著者
大久 長範 堀金 明美 大能 俊久 吉田 充
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.522-527, 2005-11-15
被引用文献数
4 4

1) 稲庭うどん, ナンバーワンひやむぎ, 讃岐うどんの圧縮強度 (低圧縮H1, 高圧縮H2) 及びその比 (H2/H1) を求めた.<br>2) 茹で30分後のH2は, ナンバーワンひやむぎで1.9N, 讃岐うどんで2.5Nでに対し, 稲庭うどんでは4N~7Nと大きな値であった. 時間の経過とともにH1とH2は変化するものもあったが, H2/H1比はほぼ一定の値となり, No1ひやむぎが約10, 讃岐うどん約8, 稲庭うどんが13~18であった.<br>3) 茹でた稲庭うどんをMRIにより観察したところ, 空隙があり, 空隙には水が進入していない状態が6時間に渡り維持された. ナンバーワンひやむぎや讃岐うどんにはこのような空隙が観察されなかった.
著者
大久 長範 鈴木 直樹 斎藤 毅 畑中 和成 佐々木 準哉 西川 正純
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.287-291, 2013 (Released:2013-10-18)
参考文献数
19

高電圧マイナスイオン発生器を油フライヤーに使用したときの油の酸化劣化を評価した。500nmにおける吸光度,トランス脂肪酸の生成は高電圧マイナスイオン発生器を作動させると進行が抑制された。食パンの揚げ試験において,対照に比べ高電圧マイナスイオン発生器の使用では有意に水分含量の低下が認められた。高電圧マイナスイオン発生器の使用により14種の油臭成分が半減することが示された。高電圧マイナスイオン発生器を作動させると槽内の温度が速やかに低下する傾向があり,槽内の油の流動が高まっていると考えられた。
著者
山田 節子 今野 祐子 三森 一司 出雲 悦子 大久 長範
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成18年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.173, 2006 (Released:2006-09-07)

[目的]近年、ペットボトル飲料を日頃から水分補給のために利用する人が増えている。缶入り飲料に比べて、いつでも手軽に飲みたい分だけ飲め、そのうえキャップを閉めればどこへでも持ち運べるという利便性がある。また、消費者の健康志向も伴って、さまざまなペットボトル飲料の中でも、茶系飲料の売れ行きが好調である。しかし開栓後、直接口をつけて飲み、それを持ち運ぶことで様々な細菌に汚染されることが予測される。そこでペットボトル飲料に口内細菌と大腸菌を植え、どのくらい増殖および変化がみられるかを実験したので報告する。[方法]茶系飲料、スポーツドリンクおよびミネラルウォーターのペットボトル飲料に、自身の唾液より採取した口内細菌と、大腸菌をそれぞれ添加し、25℃で24_から_48時間保存したあと、菌数の変化をペトリフィルムで測定した。[結果]口内細菌を接種したところ、24時間後では、ブレンド茶は約、3.6倍、ミネラルウォーターは約、1.5倍と大きく増加する傾向が認められ、48時間後には無限大となった。ウーロン茶は、48時間後ではほぼ一定を保ち、緑茶は減少傾向を示した。PHが3.7と低いスポーツドリンクは口内細菌が減少する傾向にあった。大腸菌接種では、ウーロン茶、緑茶、ブレンド茶、スポーツドリンクは24時間で検出限界にまで減少し、ミネラルウォーターは一時的に減少したが、48時間後にも接種菌数の約、1/6が検出された。ペットボトル飲料が一般細菌に汚染された場合には、pHが中性に近づくに従い汚染が進行しやすく、pHが3付近では進行し難かった。
著者
大久 長範 大能 俊久 熊谷 昌則
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.91-95, 2006-02-15
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

1)稲庭うどんのタンパク質含量と茹で麺の表面の硬さ(H1),全体の硬さ(H2)及びH2/H1の関係を調べた.H2/H1とタンパク質含量とは負相関になった(r=-0.61).<BR>2)同一企業でタンパク質含量(10.3%,9.6%)の異なる稲庭うどんの空隙を調べたところ,タンパク質含量が低い方が平均長径が大きくなった.<BR>3)各種の稲庭うどんの横断面の空隙率とH2/H1には空隙率が8%から10%に最大値があり,それを越えるとH2/H1が低下するという傾向があった.
著者
大久 長範
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.7, pp.472-477, 2013 (Released:2018-01-15)
参考文献数
20
被引用文献数
1

稲庭うどんには肉眼でも判別できる位の空隙(気泡)が存在し,この空隙が歯ごたえの原因となつており,その他の乾通やスパゲテイーに認められている水分勾配による歯ごたえではなく,この気泡は小麦粉に食塩水を添加し,手延べ製麺を繰り返すことにより,集積された耐塩性酵母Hyphopichia burtoniiがアミラーゼを保有し,可溶性デンプンを発酵し炭酸ガスを発生することにより生成し,稲庭うどんは伝統的な発酵食品であることを明らかにしたので,解説いただいた。
著者
大久 長範
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.208-213, 2017 (Released:2022-12-05)
参考文献数
12

その歯ごたえで人気のある稲庭うどんは,400年近くの歴史があり,今も伝統的な製法で生産されているが,その歯ごたえのわりに茹で時間が短い理由の一つが,実は耐塩性酵母による空隙が関与している可能性を示唆する極めて興味深い内容の話を,専門的な立場から丁寧に解説いただいた。麺類には色々な種類があるが,麺類に興味のある方のみならず,微生物に興味のある皆様にも是非とも御一読をお勧めする。
著者
山田 節子 今野 祐子 三森 一司 出雲 悦子 大久 長範
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.173, 2006

[目的]近年、ペットボトル飲料を日頃から水分補給のために利用する人が増えている。缶入り飲料に比べて、いつでも手軽に飲みたい分だけ飲め、そのうえキャップを閉めればどこへでも持ち運べるという利便性がある。また、消費者の健康志向も伴って、さまざまなペットボトル飲料の中でも、茶系飲料の売れ行きが好調である。しかし開栓後、直接口をつけて飲み、それを持ち運ぶことで様々な細菌に汚染されることが予測される。そこでペットボトル飲料に口内細菌と大腸菌を植え、どのくらい増殖および変化がみられるかを実験したので報告する。<BR>[方法]茶系飲料、スポーツドリンクおよびミネラルウォーターのペットボトル飲料に、自身の唾液より採取した口内細菌と、大腸菌をそれぞれ添加し、25℃で24_から_48時間保存したあと、菌数の変化をペトリフィルムで測定した。<BR>[結果]口内細菌を接種したところ、24時間後では、ブレンド茶は約、3.6倍、ミネラルウォーターは約、1.5倍と大きく増加する傾向が認められ、48時間後には無限大となった。ウーロン茶は、48時間後ではほぼ一定を保ち、緑茶は減少傾向を示した。PHが3.7と低いスポーツドリンクは口内細菌が減少する傾向にあった。大腸菌接種では、ウーロン茶、緑茶、ブレンド茶、スポーツドリンクは24時間で検出限界にまで減少し、ミネラルウォーターは一時的に減少したが、48時間後にも接種菌数の約、1/6が検出された。ペットボトル飲料が一般細菌に汚染された場合には、pHが中性に近づくに従い汚染が進行しやすく、pHが3付近では進行し難かった。
著者
塚本 研一 戸枝 一喜 船木 勉 大久 長範 松永 隆司
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.313-319, 2007-07-15 (Released:2007-10-04)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

秋田県産のはたはたずし製品について秋田県内3地域の代表的製品の製品形態,各種化学成分,遊離アミノ酸,有機酸,遊離糖類,微生物について検討した結果,以下の特徴を明らかにした.(1)沿岸北部の製品は原料にハタハタ,米,野菜を主に使用し,熟成期間が短く乳酸発酵がない早ずしである.主に食酢処理による酢酸の浸透により微生物を抑制していた.(2)沿岸中央部の製品は原料にハタハタ,米,米麹,野菜を主に使用し,乳酸発酵があるなまなれずしである.使用原材料ではいずしに近く,米麹,野菜を使用し乳酸発酵を促進するなまなれずしの伝統的な製造法に近かった.(3)沿岸南部の製品は原料にハタハタ,米飯,米麹,野菜を主に使用し,米飯の米麹による糖化を十分に行っているが,乳酸発酵はない早ずしである.使用原材料ではいずしに近いが,食酢処理による酢酸の浸透および米飯の米麹による十分な糖化と砂糖添加による水分活性低下で微生物を抑制していた.これらの結果から秋田県のハタハタずし製品は乳酸発酵があるなまなれずしタイプと早ずしタイプの2つに分類された
著者
大久 長範 鈴木 直樹 斉藤 毅 畑中 和成 佐々木 準哉 西川 正純
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.287-291, 2013-08-05
参考文献数
19

高電圧マイナスイオン発生器を油フライヤーに使用したときの油の酸化劣化を評価した。500nmにおける吸光度,トランス脂肪酸の生成は高電圧マイナスイオン発生器を作動させると進行が抑制された。食パンの揚げ試験において,対照に比べ高電圧マイナスイオン発生器の使用では有意に水分含量の低下が認められた。高電圧マイナスイオン発生器の使用により14種の油臭成分が半減することが示された。高電圧マイナスイオン発生器を作動させると槽内の温度が速やかに低下する傾向があり,槽内の油の流動が高まっていると考えられた。
著者
大久 長範 鈴木 直樹 三浦 みどり 遠藤 耕介 藤田 康弘
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.442-446, 2012-09-15
被引用文献数
1 5

小麦粉に8% (w/v)食塩水を添加し24時間熟成した後に手で伸ばし製麺したところ,稲庭うどん等に見られている空隙が形成された.熟成温度を10℃から23℃,30℃と高くすると空隙が大きくなった.稲庭うどんの生地から酵母(M1株とM2)を単離した.いずれの株も,グルコースをはじめ5種類の単糖,二糖類を発酵しガスを発生し,可溶性デンプンを資化し,10% (w/v)の食塩水溶液にも耐性を示した.rDNAのITS領域の塩基配列および糖の資化性から,これらの菌株を<I>Hyphopichia burtonii</I>と同定した.M1株,M2株を小麦粉に添加しドウを作製し30℃に保存すると,10時間以降にドウ体積の増加した.対照および<I>Hyphopichia burtonii </I>NBRC10837では,36時間にわたりこのようなドウの膨れは認められなかった.稲庭うどん等の手延べ乾麺の空隙形成に耐塩性酵母が関与していると考えられた.
著者
熊谷 昌則 大久 長範 小川 信明
出版者
秋田県総合食品研究所
雑誌
秋田県総合食品研究所報告 (ISSN:13453491)
巻号頁・発行日
no.6, pp.18-24, 2004

職人技が受け継がれている「稲庭うどん」の製造現場で、その工程管理に適用可能な近赤外分光法による成分分析法について検討した。携帯可搬型装置の利用により、稲庭うどん半製品にその場で光を当てるだけの簡便な操作により、数秒以内で水分などが定量できることを示した。これにより、乾燥工程がモニタリング可能となり、品質の安定化や微生物の低減化に貢献できることが分かった。また本法は小麦粉の原料管理や稲庭うどん製品の品質管理にも適用可能である。
著者
大久 長範 堀金 明美 大能 俊久 吉田 充
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.522-527, 2005 (Released:2007-04-13)
参考文献数
11
被引用文献数
3 4

1) 稲庭うどん, ナンバーワンひやむぎ, 讃岐うどんの圧縮強度 (低圧縮H1, 高圧縮H2) 及びその比 (H2/H1) を求めた.2) 茹で30分後のH2は, ナンバーワンひやむぎで1.9N, 讃岐うどんで2.5Nでに対し, 稲庭うどんでは4N~7Nと大きな値であった. 時間の経過とともにH1とH2は変化するものもあったが, H2/H1比はほぼ一定の値となり, No1ひやむぎが約10, 讃岐うどん約8, 稲庭うどんが13~18であった.3) 茹でた稲庭うどんをMRIにより観察したところ, 空隙があり, 空隙には水が進入していない状態が6時間に渡り維持された. ナンバーワンひやむぎや讃岐うどんにはこのような空隙が観察されなかった.
著者
大久 長範 大能 俊久 森 勝美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.316-318, 2003-07-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
12
被引用文献数
7 16

(1) 玄米,発芽玄米及び籾発芽玄米の遊離アミノ酸含量とγ-アミノ酪酸含量には正の相関(r=0.928)が認められた.(2) あきたこまちを原料とした試料がγ-アミノ酪酸含量が高く,ミルキークイーンの玄米を原料とした試料はアラニン含量が高いという傾向があった.(3) 籾発芽した種子を,50°Cと60°Cで処理したこころ,遊離グルタミン酸が減少し,遊離アラニンが増加した.
著者
大久 長範 千葉 紘子 長谷川 勇治 高畠 聡 秋山 美展
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.547-550, 2002-08-15
被引用文献数
3 4

1) 稲庭うどんのグループ(7種類)の断面には,長く延びた気泡が観察された.<BR>2) 供試乾麺の食塩の初期溶出速度と体積表面積比(S/V)との関係を求めた.稲庭うどんグループのS/V比は,2.5~3.4の範囲にあり,一分間の茹でにより30~60%の食塩が溶出した.<BR>3) 茹で麺のαアミラーゼ消化は,稲庭うどんがナンバーワンうどんより早かった.
著者
塚本 研一 戸枝 一喜 船木 勉 大久 長範 松永 隆司
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.313-319, 2007-07-15
被引用文献数
1 1

秋田県産のはたはたずし製品について秋田県内3地域の代表的製品の製品形態,各種化学成分,遊離アミノ酸,有機酸,遊離糖類,微生物について検討した結果,以下の特徴を明らかにした.<BR>(1)沿岸北部の製品は原料にハタハタ,米,野菜を主に使用し,熟成期間が短く乳酸発酵がない早ずしである.主に食酢処理による酢酸の浸透により微生物を抑制していた.<BR>(2)沿岸中央部の製品は原料にハタハタ,米,米麹,野菜を主に使用し,乳酸発酵があるなまなれずしである.使用原材料ではいずしに近く,米麹,野菜を使用し乳酸発酵を促進するなまなれずしの伝統的な製造法に近かった.<BR>(3)沿岸南部の製品は原料にハタハタ,米飯,米麹,野菜を主に使用し,米飯の米麹による糖化を十分に行っているが,乳酸発酵はない早ずしである.使用原材料ではいずしに近いが,食酢処理による酢酸の浸透および米飯の米麹による十分な糖化と砂糖添加による水分活性低下で微生物を抑制していた.<BR>これらの結果から秋田県のハタハタずし製品は乳酸発酵があるなまなれずしタイプと早ずしタイプの2つに分類された