- 著者
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樋口 徹
井上 哲
佐藤 正人
後藤 忠広
- 出版者
- 公益社団法人 日本獣医師会
- 雑誌
- 日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.3, pp.133-137, 2016-03-20 (Released:2016-04-20)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
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1
近位指(趾)節間関節固定術は重度の変形性関節症,亜脱臼,関節部での骨折に適応される.今回,4頭の馬において3穴ナローlocking compression plate(LCP)と関節貫通スクリューとして3〜4本の5.5mm皮質骨スクリューを用いた内固定を行った.症例馬は,3頭がサラブレッド繁殖雌馬,1頭はサラ系障害飛越競技馬であった.1頭は前肢の近位指節間関節の亜脱臼,1頭は後肢の近位趾節間関節の亜脱臼,2頭は変形性関節症で,前肢と後肢が1頭ずつであった.手術は吸入麻酔下で仰臥位で行い,関節を開けてできる限り関節軟骨を除去し,関節貫通スクリューが関節の掌(底)側を引き寄せるように挿入し,次いでLCPを軸側に置いて関節全体を圧着させるように5.5mm皮質骨スクリューとlocking head screw(LHS)で固定した.術後はハーフリムキャストを3〜4週間装着した.この方法は強度に優れ,安定した関節固定が可能であった.症例馬の疼痛は徐々に緩和し,10〜12週間後には放牧あるいは速歩運動が可能であった.