著者
斉藤 毅
出版者
山形大学人文学部
巻号頁・発行日
pp.69-93, 2014-03-31 (Released:2015-11-11)

中村唯史編『ロシアの南 : 近代ロシア文化におけるヴォルガ下流域、ウクライナ、クリミア、コーカサス表象の研究』(山形大学人文学部, 2014年)p69-93所収
著者
斉藤 毅
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.69-69, 2014 (Released:2016-02-01)
参考文献数
4

オレキシン(ヒポクレチン)は,摂食調節や睡眠・覚醒の制御など重要な生理機能を誘導する神経ペプチドであり,AとBの2種が知られている.オレキシンの発見以来,国内外の多くの製薬企業がオレキシン受容体拮抗薬の開発に乗り出し,最近では不眠症治療薬としてスボレキサントが米国食品医薬品局へ承認申請されたことでも記憶に新しい.オレキシン受容体拮抗薬は,睡眠へ直接的に誘導できることから画期的な新薬として期待されている.一方,オレキシン受容体には1型(OXR-1)と2型(OXR-2)が存在し,選択的拮抗薬とデュアル拮抗薬のどちらを開発すればよいかという明確な知見はない.これまでに臨床試験に辿り着いた拮抗薬はいずれもデュアル拮抗薬であり,スボレキサントを除いては,すべて開発から撤退されている.そこで本稿では,今後のオレキシン受容体拮抗薬開発に影響を与えると考えられる,Steinerらによって見いだされた1型受容体に対する選択的拮抗薬の開発とその薬理作用について紹介する.
著者
斉藤 毅 長瀬 博
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.90-96, 2016-05-01 (Released:2018-06-01)
参考文献数
19

睡眠覚醒や摂食を制御する因子であるオレキシン系の発見以来、これまで多くのオレキシン受容体アンタゴニストが見出されてきた。一方で、作動活性を有する低分子アゴニストについては、未だ報告はない。われわれは、内因性リガンドであるオレキシンが、ナルコレプシーをはじめとする睡眠疾患や糖尿病、肥満に効果的であることに注目し、オレキシン受容体作動活性を有する化合物の探索研究を行った。スルホンアミド構造を有するHTSヒット化合物を分子基盤とし、独自の分子設計コンセプトを活用した最適化研究を行うことで、オレキシン2受容体選択的アゴニストYNT-185を世界に先駆けて見出した。YNT-185はin vivoにおいて、オレキシンと同様に顕著な覚醒誘導、維持作用が確認された。また、本化合物はナルコレプシーモデルマウスを用いた投与実験において、劇的にその症状を改善した。
著者
小谷 潔 斉藤 毅 立花 誠 高増 潔
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.252-260, 2005 (Released:2007-01-19)
参考文献数
26
被引用文献数
3

Respiratory sinus arrhythmia (RSA) is well known as a noninvasive index of cardiac vagal activity, which has an important role in maintaining homeostasis. In this study, we improved the signal processing of RSA in the respiratory phase domain for real-time analysis and used results of this signal processing to control the mental arithmetic workloads of subjects. Four healthy subjects performed two experiments : a self-speeded workload and a real-time task controlled workload. In these experiments, we obtained R—R intervals from electrocardiograms with a sampling frequency of 1 kHz, and respiratory information from elastic chest band with a sampling frequency of 100 Hz. Further, we placed an accelerometer on the larynx and sampled at the rate of 100 Hz. First, we conducted the self-speeded task experiment for 10 minutes. Subjects were required to do mental arithmetic at their best pace and to take two rest periods, approximately 1-minute each. The amplitude of RSA after averaging 24 respirations was lower when the subjects were working than when they were resting (P <0.001); we found that the amplitude of RSA reflects even short-term working or resting. This suggests the possibility of controlling the mental workload by using RSA amplitude data. Second, the average of rest and working RSA amplitudes was set as a threshold. If the average RSA amplitude for a subject's last 24 respirations was higher than the threshold, we assigned a mental arithmetic task at a pace of 20 questions per minute; if the average was lower, we stopped the task. Results of the experiment showed that the RSA amplitude was controlled well by changing the workload. In both experiments, the value of the RSA amplitude varied among individuals and within individuals, but the sensitivity to a task remained unchanged within individuals.
著者
大久 長範 鈴木 直樹 斉藤 毅 畑中 和成 佐々木 準哉 西川 正純
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.287-291, 2013-08-05
参考文献数
19

高電圧マイナスイオン発生器を油フライヤーに使用したときの油の酸化劣化を評価した。500nmにおける吸光度,トランス脂肪酸の生成は高電圧マイナスイオン発生器を作動させると進行が抑制された。食パンの揚げ試験において,対照に比べ高電圧マイナスイオン発生器の使用では有意に水分含量の低下が認められた。高電圧マイナスイオン発生器の使用により14種の油臭成分が半減することが示された。高電圧マイナスイオン発生器を作動させると槽内の温度が速やかに低下する傾向があり,槽内の油の流動が高まっていると考えられた。
著者
藤原 一宏 斉藤 秀司 落合 啓之 宇沢 達 向井 茂 斉藤 毅
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

A.Wilesによって得られた楕円曲線についての谷山-志村予想の部分解を分析して得られたTaylor-Wiles系という公理系はEuler系と共に岩沢理論における基本的な道具に成長しつつある.このTaylor-Wiles系についての研究が本研究期間中に以下の方向に発展している.a)肥田氏により構成されたnearly ordinary Hecke代数に対するR=T型定理b)総実代数体上の円分塔(cyclotomic tower)の研究c)高次元ユニタリ志村多様体に対するTaylor-Wiles系の構成a)の研究では肥田晴三氏(UCLA)によるnearly ordinary Hecke代数は既約剰余表現に対応するほとんどの場合に普遍変形環と同一視されることを示した。b)ではまず非可換岩沢-Greenberg予想とでも言うべき問題を定式化した.この問題の研究のため円分塔上での変形理論を構成し,特別な2次元表現の場合にはTaylor-Wiles系を使うことで古典的な岩沢-Greenberg予想と同値であることを見いだした.この結果は2000年度保型形式論国際シンポジウム(パリ)で発表した.c)ではユニタリ志村多様体のコホモロジー群が持つ自然なintegral structureに対してTaylor-Wiles系を構成した.この結果については国際シンポジウム「代数幾何学2000」(長野,日本,2000年7月),第三回アジア国際数学会議(マニラ,フィリッピン,2000年10月),ジョンズホプキンス大での国際ワークショップ「保型表現と志村多様体」(ボルチモア,アメリカ,2001年3月)で発表した.以上の研究については講演の他,詳細をプレプリントとして公表,投稿している.