著者
木下 博義 山中 真悟 中山 貴司
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.181-188, 2013-11-27 (Released:2013-12-12)
参考文献数
13
被引用文献数
5 2

本研究では,理科における小学生の批判的思考に焦点を当て,その実態を明らかにすることを第一の目的とした。さらに,小学生の批判的思考に影響を及ぼす要因構造を分析し,指導法考案へ向けての示唆を導出することを第二の目的とした。これらの目的を達成するため,小学校5,6 年生429 名を対象に,35 項目からなる質問紙調査を実施した。その結果,一つ目の目的に対して,児童の探究的・合理的な思考に比べて,反省的な思考や根拠を重視しようとする意識が低いことが明らかになった。また,二つ目の目的に対して,探究的・合理的に思考している児童ほど,反省的に思考したり,意見の根拠を重視したりしていることが明らかになった。これらの結果を踏まえ,児童の反省的な思考や根拠を重視しようとする意識を高めるためには,探究的・合理的な思考を培うような指導をすべきであるという示唆を得た。
著者
角屋 重樹 木下 博義 佐伯 貴昭
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.37-43, 2007
被引用文献数
2

本研究の目的は,小学校と中学校の教師を対象に,観察・実験を通して児童・生徒に育成される力を因子論的に分析するとともに,小学校教師と中学校教師がとらえている観察・実験を通して育成される力に関する因子の関係を検討することである。このため,広島県内の全公立小中学校の理科担当教師を対象に,16項目からなる質問紙調査を実施した。小学校教師366名と中学校教師255名を対象とした結果は,以下のようになった。(1)小学校教師が観察・実験を通して児童に育成されると考えている因子は,問題解決の技能と原理や法則の理解からなるものと,人間性の育成,の2つである。(2)中学校教師のそれは,問題解決の技能,人間性の育成,原理や法則の理解,の3つである。(3)小学校教師と中学校教師の観察・実験を通して育成される力に関する因子の関係は,以下のようになった。(1)小学校教師が観察・実験を通して育成されると考えている因子は,問題解決の技能と原理や法則の理解からなるものであったが,中学校のそれは問題解決の技能と原理や法則の理解に分離していた。(2)小学校教師が観察・実験を通して育成されると考えている人間性の育成という因子は,中学校教師と同一であった。
著者
後藤 顕一 松原 静郎 松原 憲治 猿田 祐嗣 高橋 三男 松浦 拓也 木下 博義 寺谷 敞介 堀 哲夫
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

学習ツールである「相互評価表」とこれを用いる学習活動を開発した。「相互評価表」を活用する学習活動とは,評価規準が示された「相互評価表」を用いながら自己評価・他者評価を行い,この行った評価について自由記述によるコメントを残していく方法である。学習前後の比較コメントを分析したところ,科学的リテラシーの「能力」のうち,①科学的な疑問を認識すること,②現象を科学的に説明すること,について意識をした記述ができるようになることがわかった。自己の学習を振り返ることでその意義を自覚し,実感を持って自己の伸張を感じつつ,主体的な学びを醸成することが期待できると示唆された。