著者
岡田 至崇 八木 修平 大島 隆治
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.206-212, 2010-03-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
22
被引用文献数
5

近年,従来の延長線上にない新しいアプローチにより,単接合太陽電池のエネルギー変換効率を上回り,かつ低コスト化が展望できる次世代型高効率太陽電池の研究開発が活発になっている.本稿では,理論変換効率60% 以上の超高効率化が可能な量子ドット超格子を利用した中間バンド型太陽電池について,その動作原理と開発動向について述べる.
著者
岸田 俊二 内田 晴久 磯村 雅夫 佐山 和弘 山田 明 岡田 至崇 笠井 秀明 坂上 護 梶川 武信 内海 和明 高田 俊和 木村 英樹 江部 広治 首藤 直樹 加藤 芳秀 上松 敬禧 佐藤 理夫 小原 宏之 須田 不二夫 原 一広 和泉 茂一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.741-743, 2010-08-10
参考文献数
5

<p>温暖化と資源の枯渇を克服し,持続可能な社会を築くことが人類喫緊の課題である.持続可能な具体的社会像と,今後10〜20年に開発すべき技術群を描いた.自然エネルギーへの大胆な転換と画期的な省エネルギー技術の普及が必須で,特に,太陽光からの燃料の直接生産の実現がキーとなる.これらの産業技術は新たな経済発展のテコになると期待される.</p>
著者
岡田 至崇
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会機関誌えねるみくす (ISSN:24323586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.2, pp.142-147, 2017

<p>In order to surpass the theoretical Shockley-Queisser limit of energy conversion efficiency of single-junction solar cells as well as to lower the cost, advanced concepts and new materials are emerging. By placing a dense array of quantum dots in the active region of a <i>pin</i> solar cell, which consequently leads to formation of a superlattice miniband or intermediate-band, the solar cell efficiency could reach 63% under full sunlight concentration. Recent status and future research opportunities are reviewed.</p>
著者
岡田 至崇
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空 (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.556-561, 2012-12-20
参考文献数
39
被引用文献数
2

&nbsp;&nbsp;In order to surpass the theoretical Shockley-Queisser limit of energy conversion efficiency of a single-junction solar cell, advanced concepts using multi-junction tandem structures and quantum nanostructures are presently under intense research. Recent developments and future research opportunities with quantum nanostructure photovoltaics are reviewed.<br>
著者
岡田 至崇 FARRELL Daniel FARRELL Daniel
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

量子ドット超格子や高歪み化合物半導体中に形成される中間バンドを利用したナノ構造太陽電池の高効率化のアプローチでは、中間バンド内のエネルギーレベルに光キャリアが安定に存在し、またこれらが近赤外域の太陽光を吸収して伝導帯へと効率良く励起され、電流として取り出せることを室温で実証することが重要である。このような光吸収によるアップコンバージョン過程と同様に、熱的アップコンバージョン効果を取り入れたのがホットキャリア太陽電池である。本年度は、太陽光により励起されたされた中でも高エネルギーのキャリアのエネルギー緩和ダイナミクスを解明し、これらの高エネルギーの電子を効率良く電極から取り出すための方法に関する研究を進めた。量子井戸から成るホットキャリア生成層を想定し、熱的アップコンバージョンにより生成されたホットキャリアが、発光再結合する際に放出されるフォトンを太陽電池(上部)に照射して戻すことにより、セルの出力電流を増大させることが本研究で考案した素子の動作原理となる。このとき、太陽光の集光により熱的アップコンバージョンによるホットキャリアの生成がより高効率で生じることが期待され、理論値として、1000倍集光時に5O%前後の変換効率が可能となることを見出した。次に、量子井戸セル構造の最適化を行うため、k. p法を用いたバンド計算の数値計算プログラムを開発した。InGaAs/GaAs系歪み量子井戸を想定し、量子準位の形成位置及び各エネルギー準位における波動関数を数値計算により求められるようになり、格子歪みが量子準位や波動関数に及ぼす効果を定量的に求めることを可能にした。