著者
古茂田 恵美子 森田 幸雄 田村 真理 山本 茂貴 野田 雅博 小澤 邦壽 木村 博一
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.721-725, 2011-11-15 (Released:2013-09-05)
参考文献数
36

We examined the prevalence of three foodborne organisms, Arcobacter, Campylobacter and Salmonella, in 50 samples of retail ground chicken meat. Arcobacter spp. was isolated from 26 (52%) of these samples, A. butzleri being detected in 21 samples, A. cryaerophilus (group 1B) in 3 samples, both A. butzleri and A.cryaerophilus (group 1B) in 1 sample, and A. skirrowii in 1 sample. C. jejuni was isolated from 11 (22%) of the samples, and Salmonella was isolated from 6 (12%) of the samples. Serovars S. Infantis was detected in 5 samples and S. Yovokome in 1 sample. These findings suggest that retail ground chicken meat may be a potential vehicle for transmitting Arcobacter, Campylobacter and Salmonella infectious diseases.
著者
鈴木 渉 大廣 義幸 塚越 博之 木村 博一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.230-236, 2015-03-20 (Released:2017-07-28)
参考文献数
19
被引用文献数
6 6

わが国では,大量調理施設において,食品従事者由来ノロウイルス(NoV)の食品への二次汚染が原因と推定される大規模食中毒事例が多数発生している.したがって,このような事例を減らすため,調理従事者からNoV を迅速かつ高感度に検出し,対策を講じることは重要であると思われる.現在,NoV 検査法は,主に逆転写リアルタイムPCR(rRT-PCR)法を主体とした遺伝子検査法が使われているが,高感度であるもののコストが高く煩雑なため多検体測定は困難である.遺伝子検査法以外には一般的に簡易で経済的な酵素免疫測定法(ELISA 法)やイムノクロマト法(IC 法)があるものの,感度が十分とはいえない.われわれはこれらの問題を解決すべく,生物発光酵素免疫測定法(BLEIA 法)による全自動NoV 検出システムを新たに開発した.群馬県で発生した感染性胃腸炎事例および健常者ボランティアの糞便計232 検体による評価を,既報のrRT-PCR 法を基準として,BLEIA 法と市販遺伝子検出キットであるloop-mediated isothermal amplification 法(LAMP 法)で実施した.結果,BLEIA 法とrRT-PCR 法の感度,特異度および一致率は,それぞれ93.1%(135/145),100%(87/87)および95.7%(222/232),LAMP 法とrRT-PCR 法ではそれぞれ91.0%(132/145),98.9%(86/87)および94.0%(218/232)となった.BLEIA 法の測定値(COI)とrRTPCR 法より求めたウイルス量とは良好な相関性(r=0.72)があり,またその回帰式とBLEIA 法のカットオフ(COI=1)との交点より検出限界は105 から106 コピー/g 糞便と推測された.類縁ウイルスなどの感染性胃腸炎ウイルスと反応はみられず,交差反応は認められなかった.以上のことから,BLEIA 法は既報のrRT-PCR 法やLAMP 法と同等の感度を有し,ハイスループットなNoV 検査システムであることが示唆された.また,今後の日常的な多数の検便検査,すなわち大量調理従事者などのNoV 検査に応用可能であることも示された.
著者
木村 博一
出版者
奈良学芸大学教育研究所
雑誌
奈良学芸大学教育研究所紀要
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-23, 1965-03-30
著者
菅井 和子 木村 博一 宮地 裕美子 吉原 重美 緒方 裕光 岡山 吉道
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.22-27, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
22

乳幼児期のウイルス感染に伴う下気道感染症では喘鳴発症が多く, それが反復喘鳴や喘息発症の一因であることが多く報告されている. 特に, RSV, HRVは喘鳴のおもな起因ウイルスであり, アトピー-素因, 吸入抗原感作等と関連し, 喘息発症と関連するとの報告も多い. 低月齢児では肺機能等客観的な評価は困難だが, 非侵襲的に反復喘鳴予測ができれば, 喘息管理において, より早期の介入が可能となる. 喘息患者で気道上皮由来のTSLP, IL-25, IL-33やTh2サイトカイン等が注目されているが, 喘息発症前の初回喘鳴時のより強力な気道炎症誘導因子の存在も考えられる. われわれは, ウイルス感染に伴い初回喘鳴を呈した乳幼児対象の研究で, MIP-1αによりその後の反復喘鳴が予測可能となる研究結果を得た. 簡便に採取可能な鼻汁検体からの反復喘鳴予測の可能性が示唆された. パリビズマブの早産児におけるRSV感染後の反復喘鳴予防の有効性や, ワクチンの研究もあるが, 実用化には至っていない. ウイルス感染後の喘息発症予防において, 感染予防とともに発症予測因子に関する研究も今後さらに必要と考える.