著者
松原 達哉 Matsubara Tatsuya
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.2, pp.57-64, 1980-03-31
著者
松原 達哉
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.18-28,62, 1969-10-15 (Released:2013-02-19)
参考文献数
20
被引用文献数
1

乗法九九学習を成功させるためには, 児童の心身の発達および経験内容から考察して, 何才何か月ごろから開始するのが, 最も適当であるかを研究すること。さらに, 算数学習のレディネスに影響を与える要因についての分析的研究をすることの2つを目的とした。実験方法は, アメリカの「算数の学年配当7人委員会」の方法を改善し, 4つの実験群を設けた。この各実験群に, 第1基礎テスト, 第2基礎テスト, 予備テスト, 終末テスト, 把持テスト, 知能検査, 記憶実験, ゲス・フー・テストその他の調査を実施した。被験者は, 大, 中都市, 農村の8小学校2年, 3年生1,046名を対象に22名の教師が, 同一指導案によって指導した。本実験の基準に従って整理した結果では, 乗法九九学習の指導開始は, 8才1か月 (2年2学期) から行なっても可能であることが実証された。現在, 8才7か月 (3年1学期) から開始しているが, さらに, 6か月早めても, わが国児童の場合は, 可能であると考えられる。これは, アメリカのC. Washburneらの実験に比べ, 2才1か月早い。また, 算数学習のレディネスの要因としては,(1) 算数学習に必要な知能,(2) 反応の速さ,(3) 視聴覚および視聴覚器官の障害の有無,(4) 健康, 栄養, 疲労の条件, 15) 家庭的背景,(6) 情緒の安定性,(7) 根気の強さ,(8) 自主性,(9) 数の視聴覚記憶,(10) 語の視聴覚記憶,(11) 算数に対する興味,(12) 算数的経験などが重要なものであることが実証された。
著者
松原 達哉
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.37-44, 1966-03-31

子どもの就学は,おおまかに6才といわれるが,しかし,誕生日の違いで,実際に入学する年令は異なっている。ある子どもは6才Oか月で,他の子どもは6才11月で小学校1年生になる。そこで,本研究では,子どもを年少児群・中間児群・年長児群の3群にわけ,学力・体位・欠席日数・指導性について縦断的に比較検討した。年少児群は,6才0〜1か月,中間児群は,6才5〜6か月,年長児群は,6才10〜11か月で入学するものである。結果はつぎのようである。1.国語,社会,算数,理科などの知的教科は,平均して2〜3年間年長児群の方が年少児群に比較しですぐれている。しかし,3〜4年ころからその差異はなくなっている。2.音楽は1年間,図工は5年まで,特に,体育は,6年間年長児群が有意にすぐれていることがめだっている。3.身長・体重・胸囲・座高などの体位は,男女とも小学1年生から中学3年生まで,年長児群が年少児群に比較しですぐれている(ただし,女子の身長,座高は中学2年生まで)。中間児群は,両群の中位を占めて発達している。4.欠席日数は,小学1〜2年間は年少児群の方にやや多い傾向がある。5.学校委員およびクラブ活動の委員の人数は,4年生まで年長児群にやや多い傾向がある。
著者
松原 達哉
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.37-44, 1966-03-31 (Released:2013-02-19)
参考文献数
16
被引用文献数
1

子どもの就学は, おおまかに6才といわれるが, しかし, 誕生日の違いで, 実際に入学する年令は異なっている。ある子どもは6才0か月で, 他の子どもは6才11月で小学校1年生になる。そこで, 本研究では, 子どもを年少児群・中間児群・年長兜群の3群にわけ, 学力・体位・欠席日数「指導性について縦断的に比較検討した。年少児群は, 6才0~1か月, 中間児群は, 6才5~6か月, 年長児群は, 6才10~11か月で入学するものである。結果はつぎのようである。1. 国語, 社会, 算数, 理科などの知的教科は, 平均しで2~3年間年長児群の方が年少児群に比較してすぐ, れている。しかし, 3~4年ころからその差異はなくなっている。2. 音楽は1年間, 図工は5年まで, 特に, 体育は, 6年間年長児群が有意にすぐれていることがめだっている。3. 身長・体重・胸囲・座高などの体位は, 男女とも小学1年生から中学3年生まで, 年長児群が年少児群に比較してすぐれている (ただし, 女子の身長, 座高は中学2年生まで) 。中間児群は, 両群の中位を占めて発達している。4. 欠席日数は, 小学1~2年間は年少児群の方にやや多い傾向がある。5. 学校委員およびクラブ活動の委員の人数は, 4年生まで年長児群にやや多い傾向がある。
著者
松原 達哉
出版者
筑波大学
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.26-34, 1979
著者
橋本 重治 松原 達哉 中司 利一 藤田 和弘 藤田 雅子 栗原 輝雄 柳本 雄次
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.50-63, 1970-12-01 (Released:2017-07-28)

本研究は、肢体不自由児の性格・行動に関して、第1報にひき続き、次のような目的で行なった。1.肢体不自由児の性差と性格・行動との関連を調べること。2.肢体不自由児の運動障害の程度と性格・行動との関連を調べること。3.肢体不自由児にどのような性格・行動がみられるかを事例により研究すること。研究結果は、次のように要約できる。(1)脳性まひの男子に多いのは、社会性がありという性格・行動で、その中でも人なつこいという内容のものが多かった。また、関心事への固執とか、がんこさ、ふざける、はしゃぐといった傾向も多くみられた。脳性まひ児の女子に多いのは、その中でも、世話をよくするという傾向が多くみられた。また、感覚刺激に注意を奪われやすい、感情の変化が激しい、泣く、驚きやすいといった情緒的な性格・行動も多くみられた。非脳損傷肢体不自由児の男子に多い性格・行動は、忍耐力がなく意欲に乏しく、人見知りする、自信欠如などであり、女子に多いのは、一般的活動性、社会性があるという性格行動で、特に意欲的、明朗、指導性などが多くみられた。このように男子と女子とでは、その性格・行動に関して差異がみられたが、この差異は、脳性まひ児群の間でも非脳損傷肢体不自由児群の間でも異なっていた。このことは、病因ごとの性差による性格・行動のちがいを更に深く研究することを示唆している。(2)障害程度と性格・行動との関連について脳性まひ児群と非脳損傷肢体不自由児群とに共通した結果は、重度群は軽度群に比べて依存性が高いということである。このことは、病因に関係なく、障害程度と依存性という特性との間に密接な関係があることを示している。一方、両群間で相違した結果は、脳性まひ児群の場合は、重度群よりも軽度群に自己統制の欠如および攻撃性を示す者が多いことと、非脳損傷肢体不自由児群の場合は、軽度群は重度群に比べて一般的活動性が高いが劣等感を示す者が多く、重度群には抑うつ性を示す者が多いということである。両群の結果がこのように異なった結果を示したのは、脳性まひという病因による特殊性-脳損傷や知能障害など-が関係しているのではないかということが考察された。(3)事例研究では、脳性まひ児群、非脳損傷肢体不自由児群の中から代表的な4ケースを選び、各児童がいかなる性格・行動特性を有するかをみるために、我々が分類した22の大項目に照らして質的に検討した。
著者
松原 達哉
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学部研究紀要 (ISSN:13482785)
巻号頁・発行日
no.2, pp.51-56, 2005-03-31
著者
松原 達哉 山岡 春美
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.32-43, 1968-03-31

目的:肢体不自由児の親の養育態度と普通児の親の態度とを比較研究することおよび、親と子の「親の養育態度」についのズレを研究することを目的とした。方法:被験者は、東京都内の肢体不自由児の養護学校2校の小学1年生から中学3年生までの児童・生徒の父親102人、母親124人と普通校2校の同学年の児童・生徒の父親154人、母親162人である。なお、親子のズレの研究には、肢体不自由児の中学1〜2年生15人、普通児の中学1年生30人が対象である。肢体不自由児のうち約87%が脳性まひ児、13%がポリオ児である。両親の養育態度は、(1)消極的拒否(2)積極的拒否(3)厳格(4)期待(5)干渉(6)不安(7)溺愛(8)盲従(9)矛盾(10)不一致の10の型に各10問ずつ合計100問から成る質問紙法である「親子関係診断検査」によって調べた。これらの10の養育態度の型は、パーセンタイルで結果が評価されるようになっている。結果:本研究結果は、つぎのように総括することができる。(1)肢体不自由児の母親の養育態度は、普通児の母親に比較して、「不安」や「溺愛」的傾向がある。(2)肢体不自由児の父親の養育態度は、普通児の父親に比較して、「不安」「溺愛」「盲愛」「干渉」「矛盾」「不一致」的傾向がある。(3)肢体不自由児の母親よりも、父親の養育態度により多くの問題傾向がある。(4)100の質問項目中、肢体不自由児の母親が普通児の母親より望ましい態度を示している項目は、小学生で8項目、中学生で10項目であった。反対に、普通児の母親の方がよい態度を示している項目は、小学生で48項目、中学生で23項目であった。前述と同様中学生になると母親の態度に改善がみられる。(5)発達的にみると、肢体不自由児の年令が上昇するにつれて、問題となる態度が減少している。この傾向は父親よりも母親に顕著である。この原因としては子どもを養護学校に通学させることによって、学校の先生や親同志の感化をうけて、肢体不自由児の正しい知識や将来に対する見透しがでぎてきたためと推察される。(6)親の養育態度とそれについての子どもの見方のズレは、普通児よりも肢体不自由児の方が少ない。しかし、普通児の方が肢体不自由児よりも親の態度をより好意的にみているものが多い。
著者
松原 達哉 小林 芳郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.359-363, 1967-02-10 (Released:2010-07-16)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1
著者
松原 達哉
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.18-28, 1959-12-30

乗法九九学習を成功させるためには,児童の心身の発達および経験内容から考察して,何才何か月ごろから開始するのが,最も適当であるかを研究すること。さらに,算数学習のレディネスに影響を与える要因についての分析的研究をすることの2つを目的とした。実験方法は,アメリカの「算数の学年配当7人委員会」の方法を改善し,4つの実験群を設けた。この各実験群に,第1基礎テスト,第2基礎テスト,予備テスト,終末テスト,把持テスト,知能検査,配慮実験,ゲス・フー・チストその他の調査を実施した。被験者は,大,中都市,農村の8小学校2年,3年生1,046名を対象に22名の教師が,同一指導案によって指導した。本実験の基準に従って整理した結果では,乗法九九学習の指導開始は,8才1か月(2年2学期)から行なっても可能であることが実証された。現在,8才7か月(3年1学期)から開始しているが,さらに,6か月早めても,わが園児童の場合は,可能であると考られる。これは,アメリカのC.Washburneらの実験に比べ,2才1か月早い。また,算数学習のレディネスの要因としては,(1)算数学習に必要な知能,(2)四反応の速さ,(3)視聴覚および視聴覚器官の障害の有無,(4)健康,栄養,疲労の条件,(5)家庭的背景,(6)情緒の安定性,(7)根気の強さ,(8)自主性,(9)数の視聴覚記憶,(10)語の視聴覚記憶,(11)算数に対する興味,(12)算数的経験などが重要なものであることが実証された。