著者
本郷 道夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.451-457, 2022 (Released:2022-11-01)
参考文献数
26

腸内細菌は,多種にわたり大量に腸管内に存在する.腸管粘膜は,上皮細胞間のタイトジャンクションにより緊密に結合し,表面は粘液により被覆される.粘液はその物理的性状,粘液中に分泌されるs-IgAおよび抗菌蛋白により免疫学的に管腔内物質の生体への侵入を予防し,上皮内の樹状細胞,上皮下の免疫細胞およびs-IgAによってより強固な防御機構を形成する.加齢や心理社会環境ストレスは粘液産生低下および免疫機能低下により腸管バリア機能が低下したleaky gutを誘発する.その結果,精神神経系,消化器系,代謝系,免疫系の多彩な腸内細菌関連疾患を誘発する.その主要な機序は,炎症,細菌代謝物などの侵入もしくは吸収,免疫反応である.精神神経疾患の病態においては,精神疾患は主として炎症反応が脳血液関門を障害し,神経炎症を引き起こすこと,神経変性疾患では腸管で吸収された物質が求心性神経を経由して中枢神経系で凝集すること,がその主要な病態と推測される.
著者
本郷 道夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.356-357, 2017-07-20 (Released:2018-01-01)
参考文献数
1

胃は,食物を摂取した後,弛緩と蠕動運動により摂取物の移動を適切に調節すること,酸による雑菌の殺菌,食物の消化とを司る。その機能は,胃底部および胃体部の弛緩収縮と酸分泌,胃前庭部の蠕動運動とガストリン分泌とによって行われる。すなわち,胃は機能的に二つの臓器から成り立っていることになる。さらに,胃で分泌された酸は,十二指腸への流入状況によって様々な消化管ホルモンを介して生体機能および食行動の制御を行っている。
著者
本郷 道夫 本郷 道夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.1883-1891, 1982-10-05 (Released:2007-12-26)
参考文献数
24
被引用文献数
1

Ca拮抗剤は,Caイオンの細胞内流入を抑制することにより平滑筋弛緩をおこすものである.本研究では食道下端括約圧(LESP)に対するCa拮抗剤の影響について基礎的ならびに臨床的検討を行った.麻酔犬を用いた実験では、nifedipine, verapamil, diltiazemは,安静時LESPを低下させtetragastrin, bethanecholによるLESPの上昇も抑制した.臨床的にはCa拮抗剤のLESP低下作用をLESP亢進状態であるアカラシアに対して応用することを考え,舌下投与の可能なnifedipineについて検討を行つた.その結果,nifedipineはアカラシア患者のLESPを低下させ,また症状の改善をもたらした.したがつて,nifedipineはアカラシアの内科的治療の手段となり得ると思われる.
著者
岩橋 成寿 田中 義規 福土 審 本郷 道夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.459-466, 2002-07-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
18
被引用文献数
3

自覚されたストレスレベルを測定するPerceived Stness Scale(PSS)を翻訳・改変して日本語版自覚ストレス調査票(Japanese Perceived Stress Scale;JPSS)の開発を試み,一般成入群351名と心療内科患者群65名を対象に,信頼性と妥当性を検討した.α信頼性係数は両群でそれぞれ0.82と0.89であった.JPSS得点の平均値は,患者群において一般成人群に比し有意に高値であった.両群においてJPSS得点と社会再適応スケール(Social Readjustment Rating Scale;SRRS)得点はそれぞれ正の相関を示し,相関係数は患者群で有意に高い値を示した.患者群において,JPSSはSRRSに比べ,精神的自覚症および抑うつ性尺度とより強い相関を示した.JPSSはPSSと同等の信頼性と妥当性を有し,本邦において自覚ストレスを測定する有用なツールになり得ることが示唆された.
著者
真山 享 赤井 裕輝 渡辺 力夫 阿部 茂樹 門伝 昌巳 本郷 道夫 豊田 隆謙 後藤 由夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.1017-1022, 1987-11-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

糖尿病性自律神経障害による胃排出能の異常が食事摂取後のインスリン需要動態および血糖コントロールに与える影響について検討した. 胃排出能正常な糖尿病者 (N群) 4名, 胃無力症 (胃排出能高度異常) の糖尿病者 (G群) 7名の計11名を対象とした.胃排出能は99m-Tc-Tin colloidにより標識した試験食摂取後のアイソトープ胃内残存量をガンマカメラにて経時的に測定し, 全例に人工膵島 (Biostator®) によるfeedback controlを行い, インスリン注入動態を観察した.G群では食後のアイソトープ胃内残存率がN群に比較して高値であり, 150分後ではG群, 74.1±7.4%(M±SD), N群21.3±5.4%であった (p<0.01). 食後インスリン需要量はN群でG群よりも高値であり, 150分後ではN群11.7±5.3単位, G群5.6±2.1単位であった (p<0.05).prokinetic agentの投与により, 胃排出能が著明に改善した6例では, 血糖日内変動, HbA1ともに明きらかに改善し, 良好なコントロールが得られた.胃排出能の異常は血糖の不安定性の原因の1つであり, インスリン需要動態に大きな異常をもたらす. 胃排出能の改善により, 食後インスリン需要量が適正化し, 良好な血糖コントロ一ルを得ることが可能となる.
著者
角田 浩 内海 厚 本郷 道夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.325-329, 2007-05-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
11
被引用文献数
2

Purpose : Evidences show that strong association between mood disorder such as depression and CAD prognosis. Also, physical exercise is known to improve the hostility in patients with coronary artery disease (CAD). However, little is known on the effects of physical exercise on the mood change in healthy adults with reference to gender difference. The purpose of our study is to examine how aerobic exercise affects mood states in normal subjects. Method : 62 healthy subjects (16 males, 46 females, the mean age + / -SD was 52+ / -14 with ages ranging from 20-72) were recruited by a local public relations magazine. The subjects participated in an aerobic exercise program twice a week for three months. We assessed the pre-and post-program mood with the Profile of Mood States (POMS) and classified the subjects into two groups by T-scores (the "relatively bad mood" group was defined by T score≦50 for "Vigor" and T score≧50 for other subscales). Results : The mood states seemed to improve after the aerobic program only in those with low T-score for Vigor and high T-score for other subscales of POMS. Decrease in T-score was observed in Depression-Dejection, Tension-Anxiety, Confusion and Fatigues, and Increase in T-score in Vigor were observed in female subjects. Changes in these parameters in male were also observed in a limited umber of subjects, which may not be enough to draw conclusive comments on the effect of the aerobic program for mood status in male subjects. Conclusion : Our three month-long aerobic exercise program improved the bad moods in healthy subjects. This effect might be useful for prevention against CAD.
著者
本郷 道夫
雑誌
自律神経 = The Autonomic nervous system (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.339-341, 1998-06-15
被引用文献数
2