著者
原 孝成 髙橋 弥生 おかもと みわこ 日暮 トモ子 當銘 美菜
出版者
目白大学高等教育研究所
雑誌
目白大学高等教育研究 = Mejiro University Education Research (ISSN:21859140)
巻号頁・発行日
no.27, pp.93-101, 2021-03-31

本研究は、目白大学子ども学科の卒業生の実態を把握し、現在保育福祉職を目指している在学生に対する「就職前の期待と現実とのギャップから生まれるリアリティショック(RS)への対応」への有効な支援策検討資料を作成することを目的とし、本学科の卒業生全員を対象に質問調査を実施した。現在保育・福祉職に勤務している者としていない者では、どちらも仕事にやりがいを感じていた。保育福祉職を選んだ理由として、現在勤務していない者の方が「自分に向いてる」と回答する割合が高く、そう考えて仕事を目指した者の方が現実とのギャップを感じ保育福祉職を離れてしまっていることが示唆された。また、現在勤務している者は退職の理由として「職場の方針に疑問を感じた」「継続できないような職場の雰囲気」と回答する割合が高かった。保育福祉職にやりがいを感じていれば、外的要因(職場の雰囲気など)で離職しても再度保育福祉職に勤務する可能性があるが、内的要因(RSなど)で離職した場合その可能性が低いことが示唆された。
著者
褚 宏啓 一見 真理子 日暮 トモ子
出版者
教育史学会
雑誌
日本の教育史学 (ISSN:03868982)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.135-142, 2011

教育の近代化とは、教育形態の変遷に伴う近代性の不断の進展の歴史過程を指す。教育の近代性も社会発展につれて変化が生じている。というのも、ある種の近代性は不断に発展し深化しているし、新たなタイプの近代性、例えば教育の生涯化・国際化・情報化等が生じているからである。教育の伝統と近代性は必ずしも相対立はしないが、両者は相互に影響しあっている。教育近代化の先行者と後発者は同様ではない。教育の後発効果にはプラス面もマイナス面もあるが、前者を強め後者を弱めることに注意しなければならない。人間の発達と国家の発展は、教育近代化の2つの基本的な価値基準であり、教育の近代化は、人間の全面発達・人間の近代化・経済の近代化・政治の近代化などに貢献すべきである。世界の教育近代化過程においては中国・日本と韓国のいずれもが後発者に属している。ただし日本は「後発者の中の先行者」に属し、最前線を歩んだ。中国と韓国の近代化のプロセスは挫折に満ちていたが、現在はともに新たな順調な発展期に入っている。
著者
所澤 潤 中田 敏夫 入澤 充 小川 早百合 古屋 健 江原 裕美 澤野 由紀子 志賀 幹郎 山口 陽弘 田中 麻里 YOFFE LEONID G 服部 美奈 山崎 瑞紀 日暮 トモ子 猪股 剛 小池 亜子 小室 広佐子 近藤 孝弘 三輪 千明 市川 誠 音山 若穂 前田 亜紀子 徳江 基行 モラレス松原 礼子 佐藤 久恵 林 恵 清水 真紀 福田 えり (石司 えり) 白石 淳子
出版者
東京未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

ドイツ、イタリア、チェコ、ブラジルは、学齢児の就学義務を設定している。ドイツとイタリアでは子供は社会の責任で国籍に拠らずに最低限の教育を受けさせねばならないという考えがあり、また、4国には、居住する子供を国籍で判別することが技術的に困難であるという共通の事情がある。それに対して、中国、韓国、台湾、タイでは、日本と同様、国家は自国民の子供に対してだけ就学/教育義務を課すという考えが主流である。いずれの国でも教授言語を習得させる特別な教育が設定されているが、並行して母語保持教育を実施する点についてはいずれの国もほとんど制度化が進行していない。