻撃観測システムを提案する.本システムは,環境構築を自動化し,かつ,攻撃者に観測環境であることを気づかせないためのリソース情報偽装を行い,より効果的に攻撃情報を観測することを目指す.
著者
中村 有希 四倉 寛子 加藤 雅彦 中田 淳 田中 啓治 林 宏光
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.25-29, 2007 (Released:2007-03-23)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Adult autosomal dominant polycystic kidney disease (ADPKD) is a common hereditary disorder responsible for 8% to 10% of cases of end-stage chronic renal failure. The extrarenal complications of ADPKD kidney include cardiovascular disorders (such as mitral valve prolapse syndrome, bicuspid aortic valve, aortic coarctation, aortic aneurysm, and aortic dissection), intracranial aneurysms, diverticulum of colon, hepatic cysts, inguinal hernia, and urinary calculus. Acute aortic dissection (AAD) associated with ADPKD is life-threatening. There are few reports of ADPKD with AAD. To the best of our knowledge, only 9 cases have been found, including at autopsy, in Japan. We have treated 121 patients with AAD in the last 5 years, and 3 of these 121 patients also had ADPKD in the intensive care unit of Nippon Medical School. We report clinical features of cases of ADPKD with AAD on the basis of 12 cases, including 9 previously reported cases and our 3 cases. AAD requires urgent antihypertensive therapy, which often aggravates renal function. Priority should be given to antihypertensive therapy in emergent cases. In fact, 2 of our patients required hemodialysis owing to antihypertensive therapy for AAD. Close cooperation between cardiologists and nephrologists is essential.
著者
小池 一樹 小林 良太郎 加藤 雅彦
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.593-600,

コンピュータの発展による利便性の向上と同時に,コンピュータへの攻撃や情報の窃取を目的としたマルウェアの数も増加しており,その種類は多岐にわたる.また,2017 年 5 月に大流行した WannaCry を始め,マルウェアは従来よりも容易に亜種を作り出すことが可能となっている状況もマルウェア増加の一因である.その対策として,既存のマルウェア検知手法でも,その特徴的な挙動に着目したアンチウイルスソフトが多くのコンピュータで利用されている.本研究ではそれら検知手法に加わる新たな手法として,プロセッサ情報を特徴量とした機械学習による亜種マルウェアの検知を提案する.検知機構の構成要素は,プロセッサ情報の取得を行うハードウェア部と,機械学習による学習・判別を行うソフトウェア部の 2 つに分けられる.本稿では検知機構の実装へ向けた予備評価として,提案機構のハードウェア部のエミュレーションを行い,取得したプロセッサ情報の有用性を確認した.
著者
出口 睦樹 加藤 雅彦 小林 良太郎
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2020論文集
巻号頁・発行日
pp.404-409, 2020-10-19

通信機器に対するセキュリティ対策は、ソフトウェアが主流となっている。しかし、ハードウェア資源が少ないIoT機器ではソフトウェアでの対策は資源を圧迫し、現実的ではない。そこで我々はプロセッサ情報を用いたハードウェアによるマルウェア検知機構を提案し、シミュレーションによって有効性を確認している.本研究では提案機構をFPGA実装するための予備評価をおこなう.従来の提案機構で使用している割り算を用いた実装に加え、割り算を使用しない軽量で高精度な実装もおこなう.最後にFPGA上にRISC-Vコアと提案機構を搭載し、全体のリソース使用量を評価する.
著者
鈴木 庸介 小林 良太郎 加藤 雅彦
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.875-881,

近年,IoT 機器の普及によって日常生活の利便性が向上している一方で,IoT 機器を狙ったマルウェアも発生しており,IoT 機器のセキュリティ対策が求められている.しかし,多くの IoT 機器はログインパスワードの設定などがデフォルトのまま使われていることが多いため,マルウェアのパスワードクラックによって簡単に IoT 機器に侵入されている.そこで,パスワードクラックの検知機構によりマルウェアの感染後の活動を防ぐシステムを作ることを目指す.また,ライセンスフリーであり,複数のベンダーが開発に参加していることから,今後 IoT デバイスへの搭載が期待される,RISC-V に注目する.本研究では,プロセッサに RISC-V を使用した仮想マシンを用いて,エミュレーション環境を用意し,プロセッサ情報を用いた,パスワードクラック検知機構を評価した.実験の結果,パスワードクラックの検知が可能であることを確認した.
著者
松田 健 加藤 雅彦 唐沢 勇輔 丹京 真一 中村 智史 林 憲明 加藤 孝浩
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.447-448, 2018-03-13

フィッシングの手口の巧妙化が進む中,フィッシングサイトを早期に発見することは被害を最小限に抑えるだけでなく,攻撃者側の準備にかかるかコストを増大させることにも繋がる可能性があるため,フィッシングサイトの早期発見は非常に重要な問題である.本研究では,実際のフィッシングサイトに使用されたドメイン名に含まれる特徴から,新たにフィッシングに使用される可能性のあるドメイン候補を生成・監視することで,フィッシングサイトの早期発見に繋げるための情報収集方法について検討する.
著者
高橋 朝英 田口 元貴 小林 良太郎 加藤 雅彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.12, pp.2058-2068, 2011-12-01

現在,ウェブサービスは広く一般に利用され,日常生活を行う上で欠かせないものとなっている.それに伴い,ウェブサービスが停止した際の社会的影響も大きくなっている.一方,攻撃対象のシステムのサービス提供を不能にするサービス妨害(DoS)攻撃が存在し,問題となっている.手動によるDoS攻撃では,サーバ側で攻撃と思われる通信を単純にブロックしていることが攻撃者に気づかれると,攻撃者は攻撃を別の手段に切り換えて対策を回避し攻撃を行ってくる場合がある.本研究ではこの点に着目し,DoS攻撃の一種であるHTTP-GET Flood攻撃に焦点を当て,この攻撃に対して一般利用者の通信をできるだけ生かしつつ,対策を行っていることが攻撃者に気づかれにくくなるようウェブサービス提供側で可能な対策の提案を行う.本対策手法では,仮想マシンを複数台使用することで資源の分離を行い,攻撃者と通常利用者の使用する資源を分ける.また,攻撃者が利用する資源の操作を行うことで,攻撃が成功しつつあるかのように見せる.更に,提案手法の実装を行い,実験を行うことで本提案手法の有効性を確認する.
著者
新関 尚宏 加藤 雅彦 大杉 功 小島 勉
出版者
サレジオ工業高等専門学校
雑誌
サレジオ工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:18812538)
巻号頁・発行日
no.33, pp.55-57, 2007

Thin laminated devices were successfully made from alumina and PVA in the insulating interlayers in order to produce integral laminated devices more useful for reducing the contact resistance than the conventional laminated devices using the ceramic solder. The proposed process by using alumina powder enables to produce integral laminated devices more reliable than those using PVA powder because of superior insulation characteristics and stability at high temperatures. Multi-layered devices are expected to be produced from finer alumina powders using this process.