著者
真貝 寿明 鳥居 隆 塚本 達也 米田 達郎 松浦 清 横山 恵理
出版者
大阪工業大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

天文現象は人類の誕生以来,生活に密接に結びついた知識として実用的な学問を成立させ,生活を精神的に支える宗教を創出し,生活に潤いを与える多くの芸術を生みだしてきた.これらを,文系理系の異なる専門をもつ研究者同士が既存の枠組みを超えて交流することによって,天文と人間の関わりを複眼的に,また真に総合的に理解する可能性を広げたい.そして,「天文文化」をキーワードにして,学問や文化活動の根源的な動機を広く一般社会へも伝えていく.
著者
武田 佐知子 脇田 修 脇田 晴子 高島 幸次 松浦 清 竹居 明男
出版者
大阪外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究会では平成14年〜17年の四カ年通して、聖徳太子信仰・天神信仰それぞれの歴史通貫的比較研究を行い、両者が何故に永く信仰の対象たりえたかを探ってきた。聖徳太子、菅原道真の両者はともに実在した歴史上の人物であり、しかも俗人の立場でありながら信仰の対象となってきた。また、時代を超えて長らく、現代に至るまで、上下を通じた諸階層の篤い信仰を得てきたという共通項がある。本研究会では十三回にわたる研究会を通し、各専門分野の研究者から太子信仰・天神信仰に関わる美術史的、文学史的、そして宗教史、芸能史的研究報告をいただいた。研究会ではこれらの報告を中心に、時代のニーズとともに変化する信仰の形態や、それに付随するイメージの付与、そして宗派や地域を越えて多面的に利用されるそれぞれの信仰の進化形について、活発な討論が行われた。また、六回の巡見を通して、巡見先各地での庶民の生活の中に定着した太子信仰、天神信仰を見ていくとともに、各地の歴史とそれらの信仰がどのように融合し、変容してきたのかを探った。注目すべきは、各地の真宗布教に付随して広がった太子・天神信仰であるが、この研究に関しては、高島氏・濱岡氏による考察が研究報告集に納められている。これらの研究会・巡見を経て、天神画像の蒐集し、新たな天神画像について検討を行った。最後に、まとめられた研究報告集では、当初からの課題であった「信仰の複合化」と「宗教的国際性」、そして「信仰の庶民受容」についての様々な論考を研究協力者に執筆いただいている。加えて、研究代表者である武田は、俗的権威の最高峰である天皇をも超越する神威、権威を持った聖徳太子・天神の新たな共通項を見いだし、今後の両信仰の研究に於いての新しい視点を切り開くことに成功した。
著者
松浦 清
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

星曼荼羅(北斗曼荼羅)の構成要素と構成原理は仏教の教義とは無縁な天文学の基礎知識に基づいており、仏教はその知識を教義に利用している。星曼荼羅の図像の原型は、現実の天体配置を把握する際に必要な「基礎的天体モデル」とでも称すべき一種のイラストと推測され、それにインドと中国の暦法や西洋のホロスコープ占星術が融合して、星曼荼羅は成立した可能性を研究論文にまとめた。また、星宿信仰の歴史的展開を解明するには、近世の関連作品の分析が重要であることも、他の研究論文において指摘した。
著者
德永 透子 外本 和嗣 大野 宗一 松浦 清隆
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.389-393, 2017-08-01 (Released:2017-07-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

The poor corrosion resistance of Mg alloys, which is well known as one of the lightest structural metal materials, limits a wide use of these alloys. In order to dramatically increase not only the corrosion resistance but also the surface hardness of Mg alloys (AZ80), coating with A2024 Al alloy by hot extrusion has been attempted in this study. The coating was successfully realized by hot extrusion of a Mg alloy (AZ80) billet together with an Al alloy plate placed between the billet and the extrusion die. The A2024 Al alloy-coated Mg alloy exhibited an excellent corrosion resistance and no weight loss was observed after immersion in a 5 mass% HCl aqueous solution for 10 min while a weight loss of about 1500 g・m-2 was observed in case of AZ80 Mg alloy without coating under the same condition. The surface hardness of the coated alloy was increased to about 85 HV by aging for 144 h at room temperature after solution treatment for 3 h at 673 K.
著者
井上 寛司 山岸 常人 小林 准士 平 雅行 久留島 典子 関根 俊一 淺湫 毅 松浦 清 大橋 泰夫 小椋 純一 和田 嘉宥 的野 克之 田中 哲雄 松本 岩雄 鳥谷 芳雄 花谷 浩 山内 靖喜 野坂 俊之 石原 聡
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

天台宗の古刹である浮浪山鰐淵寺は、中世出雲国一宮出雲大社の本寺として創建され、極めて重要な役割を果たした。本研究は、鰐淵寺に対する初めての本格的な総合学術調査であり、鰐淵寺の基本骨格や特徴、あるいは歴史的性格などについて、多面的な考察を加え、その全容解明を進めた。
著者
山岡 泰造 松浦 清 並木 誠士 中谷 伸生 張 洋一 井渓 明
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

これまで積極的に評価がなされず、研究の余地を大いに残している大坂画壇の絵画について調査研究を行った。主として関西大学図書館所蔵の絵画作品約550点を調査し、それらの写真撮影、法量などのデータ整理、関連文献の収集を行った。また、大阪市立博物館、堺市立博物館、大阪市立近代美術館(仮称)の所蔵作品約200点を調査し、それぞれのデータをカード化した。さらに、大阪、京都を中心にして、美術商及び個人所蔵の約100点を同じくカード化した。加えて、京都工芸繊維大学他、各研究機関所蔵の文献資料を調査し、重要な文献を複製等を通じて収集した。これらの調査は、主として大坂画壇の中でも最も重要な位置にいた木村蒹葭堂と、その周辺で活動した画家たちを中心に進められた。たとえば、愛石、上田耕夫、上田公長、岡田半江、葛蛇玉、佐藤保大、少林、墨江武禅、月岡雪斎、中井藍江、中村芳中、長山孔寅、西山芳園、耳鳥斎、浜田杏堂、日根野対山、森一鳳、森二鳳、森徹山らである。調査研究の結果、これまで生没年すら不明であった画家たちの生涯や活動歴及び作風と所属流派などがかなり明らかになり、大坂画壇研究の基礎研究として大きな成果があった。つまり、大坂の狩野派、四条派、円山派、文人画派、風俗両派(及び浮世絵派)、戯画などの系統が整理され、基礎資料の蓄積がなされた。今回の調査研究によって、大坂画壇研究の基礎研究が充実し、研究上の新局面を切り開くことができたと自負している。