著者
小城 英子 坂田 浩之 川上 正浩
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-8, 2022-07-31 (Released:2022-07-31)
参考文献数
28

The purpose of this study was to revise the Attitudes towards Paranormal Phenomena Scale (APPle) to capture various aspects of skeptical attitudes, so that the believing and skeptical attitudes toward paranormal phenomena could be measured in detail. A questionnaire survey was conducted with undergraduates. Using exploratory factor analysis, six factors (Total Denial of Paranormal Phenomena, Denial Based on Current Situational Awareness, Inclination Towards Fortunetelling and Magic, Believing in Spirituality, Intellectual Curiosity about Paranormal Phenomena, and Fear of Paranormal Phenomena) were extracted, and a scale with 25 items called APPle II was created. From the viewpoints of internal consistency, confirmatory factor analysis, test-retest reliability, and criterion-related validity, sufficient reliability and validity were confirmed. Among the six factors, “Inclination Towards Fortunetelling and Magic” and “Believing in Spirituality” were regarded as believing attitudes, whereas “Total Denial of Paranormal Phenomena” and “Denial Based on Current Situational Awareness” as skeptical attitudes. “Intellectual Curiosity about Paranormal Phenomena” could be both believing and skeptical, and seemed to be based on analytical and critical thinking.
著者
小城 英子 坂田 浩之 川上 正浩
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.246-258, 2008

The purpose of this study was to construct a scale for comprehensive attitudes towards paranormal phenomena which would contain cognition and affect, and to analyze clusters of university students. Undergraduates (N=699) completed a questionnaire about their attitudes towards paranormal phenomena and a number of other individual characteristics including the Big Five. The responses were analyzed by factor analysis, and as a result, six factors were extracted: "Inclination towards Augury and Magic," "Belief in Spirituality," "Enjoyment of Paranormal Phenomena," "Skepticism," "Fear of Paranormal Phenomena," and "Spiritual Experience and Belief." Based on these factors, six subscales were composed. The validity of these subscales was confirmed by the correlation with other individual characteristics. Using cluster analysis, participants were divided into four types: an "Ordinary Group," a "Group Believing in Paranormal Phenomena," a "Group Believing in Science," and a "Group Enjoying Paranormal Phenomena."
著者
小城 英子 坂田 浩之 川上 正浩
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
pp.2024, (Released:2022-06-10)
参考文献数
28

The purpose of this study was to revise the Attitudes towards Paranormal Phenomena Scale (APPle) to capture various aspects of skeptical attitudes, so that the believing and skeptical attitudes toward paranormal phenomena could be measured in detail. A questionnaire survey was conducted with undergraduates. Using exploratory factor analysis, six factors (Total Denial of Paranormal Phenomena, Denial Based on Current Situational Awareness, Inclination Towards Fortunetelling and Magic, Believing in Spirituality, Intellectual Curiosity about Paranormal Phenomena, and Fear of Paranormal Phenomena) were extracted, and a scale with 25 items called APPle II was created. From the viewpoints of internal consistency, confirmatory factor analysis, test-retest reliability, and criterion-related validity, sufficient reliability and validity were confirmed. Among the six factors, “Inclination Towards Fortunetelling and Magic” and “Believing in Spirituality” were regarded as believing attitudes, whereas “Total Denial of Paranormal Phenomena” and “Denial Based on Current Situational Awareness” as skeptical attitudes. “Intellectual Curiosity about Paranormal Phenomena” could be both believing and skeptical, and seemed to be based on analytical and critical thinking.
著者
川上 正浩 小城 英子 坂田 浩之
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
no.9, pp.15-25, 2010-01

心霊現象や占い,宇宙人・UFO,超能力など,現在の科学ではその存在や効果が立証されないが人々に信じられていることのある現象を総括して"不思議現象"と呼ぶ。本研究では,代表的な不思議現象(血液型による性格診断,宇宙人の存在,超能力の存在,占い,霊の存在,神仏の存在)を取り上げ,それらを信奉する,あるいは信奉しない理由について検討することを目的とした。それぞれの対象について,信奉を「はい」か「いいえ」かの2 件法にて尋ね,これに続いて,その理由を自由記述にて求めた。大学生161名の信奉あるいは非信奉の理由として挙げられた語句をテキストマイニングを用いて分析し,信奉者と非信奉者との違い,特に依拠するメディアの差異について考察した。
著者
辻 弘美 川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.63-73, 2007-01-31
被引用文献数
5

本研究では,携帯型唾液アミラーゼ活性測定器(cocorometer,ニプロ社)を用いて,唾液アミラーゼ活性の変化を主観的ストレス測定尺度POMS(Profile of Mood Scale)との関連性から検討した。102名の女性が実験に参加し,ストレス負荷課題と想定された鏡映描写課題の前後に,POMSにより主観的ストレスが,cocorometerにより唾液アミラーゼ活性が測定された。データに対して2要因(主観的ストレスの変化方向:[ストレス増加・ストレス減少]×cocorometer測定:[課題前・課題後])の分散分析を実施したところ,POMSの下位尺度である怒り-敵意尺度における主観的ストレスの変化が,唾液アミラーゼ活性における変化と関連していることが示された。本結果は,今後の簡易ストレス測定の妥当性をある程度保証するものであると考えられる。
著者
川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.3-14, 2014-01-31

心理学は領域の広い学問である。そして、心理学という学問内での領域が細分化されているため、"心理学"という1つの学問体系としての基礎知識がどの範囲のものを指すのかは、極めて曖昧であると言える。心理学教育においては、こうした心理学領域での、特に初学者に対しての教育の"エッセンス"を用語の形で明らかにすることが必要である。本研究では、心理学テキストの索引をテキストデータとして扱い、そのデータベース化を行う。今回のデータでは2006年から2010年に刊行された35冊の心理学テキストを参照したパイロット・スタディの結果を報告した。
著者
川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.67-82, 2008-01-31
被引用文献数
3

近年,携帯電話上でのメール(携帯メール)によるコミュニケーションが一般化するに伴い,メール上での感情表現のための顔文字の使用もまた一般化している。本研究では顔文字自体が表す感情,強調を調べることにより顔文字のデータベースを作成することを目的とする。顔文字が有する文脈依存性を鑑み,"どの感情を表しているか"という観点ではなく,"それぞれの感情をどの程度表しているか"という観点から,顔文字が表す感情についてのデータベースを作成した。またこれに加えて,当該顔文字が"どの程度文章を強調するか"という強調度についてもデータベース化した。 調査対象として31個の顔文字が選択された。調査参加者には,喜び・哀しさ・怒り・楽しさ・焦り・驚きのそれぞれの感情ごとに1(全く表れていない)から5(とてもよく表れている)までの5段階で,強調度については1(全く強調されない)から5(とても強調される)までの5段階で各顔文字に対する評定を行うことが求められた。これらの結果は図1および図2に示されている。本調査の結果は,顔文字を対象とした心理学的調査を行う際の顔文字が表す感情に関する評価を提供する基準となる。
著者
坂田 浩之 佐久田祐子 奥田 亮 川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.29-37, 2013-01-31

大学生活が十分に機能するためには、大学生自身が大学生活に主体的にコミットし、充実感を感じることが重要であり、大学教育を向上させるためには、大学生活充実度を適切に測定し、大学生活充実度を規定する要因を明らかにすることが必要である。そこで本研究では、先行研究(奥田・川上・坂田・佐久田,2010a)の知見を踏まえて、1回生〜4回生を対象に大学生活充実度尺度、その修正版、および大学生活充実度尺度短縮版(SoULS-21)を実施し、大学生活充実度が学年進行に伴いどのように推移するのかについて、4年度分の1〜4回生の縦断データから分析を行なった。その結果、4回生時に充実度全般が最も高まることが明らかになり、奥田他(2010a)の知見の妥当性が支持された。また、学業に対する満足感については、コホートによって学年変化が異なることが明らかにされ、カリキュラムやプログラム、学科編成、あるいはコホートの特性によって影響される可能性が示唆された。
著者
奥田 亮 川上 正浩 坂田 浩之 佐久田 裕子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-14, 2010-01-31

大学生活にさまざまな意義を認めるためには,大学に適応し充実感を感じることが重要であると考えられる。そこで本研究では,先行研究を踏まえて,1回生から4回生までを対象に大学生活充実度尺度を実施し,その因子構造について検討した上で,大学生活充実度が学年ごとにどのように異なるのかについて,縦断,横断を含めた複数の観点から分析を行った。まず大学生活充実度尺度については,因子分析によって"フィット感","交友満足","学業満足","不安"の4 因子が抽出された。そして複数年度の1〜4回生の横断および縦断データから,4回生時に充実度全般が最も高まることが明らかになった。一方,1〜2回生にかけては充実度にほとんど変化が見られず,2〜3回生にかけては部分的に充実度が高まるという結果と,ほとんど変わらないという結果の,相違する二つの結果が得られた。今後はさらにデータを集積し,上記の結果を再検討することや,大学生活充実度に学年差をもたらす要因を詳しく検討していくことが課題とされた。
著者
川上 正浩 坂田 浩之 佐久田 祐子 奥田 亮 Masahiro KAWAKAMI Hiroyuki SAKATA Yuko SAKUTA Akira OKUDA
雑誌
大阪樟蔭女子大学
巻号頁・発行日
vol.7, pp.21-26, 2017-01-31

大学生活に対する充実感を感じるためには、学生の大学への帰属感が高まることが重要である(佐久田他,2008)。このため筆者らは、先輩が語るVTR や教員の対談を交えた、特定学科(心理学科)対象の帰属感高揚プログラム『心理学と私』を考案・実施し、その効果を検証してきた(川上他,2010, 2011, 2012a, 2012b)。そしてこのプログラムを、全学学生を対象としたプログラムに拡張し、全学対象帰属感高揚プログラム『大学と私』として考案・実施し、その効果を検証している。たとえば佐久田・奥田・川上・坂田(2014)は特定の学科の先輩が語るVTR(同学科VTR)と、同大学の先輩が語るVTR(同大学VTR)を用いた帰属感高揚プログラムを異なる年度に実施し、それぞれのプログラムに対する参加者の印象評定を調査した。その結果、いずれのVTR 刺激もおおむね変わらず効果をもつことが示された。これらの研究を踏まえ、筆者らはVTR を刷新するなど『大学と私』を改良した。本研究では、この改良した全学対象のプログラムと特定の学科を対象としたプログラムとを、その前後の帰属感や大学生活充実度の変化の観点から比較した。その結果、改良された全学プログラムは、特定学科対象プログラムと同等の帰属感、大学生活充実度高揚の効果を持つことが示された。
著者
川上 正浩 小城 英子 坂田 浩之 Masahiro KAWAKAMI Eiko KOSHIRO Hiroyuki SAKATA
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-25, 2009-01-31

心霊現象や占い,宇宙人・UFO. 超能力など,現在の科学ではその存在や効果が立証されない が人々に信じられていることのある現象を総括して"不思議現象"と呼ぶ。本研究では,代表的な不思 議現象(血液型による性格診断,宇宙人の存在,超能力の存在,占い,霊の存在,神仏の存在)を取 り上げ,それらを信奉する,あるいは信奉しない理由について検討することを目的とした。それぞれ の対象について,信奉を「はしリか「いいえ」かの 2 件法にて尋ね,これに続いて,その理由を自由記 述にて求めた。大学生 161 名の信奉あるいは非信奉の理由として挙げられた語句をテキストマイニン グを用いて分析し,信奉者と非信奉者との違い,特lこ依拠するメディアの差異について考察した。Paranormal phenomenon is defined as unusual experiences that lack a scientific expla­ nation and are believed in by some people. TFhuhe purpose of this study was to investigate the reasons why university students believe in paranormal phenomenon. Six phenomena: "ABO Blood -Groups Typology","Existence of extraterrestriallife","Existence of super­ natural power","Fortunetelling","Existence of spiritual entities", and "The gods and Buddha",were selected and participants were asked to respond whether they believe it or not that phenomenon,and provide the reason in free format.Hundred and sixty 一 one university students were participated in this questionnaire study. Using text-mining procedure,free description data was analyzed. The results showed that there were some differences between believers and non-believers. The results were discussed in the light of difference of media they referred in believing paranormal phenomena.
著者
川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.47-53, 2013-01-31

言語の認知過程研究においては、視覚呈示された単語のみならず、それと正書法的に類似した単語である類似語(Coltheart, Davelaar, Jonasson, and Besner, 1977)も同時に活性化することが示唆されている。この問題の検討に際しては実験者は何らかの語彙基準を参照し、類似語数を操作することになる。しかし、こうした操作そのものの妥当性を受け入れる前に、辞書などの外在基準に基づく類似語数が実験参加者の心的辞書における類似語数と対応していることを確認しておく必要がある。本研究では、川上(1997)が報告している資料に基づく漢字二字熟語の類似語数と、漢字一文字を手がかりとして、実験参加者が産出可能な漢字二字熟語の数とが対応しているのか否かが吟味された。229名の実験参加者を対象とした実験の結果、川上(1997)に基づく類似語数と実験参加者が産出した漢字二字熟語の数との間に対応が認められた。この対応は、川上(1997)が参照した辞書である岩波広辞苑第四版と実験参加者が有する心的辞書との間に対応があることを示していると解釈された。
著者
川上 正浩 小野 菜摘 佐々木 美香 西尾 麻佑
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.95-103, 2012-01-31

本研究では、読み(音韻)から漢字(形態)への対応について、人間の反応に基づいたデータベースを構築することを目的とした。具体的には、仮名一文字で表記される特定の音韻(読み)から想起される漢字のバリエーションについて明らかにすることを目指した。実験参加者169 名を4 つの群に振り分け、それぞれの群に、仮名一文字で表される15 個の音韻を呈示した。30 秒の制限時間内に当該音韻から想起される漢字一文字のデータベースを作成した。集計の結果、本研究で対象とした仮名一文字のうち、もっとも多くの漢字が想起されたのは「か」(4.98)であり、もっとも少ない漢字が想起されたのは「ぬ」(0.80)であった。これは各実験参加者の想起漢字数であるが、想起された漢字のバリエーションについては、「か」(46)がもっとも多く、「せ」(3)がもっとも少なかった。
著者
川上 正浩 坂田 浩之 Masahiro KAWAKAMI Hiroyuki SAKATA
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.6, 2016-01-31

全項目を対象に因子分析を繰り返し、10 因子解 (73 項目:表1)を採用した。第1 因子はメディアで 喧伝される不思議現象に対する懐疑である"懐疑"因 子、第2 因子は神仏や霊の存在を信奉する"スピリチュ アリティ信奉"因子、第3 因子は不思議現象を楽しむ 態度である"娯楽的享受"因子、第4 因子は占いやお まじないを嗜好する"占い・呪術嗜好性"因子、第5 因子は自ら知覚する社会的現実を根拠に宇宙人や霊の 存在を否定する"社会的現実を根拠とした否定"因子、 第6 因子は霊体験の有無を表す"霊体験"因子、第7 因子は血液型性格判断に端を発する社会的問題を危惧 する"血液型性格判断に対する批判"因子、第8 因子 は事件の件数等の事実に基づき、霊や霊能力の存在を 否定する"事件の頻度を根拠とした否定"因子、第9 因子は不思議現象に対する恐怖である"恐怖"因子、 第10 因子は問題の原因を前世に帰属することに対す る否定的な"前世帰属に対する否定"因子であると解 釈された。以上の10 因子は、旧尺度の6 下位尺度に、 社会的現実を根拠とした否定、血液型性格判断に対す る批判、事件の頻度を根拠とした否定、前世帰属に対 する否定の4 下位尺度を加えたものであると解釈でき る。 *この研究は、日本心理学会第79 回大会において発 表された。
著者
川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.75-83, 2007-01-31

本研究では,授業時間内に認められる遅刻生起頻度と,個人の遅れに対する態度,主観的遅れ生起頻度,楽観性との関連が検討された。心理学科一回生春期配当の必修授業が調査対象授業として設定された。103名の調査参加者を対象に,当確授業の最初の回に,個人の遅れに対する態度(VODKA2005),主観的遅れ生起頻度,楽観性(MOAI-4)が質問紙調査により測定された。また,全8回の授業を通じて,各調査対象者の遅刻および欠席状況が記録された。授業終了後,授業場面で生起する遅刻,欠席の頻度あるいは時間と,個人の遅れに対する態度,主観的遅れ生起頻度,楽観性との関連が吟味された。相関係数に基づく分析の結果,授業場面における遅刻,欠席の生起頻度は,自分の遅れに対する罪悪感と関連することが示された。
著者
坂田 浩之 川上 正浩 小城 英子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.91-98, 2009-01-31

本研究は,不思議現象に対する態度を研究する上での基礎作業として,現代の日本人女子大学生が実際に不思議だと感じていることを探索し,彼らにとっての"不思議"の潜在的な構造を明らかにすることを目的としたものである。20答法を応用した調査法を用いて記述データを収集し,それをテキストマイニング手法を用いて分析し,そこにどのようなキーワードが見出され,多く用いられているのか,またそれらのキーワードはどのようなクラスターを構成するのかについて検討を行った。その結果,"人間の不思議","自分の不思議","能力・可能性の不思議","好みの不思議","性の不思議","思考の不思議","差異の不思議","生理的欲求の強力さの不思議","心・感情の不思議","生・世界・文化の不思議","美・魅力に関連した事柄の不思議","身近な事柄の不思議",という12 のクラスターが抽出され,一般的傾向として,現代の日本人女子大学生が,実際には,身近で,普遍的で,自然なことに対して不思議という感覚を覚えることが明らかにされた。
著者
井上 真理子 川上 正浩
出版者
北陸心理学会
雑誌
心理学の諸領域 (ISSN:2186764X)
巻号頁・発行日
pp.2023-05, (Released:2023-11-10)
参考文献数
25

This study examined how university students’ self-control and attitude toward delay relate to their smartphone usage time. The study focuses on both subjective and objective smartphone usage time. Participants were 74 university students who use iPhones. First, we conducted a correlation analysis by measuring subjective and objective usage time for online use such as SNS, online video viewing, and games. Next, participants’ personal characteristics, such as self-control and attitude toward delay, were measured using a 6-item method and a 5-item method, respectively. Consequently, the study found a positive correlation between subjective and objective usage time for "SNS" and "games" during 24 hours. However, no correlation was found between "videos and the Internet" or "total time ". Additionally, a positive correlation was found with external control and a negative correlation with reformative self-control scores in subjective time spent on "video and Internet". Conversely, the score of reformative self-control negatively correlated with subjective time for "video and Internet", but no correlation was found with objective time for "video and internet." The findings suggest that self-control and smartphone use differ regarding subjective and objective measures, including the purpose of use.