著者
杉崎 幸子 渡邊 智子 村松 芳多子 内藤 準哉 土橋 昇
出版者
千葉県立衛生短期大学
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.17-21, 2001

衛生管理を施した太巻き寿司に衛生基準を下回る量ではあるが大腸菌群が検出されたことに着目し,その原因食品を把握するためその素材の付着菌数について検討した。1.一般細菌は各素材から検出され,海苔(平均1.9×10^3個/g),桜でんぶ(平均1.8×10^3個/g),野沢菜漬(平均6.4×10^2個/g),山ごぼう(平均1.1×10^2個/g),紅生姜(平均1.5×10^1個/g),卵焼き・寿司飯(平均1.0×10^0個/g)の順に多かった。2.大腸菌群は野沢菜漬の10試料中5試料から平均2.0×10^2個/g検出されたが,他の素材からは全く検出されなかった。3.販売形態別に付着細菌をみると,「量り売り」,「袋入り(工場詰め)」のいずれからも細菌が検出され,5.0×10^1個/g以上の一般細菌の検出率は,「量り売り」では90%,「袋入り(工場詰め)」では50%であった。以上のことから,使用に当たっては洗浄や加熱による細菌の付着抑制を行う等の対応が考えられる。
著者
村松 芳多子 鈴木 亜夕帆 寺嶋 芳江 土橋 昇 渡邊 智子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.725-732, 2004-09-15
被引用文献数
1

Although, mushrooms have low nutritional value and are not easily digested, it is desirable to include them in the diet since they are rich in dietary fiber and vitamin D. This study evaluates the awareness of dietary habit and nutritional value among students studying nutrition and their families, with the objective of increasing the consumption of mushrooms and improving healthful dietary habits. Sixty percent of both the students and their families reported that they liked mushrooms, the orders of preference being shiitake, bunashimeji, maitake, and winter mushrooms (enokitake). Seventy percent of the students and their families ate mushrooms at least once a week. Tempura cooking style was least preferred the students. Both the students and their families value freshness and price when buying mushrooms, and purchase mushrooms because of their good taste. They also perceive mushrooms as being expensive.
著者
田中 直義 木村 小百合 木内 幹 鈴木 あゆ野 村松 芳多子 三星 沙織
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.167-174, 2012-04-15 (Released:2012-05-31)
参考文献数
33
被引用文献数
2

糸引き納豆は醗酵後の冷蔵中ににおいが変化してゆくことが知られており,品質の変化が早く生鮮飲食品並みの消費期限が設けられている.冷蔵中における主要なにおい物質の変化を以下の方法で検討した.(1) 購入直後の市販納豆および1週間冷蔵庫中で保存した市販納豆から臭い物質を連続水蒸気蒸留抽出によりエーテルに抽出し,濃縮した.得られたエーテル濃縮液をガスクロマトグラフ-におい嗅ぎ法で分析したが,試料間の差異が大きかったのでエーテル濃縮液を10の指数関数的に希釈することにより,主要な臭い物質を検索した.その結果,主要なにおい物質として2-メチルプロパン酸エチル,2-メチル酪酸エチル,3-メチル酪酸エチルなどの低分子脂肪酸エステル,2,5-ジメチルピラジン,トリメチルピラジンなどのピラジン類,酢酸,2-メチルプロパン酸,2- or/and 3-メチル酪酸などの低分子脂肪酸,およびエタノールが検出できた.1週間冷蔵中で保存するとそれらの物質の中で,低分子脂肪酸エステルのにおいは弱く,ピラジン類と低分子脂肪酸は強くなる傾向にあった.(2) 醗酵終了直後および冷蔵日数の異なる納豆からにおい物質をSPME法で抽出・濃縮し,ガスクロマトグラフで分析し,主要なにおい物質の変化を測定した.冷蔵日数が長くなるにつれて主要なにおい物質の中で,低分子脂肪酸エステルは減少,ピラジン類と酢酸以外の低分子脂肪酸は増加する傾向にあった.以上の結果から,冷蔵中のにおいの変化は,脂肪酸エステル類が減少し,ピラジン類および酢酸以外の低分子脂肪酸類が増加することによるものと推定した.
著者
田中 直義 木村 小百合 木内 幹 鈴木 あゆ野 村松 芳多子 三星 沙織
出版者
日本食品科学工学会
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.167-174, 2012 (Released:2013-10-08)

糸引き納豆は醗酵後の冷蔵中ににおいが変化してゆくことが知られており,品質の変化が早く生鮮飲食品並みの消費期限が設けられている。冷蔵中における主要なにおい物質の変化を以下の方法で検討した。(1)購入直後の市販納豆および1週間冷蔵庫中で保存した市販納豆から臭い物質を連続水蒸気蒸留抽出によりエーテルに抽出し,濃縮した。得られたエーテル濃縮液をガスクロマトグラフ-におい嗅ぎ法で分析したが,試料間の差異が大きかったのでエーテル濃縮液を10の指数関数的に希釈することにより,主要な臭い物質を検索した。その結果,主要なにおい物質として2-メチルプロパン酸エチル,2-メチル酪酸エチル,3-メチル酪酸エチルなどの低分子脂肪酸エステル,2,5-ジメチルピラジン,トリメチルピラジンなどのピラジン類,酢酸,2-メチルプロパン酸,2-or/and3-メチル酪酸などの低分子脂肪酸およびエタノールが検出できた。1週間冷蔵中で保存するとそれらの物質の中で,低分子脂肪酸エステルのにおいは弱く,ピラジン類と低分子脂肪酸は強くなる傾向にあった。(2)醗酵終了直後および冷蔵日数の異なる納豆からにおい物質をSPME法で抽出・濃縮し,ガスクロマトグラフで分析し,主要なにおい物質の変化を測定した。冷蔵日数が長くなるにつれて主要なにおい物質の中で,低分子脂肪酸エステルは減少,ピラジン類と酢酸以外の低分子脂肪酸は増加する傾向にあった。以上の結果から,冷蔵中のにおいの変化は,脂肪酸エステル類が減少し,ピラジン類および酢酸以外の低分子脂肪酸類が増加することによるものと推定した。
著者
三星 沙織 田中 直義 村橋 鮎美 村松 芳多子 木内 幹
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.528-538, 2007-12-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

ミャンマーには伝統的な大豆醗酵食品でペーポ(Pe pok, またはペーガピ,Peegapi)と呼ばれる,農家が小規模で製造している一種の納豆がある.我が国にはない,新しい納豆の生産に適した菌株を取得するためにミャンマー東北部で現地調査を実施しペーポの採集を行った.(1)採集したペーポ試料29点の食塩濃度は0.14-13.7%であった.食塩濃度3%未満が11点,3%以上6%未満が8点,6%以上9%未満が5点,9%以上12%未満2点で,12%以上は3点であった.(2)試料から197株を分離し,137株をBacillus subtilisと同定した.そのうち42株を蒸煮大豆に生育したコロニーの糸引きから納豆菌として選別した.(3)分離菌の最適生育温度は,33℃が1株,35℃が1株,37℃が5株,39℃が9株,41℃が19株,43℃が6株,45℃が1株であり,温度域に幅があった.(4)小規模の納豆製造を行って,我が国の糸引納豆にも適する株として10株を選別した.それらの株で製造した納豆は,我が国の納豆に類似した性質を有するものもあったが,臭いまたは糸引き,苦味などの改良が必要なものもあった.これらは,さらに製造法を検討することによって現存する我が国の納豆とは異なる新しい納豆を製造する菌株として使用できる可能性がある.

1 0 0 0 OA 納豆菌の開発

著者
木内 幹 村松 芳多子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.12-15, 1999-06-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
11
著者
田中 直義 木村 小百合 木内 幹 鈴木 あゆ野 村松 芳多子 三星 沙織
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.167-174, 2012-04-15
被引用文献数
1

糸引き納豆は醗酵後の冷蔵中ににおいが変化してゆくことが知られており,品質の変化が早く生鮮飲食品並みの消費期限が設けられている.冷蔵中における主要なにおい物質の変化を以下の方法で検討した.<BR>(1) 購入直後の市販納豆および1週間冷蔵庫中で保存した市販納豆から臭い物質を連続水蒸気蒸留抽出によりエーテルに抽出し,濃縮した.得られたエーテル濃縮液をガスクロマトグラフ-におい嗅ぎ法で分析したが,試料間の差異が大きかったのでエーテル濃縮液を10の指数関数的に希釈することにより,主要な臭い物質を検索した.その結果,主要なにおい物質として2-メチルプロパン酸エチル,2-メチル酪酸エチル,3-メチル酪酸エチルなどの低分子脂肪酸エステル,2,5-ジメチルピラジン,トリメチルピラジンなどのピラジン類,酢酸,2-メチルプロパン酸,2- or/and 3-メチル酪酸などの低分子脂肪酸,およびエタノールが検出できた.1週間冷蔵中で保存するとそれらの物質の中で,低分子脂肪酸エステルのにおいは弱く,ピラジン類と低分子脂肪酸は強くなる傾向にあった.<BR>(2) 醗酵終了直後および冷蔵日数の異なる納豆からにおい物質をSPME法で抽出・濃縮し,ガスクロマトグラフで分析し,主要なにおい物質の変化を測定した.冷蔵日数が長くなるにつれて主要なにおい物質の中で,低分子脂肪酸エステルは減少,ピラジン類と酢酸以外の低分子脂肪酸は増加する傾向にあった.以上の結果から,冷蔵中のにおいの変化は,脂肪酸エステル類が減少し,ピラジン類および酢酸以外の低分子脂肪酸類が増加することによるものと推定した.
著者
村松 芳多子
出版者
千葉県立衛生短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

昨年は主に市販スターターを用いて、胞子の耐熱性効果を検討した。それをもとに本年度は実際に納豆を製造した時のヒートショック状況と納豆菌胞子の種菌(スターター)化を試みた。大豆はフジキャビアイエローを使用し、蒸煮した大豆に、納豆菌を10^n/mlを納豆100g当たり0.1ml接種し、鈴与工業製SY-NO/20自動納豆製造装置(製造プログラムA)を用いて納豆を製造した。さらに納豆製造中の納豆菌の発芽状態と発酵状況得るために酸素電極による酸素濃度と、温度センサーによる温度変化を測定した。70℃,5分間、70℃,10分間、100℃,5分間、100℃,10分間で加熱した時の胞子を用い、ヒートショック後の納豆菌の納豆製造におけるヒートショック効果をみたところ、期待したほどの発芽促進効果はみられなかった。納豆発酵過程における容器内酸素濃度の影響はヒートショックをしない方が酸素吸収が多く、100℃でヒートショックを行った場合は、酸素吸収が少なかった。ヒートショックを行い発芽が良くなれば、少量の菌液でもヒートショックを行っていない菌液と同様の酸素濃度が見られると考えられたが、酸素濃度は菌液中の生菌数に比例しているように思われた。容器内温度も菌の生育に応じて変化していた。官能検査の結果、KFP419では100℃,5分間の菌液で糸引きが良かったが、熱処理をしていないものとの有意差は見られなかった。しかし、KFP1では70℃,10分間と100℃,5分間で糸引きが良くなりその差が見られた。ヒートショックの効果は糸引きに影響が見られると思われた。種菌化方法は、NBP培地に胞子を生産に不可欠と思われる微量物質を添加し検討した。胞子の割合は遊離胞子数/(有胞子細胞数+栄養細胞数)×100で求めた。100%スタータ化することは困難で、添加する物質により胞子割合は55〜80%であった。培養温度は添加する物質により異なったが、37℃と40℃では40℃の方が適していた。