著者
山田 毅
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-04-06)

1.研究目的本研究の目的は、視覚障害教育に携わっていない教員や保護者が視機能評価を行い、適切な教材を開発して、視覚障害が学習を進めにくい要因にならないようにすることにある。2.研究方法(1)視機能評価検査器具を用い通常学習している教室で、児童の視機能及び教室環境に関するアセスメントを実施した。また、担任教師からも教材の見え方や視覚活用に関する配慮などについて意見を聞いた。(2)測定した結果に基づいて、教材の適切な大きさを割り出し教科書や地図帳などをインストールした。視覚に障害のない児童と同じように、教科書や地図帳などが活用できるような仕組みを構築した。(3)筑波大学心理・発達教育相談室東京グループと連携し、心理検査の内容などを支援に役立てた。3.研究成果(1)視機能評価は、視力表とマルチタッチスクリーンを用いた方法で実施して結果を比較した。マルチタッチスクリーンを用いるとカードを持ち変える必要がないことや、任意の位置からでも視力を測定できるため簡便に評価することができた。今後、通常学級担任等が活用できる可能性が広がった。(但し、この場合の視力は、医学的な視力とは区別し、教育上の参考視力として扱う。)(2)視力の測定結果から、教材を作成しマルチタッチスクリーンにインストールし活用した。視力は、照度の低い環境では低い値になるが、マルチタッチスクリーンは、画面輝度が一定であるため教室照度の違いに左右されない安定した表示ができた。拡大読書器を使用する場合よりも検索時間を短縮でき、一斉指導についていけるようになった。また、難しい漢字や細かい地図などが出現したときの心理的要因による視力低下が起きた場合も、画面を任意に拡大することができるため意欲の低下を抑制することができた。(3)筑波大学心理・発達教育相談室東京地区グループと連携をとり、心理検査の結果やパソコンなどの機器を活用する可能性について示唆をいただき支援を続けている。