著者
岡島 昭浩
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

従来、速記原本の解読は、速記を行った当人によってのみ行われることであった。速記原本を目にしても、どの速記方式によるかの認定法などは考えられてこなかった。それを認定する方法を確立し、解読に繋げようというのが本研究である。歴史的価値のある速記原本が存在しても、速記から年月が経過し、さらに 速記者当人が亡くなると解読は困難となるが、不可能ではないことが示せれば、貴重な資料である速記原本の死蔵・廃棄を抑止する効果がある。また、速記原本や速記教本類を系統的に収集整理することは、いわば速記のロゼッタストーンを残すことになるものであり、しかも、それ自体に解読の鍵を含ませたものともなるのである。
著者
湯沢 質幸 沼本 克明 小倉 肇 清水 史 二戸 麻砂彦 岡島 昭浩 佐々木 勇 肥爪 周二 蒋 垂東
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

成果の中心は次の4点にまとめられる。(1) 既に実験的に研究開発し終えた、日本漢字音データベース(大字音表)の根幹となるソフト及びデータについて、それが実用に十分耐えうるかどうかを実践形式を取り入れて検証したこと。(2)((1)を踏まえて)実用に耐えうるソフトの完成度を高めるとともに、それにのっとって日本漢字音研究における基礎中の基礎となる韻鏡データを実用に耐えうるまでに再構築し、一定の完成度に達したデータベースを作成したこと。(3) 将来における大字音表の発展・拡充を目指した基礎的な調査、研究作業を行うことができたこと。すなわち、近い将来における大字音表への複数資料の字音データ掲載を目指して一部資料について日本漢字音の整理を行えたこと。また、同様に、日本漢字音資料の発掘や調査、及び研究を行えたこと。(4) 国内外の漢字音研究者の研究の便宜を図って、実用に耐えうる『韻鏡』データを載せた日本漢字音データベースをインターネット上に公開したこと。
著者
蜂矢 真郷 金水 敏 岡島 昭浩 岡崎 友子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、近世から近代にかけての資料を中心に、「口語性」と不連続・不整合を見せる語彙、ないし形態を積極的にとりあげ、その由来・発展の過程を明らかとした。概要を以下に記す。(1)北原白秋・長塚節などが、歌や詩で使う語には様々な背景がある。そこで、古語を復活させたり、口語を古語めかしたりする手法を明らかにし、そこから言語意識を伺うことが出来た。「すがし」「かあゆし」「すゆし」「たゆたし」などの語の考証を行ったが、詳しくは、研究成果報告書に記してある。(2)明治からの、ピジン日本語に関わる資料や、ピジン日本語らしきものを使用した文献をいくらか集めることができた。田舎者言葉とされる「あるだよ」は、江戸・東京以外の関東方言の言い方を土台にしているが、これが外国語からの翻訳にも使われているものを、大正時代から見いだすことが出来た。(3)脚本類からの調査も行った。大正時代の『近代劇大系』(外国の脚本を翻訳したもの)を中心に用例を拾った。これは継続して調査・整理中であり、研究成果報告書には、一部しか反映できなかった。なお、この科研費による研究の成果ならびにこれに関する諸情報は、ホームページ(http://www.let.osaka-u.ac.jp/jealit/kokugo/fuseigo/)に示しており、今後も増補を続ける予定である。
著者
岡島 昭浩
出版者
九州大学国語国文学会
雑誌
語文研究 (ISSN:04360982)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.36-50, 1987-06-03 (Released:2009-04-22)
著者
田中 牧郎 岡島 昭浩 岡部 嘉幸 小木曽 智信 近藤 明日子
出版者
独立行政法人国立国語研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

明治後期から大正期にかけて進んだ「言文一致」という出来事について,コーパスを活用して,精密かつ見通しよく記述することを通して,コーパス言語学の方法を日本語史研究に適用することを目指した。言文一致にかかわる言語現象のうち,コーパスを活用して記述することで,新たな日本語史研究の視野が拓けると想定されるものとして,語彙体系の変化,待遇表現構造の変化,テンス表現の変化の三つを取り上げて,『太陽コーパス』(言文一致期にもっともよく読まれた総合雑誌を対象とするコーパス)を用いた分析を行い,その成果を発表した。語彙体系については,動詞を例に,言文一致期に定着する語と衰退する語とを対比的に分析した。また,待遇表現構造については,二人称代名詞を例に,会話の文体や,話し手と聞き手の階層や性別の観点から分析した。さらに,テンス表現については,口語助動詞「テイル」「テアル」が定着する用法と,文語助動詞「タリ」が残存する用法とが相補関係にあることなどを解明した。いずれの研究においても,コーパスを用いることによって,共起語,出現文脈,出現領域などを定量的に考察することができ,共時的な構造分析の方向にも,通時的な動態分析の方向にも,新しい展開を図ることができた。コーパスを使わない従来型の研究では実現不可能だった,精密で見通しのよい記述を達成することができ,コーパスを日本語史研究に導入する意義を具体的に確かめることができた。また,コーパス分析ツールとして,XML文書へのタグ埋め込みプログラム『たんぽぽタガー』を開発し,使用説明書とともにweb上で公開した。このツールの公開は,コーパス言語学による日本語史研究の利便性を高める効果が期待できる。